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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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57.澄子、解放! 街へ



 サラディアスの街へやってきた、私。

 魔力めっちゃ持っていたせいで、不審者の疑いをかけられた。


 軍人のラディアス大佐から、取り調べを受ける羽目となる私。

 私の正体や、連れてるお友達たちの正体を聞かれる。


 嘘を見抜く魔道具があると、テンコのおかげで見抜いた私は、正直に正体を明かすことにした。


 私→召喚者

 テンコ→天狐

 そーちゃん→蒼銀竜ブリザード・ドラゴン

 キャンピー→キャンピングカー(※乗り物)


 ラディアス大佐は、最後の部分に、大いに引っかかったらしい。


 そりゃね。そーですよね。

 私だって可愛くて、可憐な美少女が、実は乗り物(※キャンピングカー)ですよって言われて、信じられる自信がないよ。


 本当かどうかを証明するため、私たちはサラディアスの街の外へ移動した。

 そして、変形トランスフォームをお披露目する。


「う、うわあああああああああああああああああああああああ!」


 ガクガクガクッ!

 ラディアスさんは、その場で腰を抜かして絶叫した。

 可憐な美少女キャンピーが、ガシャンガシャンと音を立てて野外活動車キャンピングカーに巨大化したのだ。心臓が止まってもおかしくない。


「ば、バケモノぉおおおおおおおおおお!」


 ぷ~……


 キャンピーが、悲しそうにクラクションを鳴らす。

 すまん、キャンピー。そらそーなってしまうよ。人が乗り物(※しかも見たことない鉄の塊)になっちゃね。


「き、き、貴様っ。こ、ここ、これはなんだ!?」


 大佐が震える指を突き出しながら尋ねる。


「キャンピングカーです」


「それはなんだ!?」


「キャンプのための、カーです」


「訳がわからないぞ!?」


 でしょうねぇ。

 まあ、召喚者ってことはバレてるので、私は正直に、キャンピングカーのことを話した。


「な、るほど……要するに、異世界の車なんだな」


「そーっす」


「にわかには信じられんが……」


 でも嘘を見破る魔道具のおかげで、私が嘘つきじゃあないことは証明されてる。


 てゆーか、今思ったんだけど、ラディアスさんって異世界人だよね。

 なんで召喚者って言って、直ぐ信じられたんだろう。いや、まあ、召喚者って概念はこの世界には広く一般的に知られてはいるみたいだけど。


 それでもすぐ「はいそうですか」って受け入られるかって話。

 人に化けた宇宙人(疑惑)が、急に『ワレワレハウチュウジンダ』って言うようなもんじゃあない?


 違う? 違うか。そう(諦念)。


「事情は理解した。召喚者よ」


 理解したんだ。


「それで、どうして我が帝国に? 召喚の議はゲータ・ニィガ王国の秘術では?」


 あ、召喚者って、ゲータ・ニィガに呼び出されるシステムになってるんだ。


「実は追放されちゃいまして」


「一見するとハズレスキル、しかし実はとてつもない凄いスキルでも持っていたのか?」


「なんでそこまでわかるのよ!?」


「ゲータ・ニィガのお家芸だからな」


「お家芸なんだ……追放……」


「ああ。あそこは代々王族が馬鹿で、召喚者を呼び出しては追放し、滅びるということを何度も繰り返す、頭の悪い王国なんだ」


 滅びる!?


「滅びてるんすか……?」


「ああ。しかしその都度、ゴキブリ並の生命力を発揮して、再興されるのだ」


 へえ。こわ。もしかして私が居なくなったことで、滅びるとか?

 なーんてね。煌海きらりんがいるから、大丈夫っしょぉ。


「ゲータ・ニィガの召喚者であることは、把握した。投獄はされないだろう」


「あ、そうなんだ。助かるけど……なんで?」


「マデューカス帝国の皇帝が、お決めになられたのだ。『でゅふ……ケースケ殿と同じ、ゲータ・ニィガの召喚者は、無条件で保護するように……でゅふふ』と」


 助かったけどキモいな、皇帝。デュフって。

 あとケースケって誰だよ。知らん。多分、先輩召喚者なんだろうけど。


「あ、じゃあ疑いは晴れたってことっすね」


「ああ。失礼した、召喚者殿。ようこそ、我がマデューカス帝国へ」


 ラディアスさんが私に頭を下げる。

 ふぃ~。良かったぁ、もめ事に巻き込まれなくて~。

 

「…………」はらはら。


「大丈夫だよキャンピー。疑いは晴れた」


「…………」ほっ……。


 キャンピーってば、心配してくれてたみたいだ。もー、かわいいんだからあ~。


【人の子よ。妾は腹が減りましたよ?】


「…………」


 ほんっまこいつ。はぁ。

 ま、私もお腹空いたしね。


 どこかでお昼でも……あ。


「すみません、ラディアスさん。こいつ……外を出歩いてても大丈夫っすかね」


 私はテンコを指さす。

 カノジョは天狐だ。出歩けば目立ってしまうだろう。

 最悪通報されちゃうかも。ひぇ。


「これをそこの天狐にぶら下げてやるがいい」


 渡されたのは、首から提げる許可証だ。

 透明な水晶板が嵌め込まれた、革製のネックストラップ。

 見た目は完全に、現代日本のオフィスで見かける『社員証ホルダー』そのものだった。


「これは?」


「入国許可証です。これをぶら下げていれば、軍人に捕まることも、人から通報されることもなくなります」


 おお! やったー! これがあれば豚箱行きを回避できる!

 まあ、目立つのは、どうしようもできないんだけども。


『まぁま、そーちゃ、はらが……へった……てん……てん……てん……ごはんたべたい』


 ポン、ポン、ポン。

 どこからともなく、和太鼓のような空腹の音が聞こえた気がした。


「そーちゃん……テレビ見すぎですよ……」


 私は全員分の入国許可証をもらい、首からぶら下げる。


「どこかおすすめのご飯屋さんとかってあったりしますか?」


「…………」


「ラディアスさん?」


 彼女、なんか目を丸くしていた。

 そんなに驚くようなことしたっけ?


「ああ、すまん。そうだな。中央広場に美味い飯を出すカフェがある。『白猫と黒犬』というカフェだ」


「あざっす。じゃ!」


 私は手を振りながら、退出する。


「……私を怖がらずに普通に話しかけるとは。たいした女だ……」


【お知らせ】

※12/27(土)


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大魔道士に出てきた国王は、まともだったが。
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