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13 ランチ



 お昼ごはんの時間がやってきました!

 彼から食堂の話を聞いて、とても楽しみにしていたので、やっとこの時がきたという思いです。


 食堂には、貴族用のお高いランチから庶民の財布に優しい質より量ランチまであるようで、AランチからFランチまであります。

 彼は、庶民の貴族風ランチと呼ばれる、Dランチがおすすめと言っていたので、私はそれを頼む予定です。


「グレット、俺は先に行っているから。」

「わかった。俺もすぐに行く。」


 彼は兄との会話を終えると、私を食堂へと案内してくれました。大勢の人が集まる食堂で、慣れた様子で彼は席を確保します。


 食堂では、まず席を確保してから注文し、確保した席の番号を伝えます。あとは、席で待っていれば料理が運ばれてくるというシステムです。


「しばらくここで待っていてくれるかな?少し生徒会の用があって。注文はしといたから、料理が来たら先に食べてくれていいよ。」

「わかりました。・・・待っていますね。」

「ありがとう。でも、待っていてくれるのはうれしいけど、料理は温かいうちに食べてね。」

「・・・はい。」


 本当は、一緒に食べたいです。

 確かに温かいうちに食べる料理はおいしいですが、みんなで食べる覚めた料理の方がもっとおいしいと思います。

 学校での食事は、彼と兄・・・ガゼルと食べる約束をしているので、家で食べるより少しだけにぎやかになると思い、楽しみにしていました。


 料理が来る前に帰って来てくれるといいのですが・・・



 それから30分が経ち、とっくに料理が運ばれてきて、もう食べ終えてしまいました。2人の料理も同時に運ばれてきたので、もう冷めています。

 私には温かいうちに食べるように言って、自分は食べないのですね・・・なんて、ちょっと私はふてくされてしまいました。


「マイシスター、一人にしてごめんなっ!」

「・・・兄。」

「そこは、ガゼルお兄ちゃんって呼んでよ!」

「・・・お兄ちゃん。」

「かわいい!」


 兄は、私の隣の席に腰を掛けて、私の頭を撫でました。

 軽く辺りを見回しますが、彼はいません。確か、兄は彼と共に生徒会の用事があると言っていましたが、なぜ兄だけ帰ってきたのでしょうか?


「悪いな、グレットはもう少し遅れて来るんだ。それより、グレットおすすめのランチはどうだった?今日はステーキか・・・」


 兄は、彼の分のランチを見て顔をしかめました。

 ステーキは、冷めるとおいしくないですからね。


「おいしかったですよ。・・・一緒においしいステーキを食べたかったです。」

「・・・ごめんな、リリちゃん。」

「なぜ、お兄ちゃんが謝るのですか?お兄ちゃんのせいではないので、謝る必要はないと思います。」

「そうだけど。・・・リリちゃんの寂しそうな顔を見てたらさ、俺のふがいなさが悔しくてな・・・引っ張ってでも、あいつを連れて来るべきだった。」

「・・・彼は、なんでお兄ちゃんと一緒に来れなかったんですか?」

「それは、あいつの口から直接聞いた方がいい。」


 困った顔をする兄にこれ以上聞くことはできません。彼が来るのを待ちましょう。




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