美斬の過去
「私を出産することは、もちろん反対された。でも、お母様はお父様との繋がりがある私をどうしても産みたいって言って、何とか許してもらったの。」
この時、すでに斬宗は討伐されてこの世から去っていた
「でも、お母様は…私を産むと同時に……死んだの…。」
《魔物》の力を秘めた美斬を出産するのに、人間である翠の身体は耐えられなかった
「私は、この世に生まれると同時にお母様を殺した。…その後も、自分のエネルギーを制御できなくて、たくさんの人を傷つけた。」
「そんな私を庇ってくれたのは、お祖父様だけだった。他の人は、私を避けてた。お祖父様は、私が暴走して傷つけても避けたりはしなかった。」
美斬の祖父《火刀御影》は美斬を不憫に思い、常に優しく接していた
美斬がひとりぼっちならないように、御影は常に一緒にいた
美斬にとって御影は唯一の味方だった
「だけど、そのお祖父様も死んでしまった…。だから私は疫病神だって言われて、火刀家を追い出された。そして、この学園に入学したの。」
そう言い終えると美斬はうつむいた
「…わかったでしょ?私は、この力のせいで大切な人を傷つけてしまう。今回も、相手がお父様と同じ人型の《魔物》だったから攻撃出来なかった!そのせいで、涼が傷ついた!!また私は、大切な人を傷つけた…!!」
そして美斬は顔を上げ、泣きながら言った
「だから私は涼とはもう一緒にいられないの!!!!」
そう言い、美斬はまたうつむいた
二人の間に沈黙が走った…
続く…
今回は美斬の過去でした
涼悟はどう思ったんでしょうか…
次回は涼悟が答えを出します
お楽しみに!!