プロローグ
初めての小説です。
暇つぶしにどうぞ。
はぁ…
どうしよう
会社クビになりました…
家族経営の小さな会社でアットホームで優しい社長の旦那さんにしっかり者で明るい副社長の奥さん。
事務職で給料は安かったけど働きやすい職場だったなぁ…
不景気で会社が危ないのは気がついてたけど、まさか社長が友達の連帯保証人になって逃げられるとかベタな展開が待ってるとは思わなかった。
こっちが恐縮するくらい謝られてもう何も言えなかった。
「若いんで大丈夫です!!すぐに就職先見つけますから気にしないでください!」とか大見栄はるんじゃなかった…
辞めてからもう3ヶ月…
流石にもう貯金も大分減ってきた。
どこでもいいから就職させて下さい!!
神さま仏さまその他諸々の神さま!!
って、お腹すいた。
冷蔵庫にはモヤシとキャベツしかない…
ストレスのせいだ…
きっとストレスのせいで思わず醤油と味噌と牛乳と塩と砂糖を買ってしまったんだ…
なんで安かったからって重いものばっかり買っちゃったんだろう。
自分のマヌケ具合に呆れる。
家の玄関開けたらチラシが落ちてた。
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〜物件管理のお仕事!〜
すぐ働けます!衣食住付き!
就寝雇用/福利厚生有り
給料: 歩合
仕事内容: 物件管理。
お客様への対応もありますが直接会う必要はありません。
未経験でも大丈夫!丁寧に教えますので安心して働けます!
あなた次第で職場が発展するかも!?
たくさんの仲間があなたを待っています!
是非お気軽にご連絡ください。
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何これ?
お客は来るのに会わないくていいって電話対応とか?
歩合かぁ。物件管理なのに歩合って全然想像つかない…
でも衣食住付きなら給料安くてもいいかも。
ふふっ
て、このチラシ連絡先かいてないじゃない。
イタズラなのに、ちょっと就職してもいいかもとか考えちゃった。
「え…?」
なんかこのチラシ光ってる?
「うわっ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
なんだったの?
アレ?チラシなくなってる…
考えるのやめよう。疲れてて幻覚みたんだきっと。
自分で思ってるよりストレス溜まってるのかも。
しまった!玄関の外に買い物袋置きっ放しだ。
あまりの重さに置きっ放しにしてチラシに夢中になってたわ。
ガチャ
「……」
パタン
アレ?外がおかしい。
なんか真っ暗だった。その奥に薄ぼんやり光るものが見えた気がする。
買い物から帰った時はまだ3時くらいだったはず。
なんだろう。嫌な予感しかしない。
非現実過ぎて逆に冷静になれる…ような気がする。
ガチャ
「……なんで?ここどこ?」
そぉーっと玄関から出てみた。
足下に買い物袋がある。やっぱり家の外に間違いないってこと?
念のために買い物袋をドアに挟んでから光ってる方に進んでみた。
うっすら壁が見えるから部屋?っぽい。
ぼんやり光ってたのは水晶みたいな球だった。
浮いてるけど…
危険そうでもないしどうやって浮いてるのか気になったので触ってみた。
指先が触れた瞬間眩しい光が放たれて思わず目をつぶった。
恐る恐る目を開けると明るくて何もない部屋で慌てて部屋を見回すけど目の前の球以外は後ろの方に家のドアが見えるだけ。
びっくりしたけど、とりあえず危険ではなかったみたいでちょっとホッとした瞬間。
『マスターとして登録を承認しました』
『マスターとの思念共有を確認』
『各種設定をしてください』
声が聞こえた。しかもなんか頭に響いてくる。
「えっと、あなたどちら様?
これ幻聴?それにここどこ?何が起きてるの?」
『私はコアです。初めましてマスター。
幻聴ではありません。ここはダンジョンのマスタールームです。現在入り口の設定がされていませんので、正確な場所は不明です。次元の狭間に位置しています。
マスターはダンジョンの主になりました。
私はマスターの補助するための人工知能です』
「ダンジョン?ゲームとかに出てくるダンジョンのこと?」
『肯定。マスターはダンジョンマスターになり今後ダンジョンの管理、運営が仕事になります。』
頭に浮かんだのはあの連絡先不明の怪しいチラシ。
「物件管理…。衣食住付き…?」
『肯定』
「……」
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