共闘
愛紗視点
私の名は関羽、字は雲長。幼少の頃から武芸に励み最近は私塾で子供たちに学問を教えていたりもしたが、この世の中を変える力になりたいと思い今はこの近辺の賊を退治して回っている。今日も賊を退治していたのだが、どうやら以前倒した賊に逆恨みされたようで大人数で報復に来たようだ。
だが臆する訳にはいかない。今ここでまとめて返り討ちにしてやろうと、私は逃げずに斬りかかった。しかし人数の差はどうしようもなく、じわじわと私を追い詰める。諦めるわけにはいかないのだが不利な状況に徐々に焦りが出てきた。
「しまっ・・・!」
焦りで足元が見えていなかった私は足を取られてしまい転んでしまった。
「へへへ、終わりだ!」
一瞬の隙をついて賊が斬りかかってくる。私の人生はこんなところで終わってしまうのか・・・。まだ、何もしていないのに・・・。
目を閉じてしまった私に賊の驚きの声が聞こえてきた。
ゆっくりと目を開けると、羽織のようなものを着た青年が立っていた。彼に助けられたと理解するのに時間は掛からなかった。
「天然理心流沖田宗一。参る!」
青年は凄まじい速度で賊を切り伏せていく。どうやら私も負けてはいられないようだな。
「関雲長。いざ!」
宗一視点
関羽と共闘して賊を切り伏せていく。まあ実力者が二人になったんだ、背中の心配がいらないってのがどれほど楽なことか。瞬く間に親玉以外の賊は絶命した。
「さて、貴様が最後のようだが」
「まあ、諦めな。自分で仕掛けて返り討ちにあったんだし」
「待ってくれ!頼む!」
「問答無用!」
「ぎゃー」
関羽が有無を言わさず賊を斬る。まあ同情はしないよ。
「ふう・・・。すまない、助かった。あなたが来てくれなかったら私も斬られていただろう。」
「いや、困ったときはお互い様ってね。オレは沖田、沖田宗一って言うんだ。あんたの名を聞いてもいいかな?」
「ああ、すまない。名乗っていなかったな、私は関羽。性は関、名は羽、字は雲長と言う。改めて礼を言わせてくれ、ありがとう沖田殿」
「いや、気にするなって。・・・お前その傷!大丈夫かよ?かなり痛そうだぞ!」
関羽の腕が真っ赤になっていた。戦闘中に斬られたのだろう。まだ血が止まってないようだ。
「ん?ああ、まあ大丈夫だろう。それにしても疲れ・・・た・・・」
「おい!?しっかりしろ!おい!」
戦闘中なので高揚していたのだろうが気が抜けたのだろう。関羽はその場に倒れてしまった。今はこいつが無事なのを祈るしかないのか・・・




