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取り繕うには嘘が必要

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

多分、一度読んだだけでは分からない。


※作者がよく分かってないんで。


けれども凄く気に入った作品になりました。

色んな場所に行って、色んな人と合って、結局馴染めずに今に至る。人から勧められたものは面白くないし、人の話は的確に理解出来ないし。所謂、社会不適合者という奴で、私はこの世界に生まれるべきではなかったと痛感した事は数知れない。明日死のうとロープを買いにホームセンターまで行った事も数知れない。そんなある時に、神様を一柱見掛けた。

その神様は張り付いた笑顔で人を甘やかし、悩みを取り除いて送り返していた。能面のような笑顔であった。けれども余りにも精巧なもんで、子供でさえ騙せてしまいそうだった。その必死な生き方が、私と偉く重なった。

長らくずっと眺めて居るうちに、能面のような張り付いた笑顔で接している子に対しても、少しづつ変化が訪れた。能面にヒビが入って、隙間から光が漏れ出ていた。それは段々と全体へと広がって、最終的に崩壊した。その時見た本当に楽しそうな笑顔がその神様の本質を表していた。


習慣である神社通いは凡そ数年に及ぶ。私は此処の傍観者として、人の動向を観察し続けた。賽銭ぶん投げていく奴もいた。端によって小さくなって必死に願う奴もいた。それでも梅香の君は笑顔で接し続けていた。分かる人間には能面か素顔かが分かるが、大体の人間にはきっと分からない。多くの人間には分からない。

梅香の君は私を見掛けると、笑顔の仮面をずり落として冷ややかな双眸で此方を見据えてきた。普段の穏やかさとは異なる、余りにも尖った人間らしさ。元から持ち合わせていた本質。

「また来たの? 社会不適合者」

「おやまぁ、随分とした物言いで」

私は僅かに口角を上げて、梅香の君の顔を覗き込むと、苦虫を噛み潰したような顔で此方を見た。

「君が言ったんだ。社会不適合者だって」

「まぁ否定はしませんよ。人間失格と言う奴です。ご存知で御座いますか? 太宰治氏執筆『人間失格』。この筆名、縁とゆかりしか感じませんね。ふふふ。縁と言うのは集束を繰り返すのです」

物事は拡散に通づる。というのはよく聞く話。整理整頓の行き届いた部屋が散らかる様に、個体が気体へと変化する様に、大抵の物事は拡散へと向かう。けれどもそれに抗って集束するものを、人間は運命と言うんだ。

「余りにも優しい人間故に人間辞めてしまった貴方様と、社会不適合者故に人間になろうとした私。行き着く先は太宰治だったという話です」

「取り繕うには嘘が必要」

「流石は学者様だ」

解読したら正体バレそうなので、慎重に。


元ネタとテーマは太宰治氏執筆の『人間失格』。

周りに馴染めず、自分は異質。

頑張って取り繕って生きている。

主人公ちゃんも人間失格の主人公の様に書かれてます。

でも本質が優しい神様も、色々と我慢して取り繕って生きている。

能面のような笑顔で接して本心を隠している。


その自分とは真逆でありながら、終着点は一緒。

理解が出来ないから、底が知れない。

だから凄く興味も持ってそうだなと。


過程が真逆でも、行き着いた先は人間失格の様に、懸命な生き方だった。という話。

本心を取り繕う為には嘘が必要だったという話。


まぁ他にもちょこちょこ、ヒント入れて置きました。

でも此処で解読には記載しません。

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