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余裕が出来た。

 そう口にした時"キュルルルー"と喚く。


 お腹が。


 そりゃそうだわさね。


 なんせ、こっちとりゃ転移後まともにメシなんて食っとらん。


 幸いにして、この水溜まり状になってる所に、それなりの大きさなお魚さんがいてる。


 羽つき鳴き声ワンちゃんチックな子猫ちゃんを大きな石におろした後、俺は急いで川と繋がる部分に石を敷き並べ、魚が逃げられない様にした。


 して、バシャバシャと追いたてる。


 が・・・


 捕まえれん。


 けど敗けらんない。


 捕まえれなければ食事にありつけれないんだもん。


 俺は頑張った。


 頑張ったが・・・


 ダメ。


 浅瀬よ?


 袋小路よ?


 オマケに、めぼしいお魚さんは7、8匹もいてるんよ?


 手掴みは難しいとはいえ・・・


 何故に1匹たりとも捕まえられんのじゃあぁぁぁー


 ハアハア息を切らし、肩で息する俺。


 目の前には悠然と泳ぐ魚ども。


 憎たらしい。


 とはいえ、俺もそこまでバカじゃない。


 水溜まり部分を小さくしてけば、いずれは捕まえられるはず。


 そう、魚相手に大人げない作戦を敢行した。


 完全持久戦だ。


 逃げ場か小さくなるにつれ、いくらニブチンな俺でも徐々に捕れ始める。


 捕った魚は、バケツやビクを持って無いから、近くに生えてた柔らかく、長めの草の枝をエラから口に向かって差し入れ確保。


 かなりの時間を有したものの、目的の魚は全て捕りつくした。


 手には残酷鯉のぼり。


 今回の分は十分。


 ここは今後も都合の良い狩り場になるだろう。


 また入ってくる事を祈りながら、囲い込みに利用した大量の石を取り払う。


 頼んだで!


 腹へりのピークは、とうに限界にきている。


 けど、かなりの時間を使ってしまったんで、早めに寝場所をキープしなければ・・・


 空腹いぜんに命が危険で危ない。

 

 なんせ俺は雑魚っぽい獣にケチョンケチョンにされるぐらい弱いんだもん。


 石橋を叩かんとね。


 近くに何か無いかと見渡す。


 すると、良い案配に洞窟チックに組まれた岩がみつかった。


 入口部分は1m50㎝位、中は4m角程で、高さが2m程度。


 十分な大きさだ。


 オマケに、何かの巣といった感じも無い。


 こんな場所が直ぐに見つかるなんて、神様に感謝・・・


 せんで良いな。


 俺の知る神様(自称)がホントに神様だってんなら、あんなんに感謝するんは間違っちょる。


 なーんも生存戦略的なもんくれなんだし。


 今回のこれは、俺の運によるものだ。


 きっと、そう!


 間違いない!


 ともあれ、それなりに安全が保てそうな場も見つかり、この世界に転移してから初めて少しだけ心に余裕が出来た。

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