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課金は正義の味方の武器です。5

「え?」

次の瞬間、【何か】が落ちる音でも、雪乃の叫びでもない、聞こえてきたのは青年の困惑めいた声。

「なんで切れない!?」

何度もナイフを振り被るマジシャン。

雪乃が避けているわけではない、だけどその刃は【そこに】何もないかのようにナイフは空を切る。

「切れないって言ったでしょ?人の言うことを聞かなきゃ!」

「ありえないありえないありえない」

 攻撃を当たっているはずなのに攻撃が通じてない、この現実を受け止めきれない青年は気が動転し始めるが、それに対して雪乃は、驚くことがないかのように平然で相手を満面の笑顔で見つめていたり手を振ったりしている。

「始めよう!楽しい楽しいおとぎ話を!さぁ!お兄さん一緒に踊ろうよ!」

その場で両手を広げ、くるくると回りながら踊りだす雪乃に対して、青年は危険を察知したのか雪乃の前から距離を置くように姿を消し、最初に登場した場所にまた姿を現す。

「楽しい楽しいお茶会を壊そうとする悪い悪い魔法使い!悪いことをしたらハートの女王様からお仕置きされるの!さぁ出てきて!トランプの兵隊さん達」

雪乃の言葉に、反応するかのように、ハートやスペード等のトランプ模様の鎧を着た兵隊5人も青年の四肢の後ろに突如現れ、瞬時に青年の手足を掴み体を拘束する。気が動転したまま拘束を解こうと暴れる青年。

「離せ!なんだこいつら……どこから出てきた!?離せ!」

笑顔のままゆっくりと拘束を外そうと暴れる青年に近づく雪乃の右手にはさっきまで持っていなかった。鍔がハートの形をした西洋剣が握られていた。

「マジシャンのお兄さんの負けた理由は2つあるの!聞きたい?」

「それは……それはなんだ!?」

「1つ!私のお兄ちゃんを傷つけた。2つ!かわいい女の子狙った。3つ!かわいいは正義だよ?」

「僕は……僕は!A-ランクコトダマだぞ!こんな小娘に負けるわけがない!」

「ううん、お兄さんは急に強くなりすぎたの、体が能力に追いついてないの。だからあっちの世界でせめていい夢を見てね?」

雪乃は青年に剣で攻撃する気がないのか、剣が届くか届かないギリギリの距離までに近づけば持っていた剣を大きく天に向けた。

「トランプの兵達!その男の心臓を女王陛下に授けなさい!」

雪乃が言い終われば、兵隊達は拘束に使っていた腕を青年から離し、一瞬の間も空けず腰に携えていた剣で青年の心臓を目がけて5人の兵隊達はは青年の心臓を串刺しにした。

まさに神速の技だ。

次の瞬間コトダマの体を徐々に足元から透けて消滅されていく。


コトダマの消滅だ。

コトダマはコアと呼ばれる心臓の破壊、首の切断または頭部の破壊で消滅する。

これが唯一のコトダマの討伐法である。コトダマも生物と同じく心臓はある。どの生物にも言えることだれども弱点っていうのは中心にある。もちろん例外もいるみたいけれども。人の形をしたコトダマならコアの位置も人間の心臓と同位置の所にある。

コアを破壊されたコトダマの完全消滅までには、少しは時間はかかる。コア破壊すれば半固着状態と呼ばれる状態になる。視覚はできるが触れることも触れられることもできない。


「お嬢ちゃん強いねー最後に一つだけ、なんでナイフがすり抜けたんだい?躱してなかったように見えたけど?」

「マジシャンのお兄さん?種は教えないのがマジシャンでしょ?聞かれて教えるバカはどこにいるの?」

「それもそうだ……マジシャン失格だ名前負けしているコトダマ」

から笑いをするマジシャン。

「でも私は教えちゃう!お兄さんが攻撃していたのは私の魔法で作った幻覚なんだよ?本当の私はずっとお兄ちゃんの後ろにいたのよ!!」

雪乃がそう言い終わると目の前にいた雪乃が消え、俺の後ろから雪乃が出てくる。

「そういうことだったのね……賢い子だ。」

そういい残せばコトダマは消滅していった。


カランカランとアルミ缶が落ちたような軽い音。

コトダマが消滅した後に出てくるコトダマのシード。

まるで果物が木から落ちて種とを出して繁殖するように、このシードも放置しても何も起きないが、特殊な薬剤をかけると新しいコトダマが生まれる。他のコトダマに吸収させる事でコトダマの能力が人間を捕食するより強くなる。このシードは後日に役所に届ける前か魔法を使って破壊するかが義務付けらている。


「雪乃強いでしょ!お兄ちゃん」

「強いね!まさかA-ランクを倒すなんてね……びっくりだよ」

「お兄ちゃん?能力が追い付かないほどの急成長したから実質A-の力使えなかったのよ?倒される前に人を殺した数が多かったからA-になっただけだよ?」

「見ないうちに強くなったね、雪乃」

拘束を解かれたのか徐々に体の自由が効いてきたから雪乃の頭を優しく撫でてあげた。

最後にあった時なんて、カブトムシが怖くて泣き出してしまうような幼い女の子だったのに。

「お婆ちゃんが強くなれないと東京に行かせないって言いながらも毎年、夏休みは山でサバイバルさせられたおかげかな?」

えへへと笑うかわいい妹。


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