53.ネットバンキング、開通
神獣2匹にお昼ご飯を食べさせた後。
私はキャンピングカーを、近くの森のところで、停めた。
テンコ達のご飯は終えた。次はキャンピーのご飯の番である。
「…………」
ぷぷ~……?
キャンピーがクラクションを鳴らす。おそらくは、どうしたのって言いたいのだろう。
「キャンピー……悲しいお知らせです。……お金がね、ほぼ尽きかけました……」
ぷー!?
はい、お金がですね、無いの。
ほぼ。所持金が。
「つーことで、キャンピー! ニンゲンモード!」
カッ……!
野外活動車が光り出す。
みるみるうちに、ちっこい、それでいてかわいらしいメイドさんが出現した。
この子はキャンピー。
キャンピングカーだ。
何を言ってるかさっぱりだろうが、マジでそうとしか言いようがないのだ。
野外活動車の人化スキルによって、人になれるのである。
『わ! なんですかっ? 急に!』
『しゃむぅ~い』
キャンピーがニンゲンになったことで、中にいた神獣達も、外に放り出される。
『人の子よ、何をするのですっ。せっかく昼寝をしていたところなのに!』
ほーんとこの子、食っちゃ寝食っちゃ寝してるな。
太るよ?
今もう結構もふもふしてるけど(太ってるかどうかは判然としない)。
『まぁま、どちたの?』
そーちゃんが飛んできて、私の頭の上に乗っかる。
この子は人(や神獣の頭)の上に乗っかるのが好きなんだって。王者だからだって。どういうことかな? わかんない!
「キャンピーのガソリンが、買えません」
『何を意地悪してるのですか、妾たちだけお腹を満たすだなんて』
『なかまはずれ、いくないよー!』
いくない、じゃあなくて、良くないよ、だよそーちゃん。
そーしたいのはマウンテンマウンテン(※山々)なのだが。
「お金がね、無いの」
『ふぅ……』
テンコの奴が、あきれたようにため息をつく。
『金が無い? まったくスミコは。無計画に買い物をするからです。全くもうスミコはもう』
「だぁあああああああああああれのせいで! 金が掛かってるっておもってんだごらぁ……! ああぁ!?」
このクソ掃除機(※大食い神獣)、とんでもない量のご飯を、毎回食べるのだ。
しかも、しかもですよ奥さん(誰?)!
一日三食どころじゃあないんですよ!?
こやつ、一日三食は当たり前、そこにおやつだの、間食が欲しいだのと、食べて食べて食べまくっているのだっ!
しかもですよ、一匹ならまだしも、うちには食いしん坊がもう一匹いるのだ。
そう、食べ盛りの君たちへ、イケメンパラダイス(?)! なそーちゃんがいるのだ!
「君たちねぇ~、反省してください!」
『妾は悪くないです』
『そーちゃはわるいです! ごめーなちゃい』
えらいねえ、そーちゃん。ちゃんと謝れてねえ、偉いねえ。
『本当に金はゼロなのですか?』
「いや、完全にはゼロじゃあないよ。ちゃんと最低限のお金はよけてある」
『ならばその金を使えば良いだけではありませんか。大げさに騒ぐんじゃありませんよ』
「これが無くなればマジの無一文になっちゃうのよ……!」
本当の本当の、最低限の金しか、ないのだ……!
これが無くなったらマジでおしまいなのっ!
「…………」しゅん。
『【ごめんねおねえちゃん……】だそうですよ。まったく、スミコ。キャンピーを悲しませるんじゃあありません』
なんだとぉおおおおおおおお!
「ごめんよキャンピー。君には怒ってないからさぁ~」
私はキャンピーを抱きしめて、おーよしよしよしと頭をなでる。
「本当に良い子だよぉ。どっかの大食い問題児とは大違いだよぉ~」
『ふむ、そんな者がいるのですか?』
「おまえじゃおまえー!」
『妾は大食いでも問題児でもありませんが?』
この子鏡見たことないのかな。
「とにかく、お金がなくなったので、徒歩で、街へ向かいますよ」
『なんと……そんな……』
『そーちゃはとべるよ~』
「…………」しゅんっ。
まだキャンピーしゅんとしてる。
「大丈夫、きみだけのせいじゃあないから」
「…………」がーんっ。
まあ、ぶっちゃけると、キャンピーもまた大食いなのだ。
普通に運転するだけでも、ガソリンがかかる。
またスキル……結界や緊急脱出、魔物ぶっ殺し光線など、そういうスキルを使ってもガソリンが減る。
水道やらガスやらは、大気中の魔素って奴を吸って、コストゼロで作れるんだけども。
便利スキルは使うとガソリンを持ってかれるのだ。
ということで、こないだ貰った3000万円も、あっという間になくなっちまったってぇわけよ。
貯蓄はあるけどさ。アイテムボックスに入ってるけどさ。
「はーあ、現実で使わずにとっといたお金……もってこれればなぁ~……」
『もってこればよいではないですか』
「はぁ? 何言ってんのよ。現実にあずけてるお金を、いったいどうやってもってくるのよ?」
『インターネットバンキングを使えばよいではないですか』
……。
…………。
………………はい?
「い、今なんて……?」
『インターネットバンキングシステムを使って、金を引き出すことはできないのですか? といったのです』
い、い、インターネットバンキング!
そ、それだぁ……!
「それだよ、それっ! ネットバンキングが使えれば、スマホで金を……って、待って。ちょっと待て」
『なんですか?』
「なんであんたが、ネットバンキングなんて知ってるのよ?」
『山の神から教えて貰いました』
山の神は現代の知識も持ってるって、ふぶきから聞いた。なるほど。
「そうね、ネット銀行のお金を、KAmizonのページと紐付ければっ。現実で稼いでいたお金が、使えるじゃあないっ!」
『まぁま、じゅもん?』
何を言ってるのか、そーちゃんには理解できないんだろう。
「お金……へそくりがまだあったって意味よ!」
『やったー!』
「っしゃあ! さぁ、ネット使って……」
ネット。
あ……。
「…………?」
圏外、だって。そうだ。ネットは、キャンピングカーについてる、Wi-Fiを使わないと……使えない。
そして、Wi-Fiは、野外活動車のスキル。つまり……。
「いずれにせよ……ガソリンがないと……いや待て! まだだぁ……! こういうときにこそ、へそくりだぁ……!」
こういうピンチのときに使ってこそでしょうっ。
私はへそくりでガソリンを購入。
にゅっ、とガソリン給油ノズルが、虚空より現れる。
「ちぇーんじ、スーパーモード!」
カッ!
キャンピングカーがすーぱーちぇーんじ! する。何歳だよこのネタわかるの。
野外活動車となったキャンピーに給油。しながら、Wi-Fi接続!
からの、ネットバンキングのページを開く。
開けた!
よし!
金をKAmizonにチャージ! よし!
「ガソリン……ゲッツ!」
『何を言ってるのかわかりませんが……とりあえずトラブルは解決したのですね』
「ええ、ギリギリね」
まじあぶなかったわー。
いやぁ、ネットバンキング使えてまじよかったわー。
ふぅ~。
『ところでスミコよ……』
「あーあー! きこえなーい!」
『スミコよ、腹が……』
「さぁ、乗って二人とも! 冒険の旅に出発よぉお!」
ネットバンキングを使って、貯めていた現実の金を引き出せるようになった。
少しお金に余裕はでた……けど。
これも使ったらガチのノーマニーになってしまう。
早く……街へ行って、金を稼がないと……!
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