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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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83.スーパーキャンピー



 魔核をキャンピーに食べさせ、神樹に向けて再出発した。

 ご機嫌なエンジン音が響く中、私はふと、二つのことに気づいた。


「あれ……反重力モード使ってない……」


 そう、ここまでは反重力を使って、宙に浮いて進んできた。

 そうしないといけない理由があったからだ。


 妖精郷の地面は、長年の瘴気の影響でドロッドロの沼地と化していた。

 とてもではないが、車で走れるような路面状態ではなかったのだ。


 でも……今は反重力を使っていない。タイヤで走っている。

 それなのに、なぜだかやけに揺れが少ない。


 まるで整備されたばかりの国道……いや、サーキットのアスファルトの上を走っているかのように快適だ。

 滑るような走行感。


「……どないなってんねん?」


 私はドラレコの様子を、カーナビ上に映し出す。

 周囲の様子を鳥観した映像を見て……私は……カッ! と目を見開いた。


「どないなっとんねん!?」

「また何かしたのか、召喚者殿……?」


 ラディアスさんが私の異常なリアクションを感じ取って、後部座席から顔を出した。

 あんた、もう私が「何かやらかす女」だと、完全に認識してるね……。


「ちょっと外の様子見てよ」


 私はモニターを指差す。

 そこには、奇跡が広がっていた。


 私たちが通り過ぎた後の道が、一直線に「舗装」されているのだ。

 腐った土も、ドロドロのヘドロも乾燥し、カチカチに踏み固められ、白く輝く綺麗な一本道に変わっている。


「どうなっているのだ!?」

「道路工事のおっちゃん、雇った覚えはないんだけど……」


 その時だった。

 キャンピーのエンジン音が、いつもと違うことに気づく。


 シュオシュオシュオシュオシュオ……!


 なんか、擬音がすごい。

 ブルルン、じゃない。

 シュオシュオ言ってる。

 蒸気機関車と最新のリニアモーターカーを足して二で割ったような、力強くも軽快な音が響いている。


 さらに、サイドミラーを見ると、マフラーからは排気ガスの代わりに、キラキラした光の粒子(聖なる煙)が出ているではないか。


 ……もしかして、これのせい?


「【鑑定】」


 私はハンドルを握りながら、愛車あいぼうの状態をチェックする。


 ~~~~~

 名称:【超野外活動車スーパー・キャンピー(魔核摂取モード)】

 状態:覚醒・超活性化

 特殊効果:【聖なるわだち

 解説:溢れ出る余剰エネルギーが、周囲の瘴気を浄化し、大地を正常な状態(舗装道路)へと書き換える。通った道は聖域となり、低級な魔物は近づくことすらできない。

 ~~~~~


「スーパーキャンピーて!」


 なんじゃそりゃ!

 ネーミングセンスが小学生!

 しかも効果がえげつない!

 ただ走るだけで、土地を浄化してんの!?

 道路工事いらずじゃん!


「……どうした、召喚者殿」

「あ、いや。ラディアスさん、ちょっと後ろ見て」


 ラディアスさんが、ドラレコの映像を見る。

 そして、地獄の沼地に描かれた、一本の聖なる道を目撃した。


「……ほう」


 ラディアスさんの反応は、薄かった。

 以前なら、「ななななんだとー!?」とか「あり得ない! これは神の御業か!?」とか叫んでいただろう。

 しかし彼女は、腕を組み、小さく頷いただけだった。


「通った後が聖域になるとは……。さすがは国宝級の魔核を燃料にしただけはある」

「え、驚かないの?」

「……今更だ。あの狐と竜が乗っているのだ。それに、城一つ分のエネルギーを注ぎ込んだのだから、道路くらい作るだろう」

「……まあ、ありえるか。キャンピーだし」

「……左様。キャンピー殿だしな」


 完全に感覚が麻痺している。

 私たちがやっていることは、国家事業レベルの国土浄化なのだが、「ドライブついで」の感覚になってしまっている。

 慣れって怖い。


 シュオシュオシュオ……!


 超野外活動車スーパー・キャンピーは、ご機嫌な音を立てて進む。

 その神聖なオーラに恐れをなしたのか、魔蟲たちは一匹も寄ってこない。

 まさに大名行列。

 モーゼの十戒もびっくりの道開けっぷりだ。


「着いたよー」


 あっという間に、目的地に到着した。

 目の前には、空を覆い隠すほどの巨木――神樹がそびえ立っていた。


 ただし。

 キャンピーが通った地面はピカピカだが、神樹そのものは……まだ、ドス黒い汚れに覆われていた。


「さて、じゃ、サクッと神樹さんの治療いたしますかね」

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※1/12(月)


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