目覚め
美斬視点
「ん…。ここは…?」
『目が覚めましたか、美斬様。』
「あ…炎花…。ここは、部屋?」
『はい。』
そうここは、私と涼の部屋
もう夕方らしく、夕日が窓から差し込んでいる
私の右目には新しい眼帯がつけられていた
『美斬様…、実技試験のこと覚えていらっしゃいますか?』
「実技試験…。」
そうだ
今日は実技試験で
人形の《魔物》が出て…
私は戦えなくて…
涼が…!?
「炎花!!り、涼は!?」
『大丈夫です。隣で眠っていらっしゃいます。』
隣のベッドを見ると、涼は眠っていた
キズはおそらく癒亜に治癒してもらったのだろう
私はそれがわかって、安心した
『…その様子ですと、覚えていらっしゃいますね。』
「うん…。私、暴走したんだね。」
『はい。』
そう、私は暴走した
それを見られてしまった…涼に
一番見られたくない人に
「どうしよう…。見られちゃった、涼に…。」
『美斬様…。』
私の最も醜い姿を
大切な人に、好きな人に見られてしまった
「もう私、涼と一緒にいられない…。」
「どうして一緒にいられないんだ?」
涼が目を覚ました…
続く…
さて、涼悟と一緒にいられないと嘆く美斬
そんな時に目を覚ました涼悟
タイミングが良いんだか悪いんだか…
次回もお楽しみに




