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関羽という女

宗一視点


川で採れた魚を食べながら関羽にいろいろ質問してみたが帰ってきた答えはみんな予想通りだった。やはりこの場所は河東で間違いないようだ。


「沖田殿はこの国の出身ではないのですか?」

「ああ、おそらくオレは違うとこから来たようだな。おかげで常識に疎いようだ」

「そうだったのですか。確かにその得物は見たこともない形をしている」


関羽はオレの菊一文字に興味を持ったようだ。まあ確かにこの時代には刀は存在しないからな。


「これは日本刀といってな。まあ剣に近いのだが特徴としては反りがあって片刃の剣ってことかな」

「ほう、しかし初めて見ますがこれはなかなかに見事なものだ。初見の私にもなんとなく分かるということは余程の一品なのだろう」

「へえ、やっぱり武人にはわかるんだな。確かにこの刀は名刀と呼べるものだ。だが使い手が扱えなければ本来の輝きを半分も発揮できない鈍らさ」

「ご謙遜を。私も武人、沖田殿の立ち振る舞いを見ればどれほどの腕前なのか検討は付きます。それに一度背中を預けた仲です、感じる物はありましたよ」

「まあそれもそうか。関羽殿ほどの手練にそう言って貰えるのは嬉しい」


一度一緒に戦ったのだ腕前は分かる。そしてあれはたぶん青龍偃月刀だろう。ここまでくれば間違いなくご本人様だろうな


「さて、飯も食ったしそろそろ街に行きますかな」

「あ、それなら私の住んでいる街にいらっしゃいませんか?助けていただいたお礼もしたいですし」

「いや、そこまでしてもらうのも気が引けるんだけどな・・・」

「そんな!貴方は私の命の恩人です。せめてお礼だけでもさせていただかないと私の気が済みません!」

「う~ん、どうしたもんか」


悩んだが関羽の申し出を受けることにした、やはり史実と同じで義理堅い性格のようだな。まあ旅の仲間ができるって考えたらそう悪いことではないか。

街に着くまでの間、関羽にはいろいろな事を教えてもらった。丁寧に一つ一つ答えてくれたおかげで多少の知識は身に付いた、本当にこれには助かった。そんなこんなしているうちに街が見えてきたな。二人だと本当にあっという間だ


街は結構いい処だった。田舎の街って感じで村よりは大きいが栄えているわけでもない。でも多くの人が静かに暮らしている。そんな街だった。


「着きました。ここが私の住んでいる街です。」

「静かでいい所だな。結構好きなんだ、こういうところ」

「お気に召したようで良かったです。さあまずは私の家に案内いたします」


いきなり家に招き入れていいのだろうか?しかし関羽はどんどん進んでいく。仕方なくオレもついて行く。少し進んだところに関羽の家はあった。質素な感じの家だ。


「ここです。さあ、どうぞ」

「あ、うん。お邪魔します」


中も外観と変わらず質素な感じで落ち着いた住まいだった。





関羽の家で少し休ませてもらった後、一押しの店でご馳走になった。本格中華ってやつか、なかなか美味しかった。食べ終わって今後のことを考えていると関羽に話しかけられた。


「沖田殿は今後、急ぎの用はありますか?」

「いや、今まさにこれからどうしようか考えていたところだった」

「それなら折り入ってお願いがあります。私と勝負していただけませんか?」

「勝負?模擬戦ってことか?」

「はい。沖田殿ほどの実力者はそうはいません。恩人に対して失礼だとは思いますが自分の力を試したいのです」


さて急な展開になってきやがった。断ることもできるがどうするかねえ・・・

まあ、いろいろお世話になった恩返しってのもあるがなによりも、後世では神とまで崇められている武人との模擬戦がオレを強く引きつけた。


「わかった、お受けしよう。オレも関羽殿のような実力者とやりあえるのは楽しみだからな」

「ありがとうございます!では家の裏庭でよろしいでしょうか?」

「ああ。じゃあ早速移動しようか」

「そうですね。では支払いを済ませてきますので入口でお待ち下さい」

「すまない」

「お気になさらず。これは私がしたいだけなので」


関羽は支払いに行ったので外で待つことにする。模擬戦か、楽しみになってきたな。オレの剣術がこの時代で生き残れるかどうか、見極めなければな

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