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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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70/94

70.もうついたのぉ!?



 焼きそばを配り終えると、車内はズルズルという豪快な音と、幸せそうなため息で満たされた。


『ふむ……美味……なんとも……美味……ずるる……美味……』


 ほんとに語彙力が貧弱すぎるよなぁ……。

 うちの狐さんはよ。

 一心不乱に麺をすすり、口の周りをソースまみれにして、目は完全に据わっている。

 これぞまさに「無我夢中」ってやつだ。


『そーちゃ、ソース味、ちゅき~♡ まぁま、おいしいの、ありあとー!』

「おー、そーちゃーん。そうかいそうかい、ありがとねー」


 赤ちゃんのほうが礼儀正しいってなんなんでしょうね、って思う私である。

 よしよしよしと、そーちゃんの頭を撫でてあげる。


『うむ、人の子よ』


 テンコが空になった皿を、スッと差し出してくる。


「はいはいおかわりねー」

『ふっ……言わずともわかるとは。やはりスミコは、妾の唯一無二の相棒にふさわしいですね……。妾達は、魂のレベルで心が通じ合っているのです。あのいけ好かないキザ男とスミコの間には、絶対に生まれ得ない絆ですがねっ!』


 何言ってんだか……。

 その対抗意識、なんなのホント。


「あの、出ました」

「お、ラディアスさん」


 バスルームから、ラディアスさんが戻ってきた。

 裸ディアスさんから、ラディアスさん(萌え袖スウェット姿)へと、変貌していた。

 髪はまだ少し湿っていて、頬は上気し、湯上がり美女のオーラがすごい。


「濡れた服は洗濯してるんで、ちょっちその服でいてください。飯作ってあるんで、食べて待っててくださいな」

「れ、礼を言う……」


 ラディアスさんが、部下たちの元へ行き、彼らと一緒にソファに座る。

 そして、渡された焼きそばを一口。


「こ、これは……! なんと美味しいのだ……。甘く、しかしコクのあるソース。それが絡むモチモチの麺……シャキシャキの野菜……。こんな麺類は食べたことがないっ!」


 さすが軍人さん。どこぞの狐さんよりも、食レポの語彙が豊富だった。


「この黒いタレ……ただ塩辛いだけでなく、果実のような酸味と、複雑なスパイスの香りがする。それが豚肉の脂と絡み合い、絶妙なハーモニーを奏でている……! これは……止まらん!」


「お気に召したようでなにより。おかわりまだまだあるけど、いります?」

「「「「いります……!」」」」」


 軍人さんたちが、バッと勢いよく手を挙げる。

 それだけ、この焼きそばが美味しいって思ってくれたようだ。


 やっぱ、地球のご飯は世界一だね! 某這い寄る混沌さんも言っていたし(言ってない、正しくは娯楽)。


 そんな風に、みんなで焼きそばをもぐもぐしていた。

 そして数十分後。

 みんな……幸せそうな顔で、床暖房の上に仰向けに寝転がっている。

 完全なる「食っちゃ寝」スタイルだ。


 ……テンコさんもですか。


『ふぅ……人の子よ。妾は、満足です♡』

『そーちゃも、まんじょく~』


 神獣達も私の焼きそばを、心ゆくまで堪能したようだ。

 テンコはお腹をポンポンと叩き、そーちゃんはその上で丸くなっている。


 ぷっぷ~♪


「ん……? キャンピー?」


 どったんだろうか。

 軽快なクラクションが鳴った。


 あ、そっか。洗濯が終わった合図か。

 私は立ち上がって、ランドリースペースへと移動する。

 おお、ラディアスさんの軍服の洗濯&乾燥、終わってるじゃあないの。


「お待たせしましたー。服、乾きましたよ」

「なん……だとぉおおおおおおおおおおおおおお!?」


 リビングに戻ると、ラディアスさんが素っ頓狂な声を上げた。

 いやいや、ラディアスさん、ちょいと驚きすぎやしないか?


「たかがズボンが乾いただけで……ほら、うちドラム乾燥式の洗濯機なんで……」

「驚いているのは、ズボンのことじゃあない!」


 見れば、ラディアスさんは窓ガラスにへばりつくようにして、外を見ていた。

 その背中は強張り、スウェット越しでも分かるほどに戦慄している。


「外に何が……ああ? なんだあれ」


 私も窓の外を見る。

 そこには、異様な光景が広がっていた。


 巨大な木々が、空を覆い尽くすように林立している。

 一本一本が、高層ビル並みの太さと高さを持つ、超・巨大樹の森だ。

 まるで、巨人の国に迷い込んだかのよう。

 木々の枝葉は天蓋のように空を隠し、昼間だというのに薄暗い。


「でっけー木だねえ……それで驚いたの?」

「そうじゃあない!」


 そうでもないのかぁい。


「じゃあ何に驚いてるんすか?」

「ここが……妖精郷アルフヘイムだっ」

「え……? キャンピー、目的地についたの?」


【(^_^)b】


 着いたみたい。

 いやぁ、いつも思うけど、移動が楽で仕方ないわー。


「ありえない……! まだ出発して、さほど時間が経過してないのにっ。現地に到着するだなんて!」


 ラディアスさんが愕然として振り返る。


「本来なら、魔物との戦闘を繰り返し、野営を行い、泥にまみれて数日かけて辿り着く場所だぞ!? それが……」

「良かったじゃあないですか」

「そうだが……しかし、我らはただ、風呂に入り、焼きそばを食って寝ていただけだぞ!? それで、最難関の秘境に到着するだなんて……」


 ラディアスさんは、自らの手(まだスウェットの萌え袖)を見つめ、震えている。

 苦労せずに偉業を成し遂げてしまったことへの、謎の罪悪感と感動がない交ぜになっているようだ。


「まあ、楽できて良かったじゃん」

「……なんてことだ。とんでもないカーだな、これは」

「まぁね」


【(^_^)v】


 カーナビにピースサインが表示される。

 褒められて喜んでいるキャンピー。


「野営もせず、戦闘もせず……ここまで快適に来れるだなんて……」


 ラディアスさんがしきりに、キャンピーを褒める。

 キャンピーはめちゃほめられて、めちゃくちゃ嬉しそうだった。


 コロコロと、カーナビ上の表情が笑顔や照れ顔に変わっていて、かわよでしたね。


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