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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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【番外編:スミコ、やめまっす!】

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 カタカタカタ……ッ。


 深夜のオフィスに、乾いた打鍵音が虚しく響く。

 蛍光灯の白い光が、ドライアイで充血した目を容赦なく焼いた。

 時計の針は、とうに「てっぺん」を回っている。


「……はぁ」


 私は重い溜息をつき、ガチガチに凝り固まった首を回した。

 ディスプレイに映るのは、終わりの見えない報告書の山だ。

 これを朝までに仕上げなければならない。

 私の仕事ではない。

 定時で帰った課長の尻拭いだ。


(……やってられない)


 脳裏に、今日の昼間の出来事が蘇る。


「今回のプロジェクトの成功は、俺の的確な指導のおかげだな! ガハハ!」


 会議室で、課長が得意げに笑っていた。

 その企画を立案し、データを集め、取引先と交渉したのは私だ。

 課長はハンコを押しただけ。

 それなのに、手柄はすべて彼のものになった。


 私が抗議しようと口を開きかけた時、課長は私の肩を馴れ馴れしく叩いて言ったのだ。


「お前は細かい事務処理だけやってりゃいいんだよ。女なんだから、ニコニコしてお茶でも淹れてろ。な?」


 女のくせに。

 その言葉が、呪いのように私の心を縛り付ける。

 悔しかった。

 言い返したかった。

 けれど、喉まで出かかった言葉を、私は愛想笑いと一緒に飲み込んだ。


 この世界で生きていくためには、金が必要だ。

 家賃を払い、光熱費を払い、コンビニの弁当を買う。

 そのためには、この理不尽な泥船にしがみつくしかない。


 私は気休めにスマホを取り出し、YouTubeを開いた。

 おすすめに流れてくるのは、派手なテロップの動画ばかり。


『誰でも簡単! スマホ一台で月収100万円を突破する方法!』

『社畜卒業! フリーランスで自由に生きよう!』


「……ワロス」


 私は死んだ目で呟き、画面を閉じた。

 そんな夢物語、あるわけがない。

 画面の向こうの煌びやかな世界と、今のこの薄暗いオフィスの現実。

 そのギャップが、余計に惨めさを浮き彫りにするだけだ。


(……もう、疲れたな)


 私は机に突っ伏そうとした。

 その時だ。


 ドクンッ。


 心臓が、嫌な音を立てて跳ねた。

 視界がぐにゃりと歪む。

 指先の感覚がなくなり、世界が急速に遠のいていく。


 ガタンッ!


 椅子ごと、床に倒れ込んだ。

 全身の力が抜けていく。

 天井の蛍光灯が、やけに眩しくて、冷たい。


(あ、これ……死ぬのか?)


 過労死。

 ニュースでしか見なかった言葉が、現実味を帯びて押し寄せてくる。

 こんなところで?

 あのクソ課長のために?

 安月給と残業代のために、私の人生を使い潰して終わるのか?


(……馬鹿馬鹿しい)


 ふつふつと、熱いものが込み上げてきた。

 それは恐怖ではない。

 自分の人生を、こんな掃き溜めで終わらせることへの猛烈な怒りだった。


 私は霞む視界の中で、歯を食いしばる。

 誰が死んでやるものか。

 誰がこんなところで、終わってやるものか。


 私は最後の力を振り絞り、震える唇で吐き捨てた。


「……辞めるかぁッ……!」


 その決意と共に、私の意識はプツリと途絶えた。

【おしらせ】

※2/13(金)


新作、投稿しました!


ぜひ応援していただけますとうれしいです!

URLを貼っておきます!

よろしくお願いいたします!


『過労死した元社畜が悪役令嬢に生まれ変わり、辺境のブラックギルドで仕事をしない「お飾りオーナー」として安眠生活を送るつもりが、なぜか部下から「冷徹なカリスマ」と慕われる最強の支配者に』


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