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移動要塞自宅~勇者に選ばれたおウチと旅をすることになりました~  作者: ぷっつぷ
18けんめ 海系スキルを解放しまくる話
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第1話 基本中の基本

 ルリとまおーちゃんの2人と出会って一夜が明けた。

 私はシェフィーに叩き起こされ、久々の午前中の朝食をみんなと一緒に食べる。


 朝食中、ルリはお味噌汁を飲みながら、静かに話しはじめた。


「……イショーちゃん、たぶん海底に、行った……たしか、海底神殿があって、そこに転移魔法陣が、あるらしい……」


「おお〜! ねえねえルフナ、海底神殿だって〜! ミィア、行ってみた〜い!」


「よし! 私が必ず、ミィアを海底神殿に連れていく! スミカさんの力を借りて!」


 珍しいルフナの他力本願。

 まあ、さすがに世界で2番目に強いナイトさんも、海底となると簡単には行けないよね。


 問題は、ナイトさんじゃなくても海底に行くのは簡単じゃないということ。

 シェフィーは疑問を口にした。


「スミカさんは、海底に行けるんですか?」


「う〜ん」


 少し考えて、紅茶を飲み、スミカさんは宣言した。


「試してみるわ! これから海に潜って——」


「ダメ! いろいろ無茶!」


 箸に挟んだ卵焼き片手に、私はスミカさんを止めた。

 理由は簡単。


「海に潜っても水漏れとかはしないだろうけど、海の中で進む方法も、浮上する方法もないんだよ! たぶん1回潜ったら、海底を徒歩で歩くしかなくなっちゃう!」


「海底を歩くのじゃダメなのかしら?」


「さすがに海底神殿を探す効率が悪すぎるよ。地上で使えるスキルが海底で使えるかも分からないし」


「なるほどね、たしかにそうだわ」


 良かった、スミカさんが納得してくれた。

 ただ、今度はシェフィーが疑問を投げかけてくる。


「それでは、どうやってイショーさんを探せばいいのでしょうか?」


 もっともな質問だね。


 私だって、対案もなしに反対したわけじゃない。

 こういう難易度が高いミッションに当たったときは、とにもかくにもスキルが重要。


「実はね、おウチスキルに『海底までツリー』ってのがあったんだ。このツリーにあるスキル、ほとんど潜水系のスキルだから、これを解放すれば海底に行ける」


「ホントですか!? 勇者のスキル、万能すぎです!」


「女神ちゃんに感謝ね」


 スミカさんの言う通りだよ。

 思いつく限りの便利機能をスキルとして用意してくれた女神様、すごい。

 これでユーザーインターフェースの改善アップデートがくれば完璧。


 さて、ここでミィアが手を挙げた。


「ユラユラ師匠〜、その『海底までツリー』って、すぐに解放できるの〜? 解放条件とか、いろいろあるんじゃないの〜?」


「さすが我が弟子。良い質問じゃ」


「えへへ〜」


 そう、スキル解放には当然、条件がある。


「『海底までツリー』を解放するには、たぶん一定の航行と海のマモノの退治が条件だと思う。あと、スキルポイントも少なくなってきてるから、これも稼がないと」


「つまりは万全の準備が欠かせないということだな」


「イショーさんのためにも、急いで準備しないとですね!」


 みんな理解が早い。

 なんだかんだで、みんなが私の自宅に住みはじめて長い時間が経ってる。

 もうジュウの勇者の戦い方をマスターしているんだろう。


 準備のため、みんなは朝食を食べる速度を早めた。

 そんな中、ルリは私の耳元で言う。


「……ユラは、ゲーム、好きなんだね……」


「え? うん、そうだけど、なんで分かったの?」


「……さっきの話、ほぼゲームの攻略と、同じ……次のステージの特徴に、合わせて、有効なスキルを先取り、する……ゲーム攻略の、基本中の基本……」


「もしかして、ルリもゲーム好き?」


「……その、もしかして……」


 ふむ、やっぱりルリは〝こっち側の人間〟らしい。


 ところで、まおーちゃんはずっとルリの体に密着し、離れようとしない。

 それどころか私とは目も合わせてくれない。

 同じ人見知りとして、まおーちゃんの気持ちはよく分かるけど、ちっちゃい子に怖がられるのはちょっと傷つく。


 一方で、まおーちゃんはスミカさんには少し懐いたらしい。

 スミカさんは微笑みながら、ぱくぱくとサラダを食べるまおーちゃんに声をかけた。


「サラダ、美味しいかしら?」


「うん、おいしい」


「ルリちゃんからね、まおーちゃんはお野菜が好きって聞いたから、まおーちゃんのサラダはみんなより多くしたの」


「スミカ、すごい」


「フフ、好き嫌いしないでお野菜を食べるまおーちゃんも、すごいわよ」


 褒められたまおーちゃんは嬉しそうに、そのまま一気にサラダを食べ尽くした。

 やっぱりスミカさんは人見知りさんにとっての神様なのかもしれない。

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