78.食べ過ぎ注意報
通せんぼしていた吸血樹を、通り抜けることに成功した。
この奥に、直すべき神樹があるんだってさ。
『人の子よ、活躍しましたよ!』
「うん、凄かった。そーちゃんもナイスファイト」
『『いえーい!』』
いえーいって(笑)。
あんた、尊大キャラじゃなかったっけ~?
まあ中身はそーちゃんと同じ、幼い子だもんね。
それが一番いいと思うよ、私はね。
キャンピーの中に帰ってくる、二匹。
そしてテンコは、開口一番こう言った。
『さ、約束通り、高い肉を用意せよ!』
「そんな約束しとりませんやん……」
『ご褒美を用意すると言っていたではありませんか』
「そーだけど、高い肉とは言ってないでしょう? ジャーキーで手を打ちたまえ」
『嫌です! 馳走です、馳走を用意するのです! 脂が乗った、焼くとジュウウウってなるやつです!』
あー、だめだこりゃ、人の話聞いちゃいねー。
ったく……。
その大きな狐耳はお飾りなんですかねー?
まあいいや。
頑張ったことには変わりないし。
「分かりました、高い肉にしましょう」
『『よっしゃー!』』
ってことで、馳走です。
KAmizonを使います。
いやぁ、キャンピングカーってすごいねえ、世界を超えてAmaz●nで買い物できるんだからねー!
「……私の、聞き間違いだろうか……」
ラディアスさんが、引きつった笑みを浮かべている。
「ラディアスさん、聞き間違いって?」
「いや……その……。こんな場所で、まさかとは思うが……食事をする……と言ったのか?」
「うん」
なんでそんな困惑してるのか……。
あ、そうか、こういうことか。
ここは瘴気がさらに濃い上に、魔蟲の巣のど真ん中なのに?
ご飯を食べるのかって?
ふっふっふ、甘ーい。
甘いよー。
角砂糖よりも甘いよー。
「どこだろうと、関係ないから。キャンピーの中だから」
うちのチートキャンピングカーならば、いつでも、どこでも、安心安全にキャンプができるのだ。
寝ることもできるし、ご飯を食べることもできる。
いやぁ、キャンピングカー、めっちゃすごいわー。
魔物がうろつき、命の価値が軽い異世界だからこそ、持って行くべきだよね。
やっぱり便利、ボクのドッキリテクスチャー……もとい、キャンピングカー♡
どーして異世界ネット小説の主人公達って、キャンピングカーを持って行かないんだろうねー、みんな。
「あ、いや……私が言いたいのは、そうではなく……」
「え?」
「さっきも……ご飯、食べ……てなかったか?」
「え? あ、そ、ええ……そうだね」
焼きそば食ったね、そういえば。
つい数十分前に。
「また……ご飯を食べるのか? まだそんなに、時間も経っていないのに?」
「え? え?」
そ、そういえば……そう言われれば!
そうだよ、ついさっき食べたばっかりじゃん!
なんでそんな時間を置かずに、ご飯を食べようとしてるの!?
……今まで、周りが食いしん坊しかいなかった。
だから、「馳走!」と求められるままにご飯を出し……そして私もまた、つられて一緒にご飯を食べてきた。
感覚が麻痺していた……?
「召喚者殿……。ご飯は、そんなに頻繁に食べなくていいのでは? 過剰な栄養摂取になるのでは……その……」
ラディアスさんの視線が、私のお腹に……向く!
……お腹。
私は、テンコやそーちゃんに付き合って、いっぱいご飯を食べてきた。
てゆーことは?
ということは?
……その過剰摂取された栄養は、どこへ行ってる?
……お腹をつまもうとして……やめた。
うん! 見たくない現実は……見ない!(ダイナミック現実逃避)
『人の子よ~。馳走~』
『そーちゃ、おなかがぺこちゃんだよー』
……あかん、あの二匹をほっとくと、馳走の大合唱が始まってしまう。
「すんません、黙らせるんで。ちょっと待っててください」
「は、はあ……大変、なのだな。召喚者殿も……」
「ええ、まあ……」
しっかしそうか、そうだよね、そうじゃん。
そんなに……ご飯食うの、おかしいもんね……。
テンコとそーちゃんしか居なかったから、別に疑問に思わなかったわー……。
もー! ちゃんと指摘してよー! 感想欄で言ってくれないと、分からないでしょ!
最近、ズボンがきつい気がしてたのは、気のせいじゃなかったのか……?
【おしらせ】
※1/9(金)
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