表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

課金は正義の味方の武器です。4

「雪乃!相手はA-ランクだ!これを解いてくれ」

雪乃の魔法はどんな魔法か知らない。この拘束バインドは、共通魔法。誰でも使える魔法。

こういう共通魔法以外にも、アプリを初めて起動したときにその人のトラウマや思い、考え方によって使える魔法は変わる。

「A-ってことはめちゃくちゃ強いんでしょ?学校で習ったよ!そういう時は逃げるのが一番だって!」

「だったら習ったことはちゃんと守りなさい!」

俺の言葉を聞こうとせずに聞き流すだけの雪乃は相手を満面の笑顔で見つめつつも、指先だけを動かして携帯で課金をした。


 その瞬間、雪乃の着ていた服装が黒いセーラー服からおとぎ話の登場人物が着ていそうなフリルのついた水色のワンピースにと変化した。あれが雪乃の戦闘服だろうか?だけれど武器など一切見当たらない、体も拘束の影響で首から下は一寸たり動くことを許してくれない。

「かわいいお嬢ちゃん、お着替えして一段と可愛くなったね!それでは!観客は二人!最高のマジックショーを始めよう!」

青年はそう言えば。右手を高く上げると爆竹が爆発したような小さい爆発を起こした。

小さい爆発を起こした右手で黒いシルクハットを取り、くるくる回してから中に左手を入れて中からは、刃が真っ赤な色をしている大きなナイフが出してまたシルクハットを被った。

「うさぎじゃない!嘘はよくないよ!ナイフは危ないから出さないで!」

「ごめんね?お嬢ちゃん、先に面白いマジック一つ見せようと思ってね。このナイフで切っても血がでないんだー!だから痛くないよ?ねぇ?手伝ってくれるかい?お嬢ちゃん」

喫茶店では体の一部を消すと聞いたから遠距離攻撃型かと思ったら、近距離型のコトダマだったのか。

あのナイフには、間違いなく物体を消す仕掛けがある。

それを解明しなければ。首から下は動かなくても目だけででも解明しなければ雪乃があぶない。

「マジシャンのお兄さんは仕掛けがないとマジックできないの?」

何かに気付いたのか?満面の笑顔で挑発する雪乃の言葉にマジシャンは顔にしわを寄せ始める。

「種も仕掛けもないよ?こんな感じにね?」


その瞬間、青年は消え俺の腕に鋭い痛みが走ったのと同時に熱を帯びる腕。

切られた――この感覚は間違いなく切られた。

「ってぇ!」

余りの痛みに状況把握より声が出てしまったが、雪乃に拘束されている為、顔も動かせない、反撃もできない、今俺の腕がどうなっているかすら確認ができない。唯一動かせる目を頼りに、視線を前から横に移動させたらそこには、さっきまで目の前に居たはず青年が俺の隣にいる。

「マジシャンのお兄さん?人を傷つけるのはマジックじゃないよ?マジックは皆を笑顔にしなきゃ!」

無邪気にいう雪乃だけど雪乃はまだ何もしようとしないようにも見える。

「お嬢ちゃんの言う通り、マジックは人を笑顔にする素晴らしい物だよ。人間は絶望しきったら笑い始めるの知っているかい?だからお嬢ちゃんのお兄ちゃんを笑わせるマジックをしてあげるね!だからお嬢ちゃんの首を頂戴?」

青年の気配は俺の隣から消え瞬時に雪乃の目の前に現れナイフを持った右手を横に大きく引っ張った。

体の体はまだ動かない、このまま俺は妹を目の前で殺されるのか?

アイツはあとはそのまま、あのナイフを横に振るだけだ。

「そのナイフじゃ私の首は切れないよ?マジシャンのお兄さん」

何もしない雪乃に青年は容赦なくナイフを雪乃の首筋をめがけて振りかぶる。

「やめろおお――!!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ