94.エピローグ
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
サラディアスの街からだいぶ離れた、街道沿いの開けた場所。
ここならもう、あの熱狂的な衛兵たちも追いかけてこないだろう。
「ふぃ~。ここまで来れば大丈夫っしょ」
私はキャンピーを停車させ、エンジンを切る。
窓を少し開けると、新鮮な冬の空気が流れ込んできた。
外には満天の星空。
季節が冬だからか、虫の声も少なく、凛とした静寂が夜を包んでいる。
街の喧騒や、「神様」だの「聖女様」だのと崇められるプレッシャーから解放された、最高の安らぎ空間。
「……あれ、やってみっかなぁ~」
そう、こんな静かな夜だからこそ、やれることがあるのだ。
私はゴソゴソと棚を漁り始める。
『寒いですスミコ。窓を閉めてください』
テンコが不平不満を述べてくる。
一方のソーちゃんは、寒さに強いのか、チャイルドシートでグースカ寝ていた。
「ごめんって。すぐ準備するから」
私は窓を閉め、厚手のダウンジャケットを着込んで、外に出る。
吐く息が白い。
キーンと冷えた空気が心地いい。
私はアイテムボックスから、愛用の道具たちを取り出した。
メッシュ素材の軽量焚き火台。
よく乾燥した広葉樹の薪。
そして、着火剤とライター。
手際よく薪を組み、火を点ける。
パチッ、パチパチ……。
小さな炎が、やがて頼もしいオレンジ色の灯りへと育っていく。
『何をしてるのです?』
窓からテンコが不思議そうに見ている。
「キャンプ。やっぱ私は『聖女』より『キャンパー』がお似合いだもんでね」
私はさらに、ローテーブルとキャンプチェアを展開する。
揺らめく炎の前に腰を下ろすと、極上の「自分時間」の完成だ。
『ふむ……温かいですね』
『あったけー』
いつの間にか、神獣たちがキャンピーから降りてきていた。
そしてもう一人。
ポンッ、と軽い音と共に、キャンピーの車体から少女の姿が飛び出し、近づいてくる。
「あら、キャンピー。君もキャンプしたいの?」
「…………」
無言でコクンと頷き、グッと親指を立てるキャンピー。
私は彼女(?)のためにもう一脚、椅子を取り出してやる。
私とキャンピーが座り、テンコとソーちゃんも、焚き火を囲む。
パチパチという薪の爆ぜる音だけが響く。
「ふぅむ……まったりもいいですな」
『いい? ただの野営ではありませんか。これのどこが良いのですか? 中は暖房が効いていて快適なのに』
テンコが首を傾げる。
まあ、異世界出身の彼女には、キャンプ=野営だ。
わざわざ不便なことをする意味が分からないのだろう。
一方で、現代っ子であり都会人である私にとっては、この「あえて外で火を眺める」という非日常感が……実によかった。
「あー……キャンプ、ええわー」
「…………」
横を見ると、キャンピーがモジモジしながら頬を染めていた。
ん?
あ、「キャンプいい」を「キャンピーいい(好き)」と聞き間違えたのか。
まあ、間違ってないけどさ。
可愛い奴め。
私はアイテムボックスから缶のコーラを取り出し、プシュッと開ける。
焚き火の前では、酒よりコーラのが美味い気がする。
グビリ、と飲む。
炭酸の刺激が喉を駆け抜ける。
「あー……」
最高だ。
人に期待され、責任を負わされるのは、もう懲り懲りだ。
私は私のために、気ままに生きたい。
それが、この異世界での私のモットーだ。
『スミコよ、これからどうするのですか?』
炎に照らされたテンコが、私を見て言う。
「とりあえず、戦利品の確認でもしようか」
私は【アイテムボックス】を開き、今回のクエストで得たものをテーブルに並べる。
ゴトッ。ゴトッ。
・【魔蟲女王の魔核】(特大・国宝級)
・【世界樹の雫】(伝説のエリクサー)
・【女魔王蜂の極上ロイヤルゼリー】(究極の食材&美容液)
「……改めて見ると、エグいな」
これ一つで城が建つレベルのお宝ばかりだ。
ラディアスさんからの正式な報酬は受け取り損ねたけど(ほとぼりが冷めたら請求書を送ろう)、これがあれば金銭的な心配は当分いらない。
「一生遊んで暮らせる財産だけど……ま、私にとっては『旅の資金』と『美味しいご飯』だね」
お金は目的じゃない。
この最高に自由な旅を続けるための、燃料だ。
『ふふ、スミコらしいです』
『ごはーん!』
ソーちゃんもキャッキャとはしゃいでいる。
「さて、次の目的地会議を開きます!」
「…………」
キャンピーが、私の前に空中にモニターを投影した。
ナビマップだ。
君、ホント何でもできるねえ……。
この妖精郷エリア(森・山)は十分に満喫した。
虫退治もしたし、甘いスイーツも堪能した。
「甘いものの次は、何が欲しい?」
『しょっぱいものです!』
テンコが即答する。
分かってるねえ。
「だよね。それに、山の次は?」
『……海、ですか?』
「正解!」
私は地図の西側、青く塗られたエリアを指差す。
「海に行こう! 新鮮な魚介! 浜焼き! 海鮮丼! 醤油の焼ける香ばしい匂い!」
『海鮮……!』
テンコの喉がゴクリと鳴る。
狐といえば油揚げ……だけど、お魚も大好物だもんね。
『良いですね海! 新鮮なお魚、食べたいです! 貝も! エビも!』
『えびー! かにもー!』
ソーちゃんも両手を上げて賛成している。
全会一致で可決だ。
「よし、目指すは西の港町! 美味しいシーフードパラダイスだ!」
そうと決まれば善は急げ。
今日はここで仮眠を取って、夜明けと共に出発だ。
◇
チュンチュン。
小鳥のさえずりと共に、朝日が昇る。
新しい朝、新しい道。
私は運転席に座り、キーを回す。
ブルルンッ!
キャンピーの頼もしいエンジン音が響き渡る。
「よし、野郎ども(と美女と幼女)! 準備はいいかー!」
『いつでも行けます!』
『おー!』
私はギアを入れ、アクセルを踏み込む。
朝日へ向かって、キャンピングカーが走り出す。
後ろの街では、ラディアスさんたちが頭を抱えているかもしれない。
鉱山送りのきらりんは、今頃ハンマーを振るっているかもしれない。
でも、知ったこっちゃない。
私の旅は、まだまだ続くんだから!
「いっくよーん!」
追放聖女の気ままな旅は、まだ始まったばかり。
次はどんな美味しいものと、トラブルが待っているのか。
楽しみだね!
【※読者の皆様へ、大切なお知らせ】
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
スミコの物語は、一旦これにて完結。
第2部以降の続きを執筆するかどうかは、
本当にまだ何も決まっていないので、一度キリのいいここで完結設定とさせてください。
(数日後、こちらのページで『続編の有無』をお知らせするので、フォロー登録は外さずにそのままでお願いします!)
作者の今の正直な気持ちを言いますと……どうにかして、この作品で『日間総合1位』を取りたいです。
そしておそらく、第1章を完結した『今日』が、
本作における『最後のチャンス』です。
「第2部が、続きが読みたい!」
「第1部面白かった!」
「続きの執筆もよろしく!」
ほんの少しでもそう思ってくれた方は、
この下にある評価欄を【☆☆☆】→【★★★】にしていただけたら幸いです。
★評価は小説執筆の、
巨大な原動力になりますので、どうか何卒よろしくお願いいたします。
最後になりますが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
願わくば、また第2部で会えることを楽しみにしております!




