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山賊刈りの女

歩くこと三日、山篭りの経験に感謝しつつオレは先を目指していた。あれのおかげでサバイバルの知識が付いたようなもんだからな、野営しても全く問題ない。

途中で会った旅人や商人に聞いた話ではこの先に街があるのは間違いないらしい。しかし皆変わった格好をしているな、やはりここはオレの知っている日本ではないみたいだ。車や自転車といった乗り物さえ通らない。

いつになったら街に着くのか。とにかく歩くしかないのだが早く風呂に入りたいよ。


しばらく歩き続け、もうすぐ日が暮れそうって時にどこからか大きな音が聞こえた。よく見ると遠くで砂煙が起こっている。こんな山の中で何があったのかと近づいていくと何やら人の姿が見えた。それも結構な人数がいるみたいで、ここから見ただけでも40人はいるんじゃないか。しかし何やら不穏な気配だ。身を潜めて近寄って見ると一人の女の子が囲まれていた。女の子は薙刀のようなものを持っているがこの人数は無理だろう。しかしこれが山賊ってやつだろうか?たぶんそうだと思う。いやきっとそうなんだろう。みんなすごい人相が悪いし


「流石にこの人数は無理だろう。仲間たちの敵、取らせてもらうぜ」

「何を!我が武は賊ごときには屈しない!何人来ようがこの関雲長が叩き斬ってやる!」

「威勢がいいのも今のうちだ!おまえを倒して、たっぷりその体にお礼をしてやるぜ」

「下衆が・・・はあ!覚悟!」


女の子が凄まじい速さで賊に斬りかかる。しかしあの子、今関雲長って名乗ったよな。まさかあれが?オレを襲った奴らも女と言っていたが、半信半疑ではあった。史実の関羽は男だぜ。だが目の前にいる女の子は関羽と名乗っているし、その動きや立ち振る舞いは武道を極めたもの動きだ。恐ろしく強いのはすぐにわかる。


「ぐはっ」

「ぎゃー」

「このやろう!」


人が人を平気で斬っている。オレとそんなに歳の変わらないであろう女の子が、何の躊躇いもなく人を斬り続けている。本当にオレはタイムスリップしたのか・・・

頭が拒否していてもこの光景を見せつけられた今、薄々受け入れ出しているオレがいる。オレも人を斬る覚悟を決めないといけないのか・・・。しかし迷っている暇はなさそうだな。

さすがに疲れの見え始めた関羽。まだまだ賊はたくさんいる。圧倒的に不利な中でも関羽は屈しないで武器を振り続ける。


「しまっ・・・!」

「へへへ、終わりだ!」


足を滑らせた関羽に斬りかかる賊。仕方ない、このまま見ているのも限界のようだ

オレは覚悟を決めて飛び出した


「なっ・・・」

「・・・・・・?」


倒れる賊達、ゆっくりと目を開ける関羽。そこには細身の日本刀を持った一人の青年がいた。


「天然理心流沖田宗一。参る!」

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