77.これが、神獣のチカラだ!
吸血樹の破壊に、テンコが名乗りを上げた。
まあ頑張れ、テンコ。
ここで頑張らないと、読者からも「このキャラ何もしない、なんのために出したんだろう……」って思われちゃうぞ!
感想欄でも応援もらってるからね!
テンコは相棒でもあり、ちょっと自分の娘感もある。
だから、まあ、応援したくなっちゃうわけだ。
「やれるんか、テンコ」
『当然です』
「でも吸血樹は破壊してもすぐ再生するけど?」
『分かってます。なので、頭を使うのです』
脳裏に、ロケット頭突きをするテンコのイメージがよぎる。
「頭にトゲ刺さるわよ?」
『人の子よ、妾を馬鹿にしているのですか? 実際に頭を使った頭突きなんて披露しませんよ』
違うんだ。
「じゃあどうやって、超再生する樹木を突破するのさ」
『まあ見てなさい。そーちゃん! 出番ですよ』
テンコの頭の上で、丸くなっていた子ドラゴンが、ぴょこっと顔を上げる。
「そーちゃの、出番っ! まかちてまかちてー!」
神獣二匹が何かをするようだ。
キャンピーが扉を開け、二人が外に出る。
「野外活動無しで大丈夫なの?」
『キャンピーに結界の範囲を広げてもらっております』
キャンピングカーを覆うように張ってある結界。
それを少し広げて、キャンピーを中心とした、半球状の結界を張ってるのだそうだ。
うーん、私のキャンピー、マジ器用。
しかし結界範囲を広げたことで、ガソリン代がさらに掛かる。
「なるはやでやっつけちゃってね!」
あんまグダってると、読者も飽きて、別の小説読みに行ってしまいたくなっちゃうかもね。
そんな貴女に、ここで宣伝だ……!
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めちゃくちゃ面白いよ、マジで! 本を普段読まない私でも、めっちゃ面白く読めたから、マジ面白くてマジおすすめ!
……語彙力がテンコとか言わないの、そこ。
『そーちゃんっ、あのでっかい木、凍らせられますね?』
「きゅ! かちこまっ」
凍らせられるか、ではなく、られますよね、か。
そーちゃんの力を、テンコは信頼してるのだろう。
同じく神獣だからかな。
そーちゃんはパタパタ羽ばたいて、宙に浮く。
そして、すーっと大きく息を吸い込んだ。
ぷくーっと頬が膨らむ。
「はっ……くちゅん!」
まるでくしゃみのような、可愛らしいブレスが放たれた。
しかし。
その威力は、可愛さとは正反対の凶悪なものだった。
ヒュオオオオオオオオオオオオオ!
吐き出されたのは、全てを凍てつかせる【絶対零度】の吹雪。
極低温の冷気が、扇状に広がり、赤い吸血樹の壁を飲み込んでいく。
パキパキパキパキッ!
水分を多く含んだ肉厚な茨が、一瞬にして真っ白に凍りついた。
再生しようと蠢いていた触手も、カチコチの氷像となって動きを止める。
「なっ……!」
ラディアスさんが目を見開く。
「す、凄い……! 再生能力が高いなら、細胞活動ごと停止させればいい……なるほど、理に適っている!」
「きゅふふ~。そーちゃんしゅげーでしょ~!」
そーちゃんがドヤ顔でVサイン(爪)をしている。
かわE~。
「だが、あの規模の植物群を一瞬で凍結させるとは……やはりあの幼体、ただ者ではない!」
『感心するのはまだ早いですよ』
テンコがドヤ顔で、一歩前に出る。
『仕上げは妾が。……ふっ!』
テンコが九本の尻尾を、扇のように広げ、軽く一振りした。
ただそれだけの動作。
魔力の予備動作すら感じさせない、自然な仕草。
だが、発生したのは災害級の暴風だった。
ビョォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
目に見えない風の刃――鎌鼬が、幾重にも重なって飛んでいく。
それらは凍りついて脆くなった吸血樹に殺到し、
パリーン! シャララララ……!
美しい音を立てて、粉砕した。
鋼鉄並みの硬度を誇るはずの茨が、まるで繊細なガラス細工のように砕け散り、キラキラと輝くダイヤモンドダストとなって舞い散る。
あとに残ったのは、綺麗に切り開かれた一本道だけ。
「……すっげ」
思わず声が出た。
完璧な連携だ。
氷で動きと強度を奪い、風で粉砕する。
これなら、どんなに再生能力が高くても関係ない。
『どうです、人の子よ!』
テンコがふんぞり返る。
そーちゃんも、テンコの隣で胸を張っている。
「いやー、見直したわ。さすが神獣様」
『ふふん、もっと褒めなさい。そして褒美をよこしなさい』
「はいはい後でね後でね」
一方、ラディアスさんは神獣たちの規格外パワーを目の当たりにして、呆然としていた。
「国家予算級の爆弾より……ペットのくしゃみと尻尾振りの方が強いだと……」
乾いた笑いが漏れている。
そう、二匹は、特殊な力を使っていない。
スキルも、魔法も。
ただ息をしただけ、ただ尻尾を振っただけ。
それであの威力なんだから、やってられねーってなる気持ちは、分かる。
「我々が命がけで開発した兵器とは……帝国の戦力とは……一体……」
ラディアスさんはガックリと項垂れる。
「まー、だめだよ。あの子らと自分とを比べちゃ。腐っても、神獣だから」
普段飯食ってうめーうめーしか言わないけども。
【おしらせ】
※1/9(金)
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