表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/23

確保


『一緒に遊ぼ』


無邪気なメッセージ。発信者は『クロスエイド』


有名なプレイヤーだ。表世界の総合ランキング一位。ゲームが始まった時からずっと、不動のトップ。


物理攻撃特化。有名トップクランの団長。クラン人数は上限300人の常に満員。


上位ランカーがほとんど彼のフレンドらしい。


あと、超重課金者。


羅列される情報だけでも、近寄り難い。絶対、関わりたくない。


一応、相手プレイヤーからの接触を拒否できる、ブロック指定、もできる。


メッセージも、姿すらも見えなくなり、しつこいプレイヤーから逃げられる機能だが、ブロックされた事は相手にも伝わる。


そこまでは、できない。


ゲームのメッセージ画面に、悩むこと二日目。





「……ムリ」


シドのマイホームにお邪魔して、ダラダラとお茶をしていた。


遊ぼう、はゲーム内で、だろうし。一緒にと言っても、装備から熟練度から違い過ぎて、クエストひとつ、ついて行けないだろう予測がつく。


リユキを通してレイを確保したいのだろうが、人身御供にする訳にも。


そもそも、人見知りなのだ。野良パーティは本当にどうしようもない時しか、組みたくない。


「何がムリって?」


新たに手に入れた黒装備を眺めて満喫中のシドは、独り言をしっかり拾っていた。


メッセージやら、リアル遭遇やらは、話せていない。このまま何もなければ……何もなく、縁は切れるはず。


「今日は、どうする? とりあえず、装備は揃ったよな」


「うん」


シドの新しい装備は、拳闘士用の道着だ。身軽さと丈夫さが、格段に上がった。


リユキの装備も新調した。ちょっとデザインが……大人っぽい。


「ところで、レイさんは?」


「採取?」


珍しく、ひとりで行動中だ。リユキが今日は、シドのマイホームから出ないと分かると、出掛けて行った。


何もする気が起きない。クエストも採取も、必要最低限は終わっていたから、リユキとしては現状で充分だった。


うっかり街を歩いて、見つかりたくないのもある。


幸い、アイテム売買や、情報閲覧はどこでもできる。


引きこもり万歳だ。


(ホテルに、いれば良かったかも)


ダラダラと時間を潰していたら、ワールドメッセージが流れた。



『突発イベントを開始します。オンしているプレイヤーは戦闘準備をしてください。繰り返します──』



「……は?」


「え」



『緊急イベントだよーっ? 首都にレイドボスが襲来! クリスタルを守ってねー! 10、9、』



「いきなりかよっ!」


「……」


パーティを組もうとしたが、出来ない。シドと顔を見合わせる。


「ランダム飛ばしだ! こりゃマジだな」


「……クリスタルで集合?」



『……3、2、1、ゼロ〜!』



「後でな!」


マイホームから強制的に、表世界のどこかへ飛ばされる。


完全にランダムなため、職業もレベルも無関係。未踏地に飛ばされたら、戻れないだろう。その場合はイベントは諦めて、アウトするしかない。


フレンドチャットも、グループチャットも使えない。


「──」


ただ、救済措置は一応ある。ランダムに、別職業で組まされるのだ。


吹雪が舞う寒冷地エリア。知らない上級者エリアだった。


雪男のような、見上げる程のモンスターがいた。


そのモンスターを挟んで、輝く剣を振るうプレイヤーの姿が見えた。


白髪の、長身の、六枚翼の、美女プレイヤー。


邪魔といわんばかりにモンスターを一撃で斬り捨て、にこにこ笑う。


「ラッキー、さすが俺!」


キャラ名が燦然と頭上に輝く。


クロスエイド。


(え? いや……ありえない。いくらなんでも)


ゲームプレイヤーが、一体何万人いると。


「頑張って、帰ろっか? 回復さん?」


こんな偶然は──仕組みでも、しない限りは──。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ