第5夜 頭の爆弾
私は重たいまぶたを無理矢理あけると、まぶしい光が入ってくる。
ぼやけた視界で白い壁が見えた。すると、パパの声が聞こえた。
「マディー!気がついたか?」
私はパパの方に振り向く。すると、点滴を打っていることに気づく。
「う・・何コレ・・最悪・・」
血が苦手な私にとって腕に針が刺さっていることを考えるだけで吐き気がしてきた。
「ちょっとの辛抱だ。お前が学校で倒れて病院に運ばれたと聞いた時は生きた心地がしなかったよ。」
パパは深いため息をしながら心配そうな表情で私を見つめる。
「な、何があったの・・?」
私は記憶があいまいとして何が起きたかわからなかった。
「覚えてないのか?学校で大量に鼻血をだしながら気を失っているところを体育の先生が救急車を呼んだんだ。」
私は思い出そうとすると、ジョセフのことを思い出しながら夢のことも思い出す。
「ジ・・一緒にいた男の子は?」
私は慌てて聞く。
「男の子?お前は一人だったようだが・・・」
パパは不思議そうに見つめてくる。
「先生、呼んでくる」
パパは大急ぎで病室をでる。
私は先ほど見た夢のことを考える。ジョセフが人を食べている姿だ。
私は身震いをした。
「なんで今日は何度も気絶するのかな・・・」
私は夢のことを考えないように違うことを考える。
すると、扉をノックする音が聞こえた。
「はい。」
「やぁ。調子はどうかな?僕は担当医のジェイクだ。」
茶色い眼鏡をかけた肌白い男の人が隣にくる。
「この点滴がなければ最高です。」
「ハハ。あと少しで終わるからがんばって。」
ジェイクの後ろには心配そうな表情でこっちを見つめるパパがいた。
「実は今日、脳の検査をしたんだけど、君の脳が異常なほど活発に働いていることがわかったんだ。今までで頭痛になやまされたりしなかった?」
ジェイクがそういうと私は最近よくおこる頭痛のことを思い出す。
「時々・・・。」
「そうか。このままだと脳がもたないんだ。だから、薬を毎日三錠飲んでくれる??」
私はなにがなんだかでわからず、とりあえず頷いた。
「よし。今日はもう帰っていいよ。」
ジェイクは手にあるファイルに何かを書くと、私の方を向いて優しく微笑む。
「お父さん、これからの診察について話したいのできてください。」
ジェイクはお父さんにそういうと病室をでる。
「マディー、点滴がおわったら先にタクシーでかえってくれんか?ちょっと、長引くかもしれない
。」
パパはそういうと私は頷いた。すると、パパは私のおでこにキスをすると病室を出て行く。
「私、どっかわるいのかな・・・」
私はそうつぶやく。