第6夜 悪夢の繰り返し
私は薬をもらうと病院を出る。
すると、車にもたれかかっているルーを見つける。
「ルー??どうしたの?」
私はルーに近づきながらいうとルーはオドオドしながら眼鏡をかけなおす。
「その・・倒れたってきいて・・だから、その・・・様子を見に・・行こうとしたら、エリックさんに・・・えっと・・・もうすぐ帰るって・・その・・・いわれて・・・」
ルーは俯きながらいつものように言う。
「相変わらず、口下手だね。」
私は弱い声で笑うとルーも笑う。
「家まで・・・送ってくよ・・・」
「車、なおったんだ。」
私は車の方を見る。
「う、うん。」
「じゃ、おあいこね。」
私はそういうとルーは満面の笑顔で頷いてドアを開けてくれる。
「ありがとう。」
私がそういうとルーは小さく頷くと自分も車に乗り込む。
そして、家に向かって車を走らせる。
「た、体調はど・・う?」
ルーは道路をしっかり見ながら聞く。
「うん。大丈夫だよ。でも、なんか薬を飲まなきゃいけないみたい。」
「そうなの!?今まで、風邪・・・ひいたことなかったのに??」
ルーは驚いた声でいう。
「そうだよね。私も、驚いた。」
私がそう答えると車内は静かになる。
すると、あっというまに家に着く。私は車から出ると、ルーのほうを向く。
「今日はありがとう。また、明日。」
私はそういうとルーは手をふる。
私も振りかえして家に入って自分のベットに寝転ぶ。
とても疲れた私は目を閉じる。
私はまた森の中にいた。だけど、今度は暗い。
今日、夢で見た”彼”がいた場所の方へと走る。
すると、そこにはとても怯えた表情の女の人が走っているのが見える。
私は彼女に声をかけようとした次の瞬間誰かが彼女に飛びかかり頭だけが飛んでいく。
赤毛の髪をした頭だ。
私はまだ体を虫食っている誰かに気づかれないように急いでその場から逃げようとした。
その誰かはわかっていたけど、とても名前を言えない。
すると、目の前に気づかないうちに血まみれで真っ赤な瞳、黒い血管が目の回りに浮き出ている彼がたっていた。
彼は不気味な笑みを浮かべながらあの魅力的な声で言う。
「どこへいくんだ?」
私は震える足で後ろを向いて走る。すると、ありえない速さで彼は目の前に来る。
「おっと、ダメじゃないか。まだ、話は終わってないよ?」
彼は口の周りについた血をなめながら言う。
私はかすれた声で言う。
「ジ・・ジョセフ・・・」
「おいおい、そんな怯えた声で名前を呼ばないでくれ。食欲がうせるだろ??」
ジョセフはそういうと口を大きく広げながら襲いかかる。
「マディー!!!」
パパの大きな声で私は飛び起きる。
「大丈夫か??また、悪夢を見たのか?」
私は息切れしながら答える。
「だ・・大丈夫。シャワー浴びてくる。」
私は急いでシャワー室に駆け込む。
こんなに怖い夢は初めて見た。
私は深呼吸する。