49.魔物、やっつけてたみたいですねえ!
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
で、鉄馬車ことキャンピーさんは、一体何を押しつぶしちゃったのかというと……?
「これは……なに? 木……?」
キャンピーのそばに、バラバラになった木片が散らばっている。
何か踏んづけた、というより、ミキサーにかけたみたいになってるんですが。
「人面樹じゃな」
とふぶき。
「しかも、人面樹たちの王、樹木王を倒したのです」
「はーえ……まじか……」
その成れの果てがこれってことね。
「騎士団が壊滅寸前になるほどの、強敵。それを一撃で倒してしまわれるなんて……! すごいです!」
「ど、どーもー……あははは」
すんません、撃破じゃあなくて、交通事故なんです……すみません……。
私は引きつった笑みを浮かべ、冷や汗を拭った。
『む? どうしたキャンピーよ』
テンコがぴくりと狐耳を動かし、キャンピーの言葉をキャッチする。
心を読める力を応用して、キャンピーの声を聞いてるのだ。
『新しいスキルを覚えたそうだぞ』
「ほぅ、新しいスキル」
今も既に便利なのに、さらに便利機能が追加されたの?
てゆーか。
「CP使ってないのに、スキルって覚えるもんなの?」
とふぶきに聞いてみる。
「うむ。スキルは使っていると、新しいスキルを覚えることがあるのじゃ。野外活動車はおぬしのスキルでもあるじゃろ?」
あ、なるほど。熟練度ボーナス的な。
『【緊急脱出】だそうです』
「緊急脱出……? ほーん……どういうスキル?」
『泥はまりや崖下への転落など、車両がスタックした際、風魔法を使って車体を上空へはねあげ、緊急脱出するスキルだそうです』
なーるほど。沼とかにはまっちゃった時に、びょんとジャンプして、そこから脱出する機能ってわけね。
……うん。
普通のキャンピングカーかね、ジャンプとか……しないんすよ……?
なんだよ、キャンピングカーがジャンプって。
もうそれキャンピングカー関係ないじゃん! ジャンプしてなに、敵を押しつぶすわけ?
『ロードローラーだーーーーーーーーーーーーーーーーー!』ってか?
それとも、『タンクローリーだーーーーーーーーーーーーーー!』って!?
……まあ冗談として。
使う機会はあんまない……といいな。うん。
で、だ。
人面樹の攻撃を受けた、獣人騎士たちの、様子をあらためてみる。
結構な人達が怪我していた。鎧がひしゃげてたり、腕が……ひぃ、変な方を向いていたりしてる。痛そう。
「と、とりあえず……ボッタクルゾイさん。皆さんをキャンピー……鉄馬車の中に運んでください」
ボッタクルゾイさんは、首をかしげる。そらそうだ、いきなりこの訳わからない馬車に乗れって言うんだから。
「鉄馬車の聖女様の、言うとおりにしてくださいまし」
「わ、わかりました……」
まだちょっと、なんでって思ってるんだろう。彼は、終始首をひねりながら、みんなの元へ向かう。
「その間に準備しないとね」
『馳走ですね』『ふが……しゅぴ~……』
「ちゃうわい」
あんた、さっきまで寝てたくせに、食い物の話になった瞬間起きるのやめてくれない?
どんだけ腹減ってるのよ。腹の中、ブラックホールにでもなってるんじゃあないの?
ペンタゴン(そーちゃん)と組んで、(胃袋)四次元殺法コンビでも結成してるの?
やめてよね。年齢がバレるでしょ!? 私の!?(完全に八つ当たり)
「キャンピー空気清浄、オンで」
ぷっぷ~♪
続々と、騎士達がキャンピーの中に入っていく。
中には、動けない人もいたので、担架で運ばれていった。
後ろの方に居た人達は、みんな目を丸くして驚愕していた。なぜなら、たくさんいた騎士たち全員が、こんな小さくて可愛いキャンピーの中に、吸い込まれるように入っていくんだからね。
ふふ、うちのキャンピーはどう、すごいでしょう?
私たちはキャンピーの中に入る。
彼女は気を利かせて、村人治療の時にそうしたように、部屋を大きく拡張していた。
「女王陛下っ! ど、どうなってるんですかこれはっ!?」
ボッタクルゾイがこっちにやってきて尋ねる。
……毎回思うんだけど、ほんとひどい名前ね。こんな名前を付けたのは一体だれよ。
「この鉄馬車は魔道具で、空間を自在に変えることができるんですの」
とシュナウザー女王が、ボッタクルゾイに説明している。
手間が省けた。
それに、キャンピーが空気清浄を発動させていたおかげで、けが人達はみるみる治っていった。
「うおぉお!」「すげええ!」「怪我が治ってる!」
騎士達の歓声が上がる。どよめきがさざ波のように広がる。
ふぶきは「ふぅ……」とため息をついていた。
「あ、空気清浄で、なんで治癒されるかっていうとね」
ふぶきはこの現場見てないからね。驚くものだと思っていた……のだけど。
「ああ、説明せんでよい。そういうもんじゃと受け入れるのじゃ」
「そ、そう……」
ちょいとこの人、全てをありのまま、受け入れすぎじゃあない?
もうちょっと突っ込んでくれてもええんやで?
私だって未だに、なんで空気清浄で、けが人が治るのかわっかんねんだからさ。
酸素濃度を上げて、酸素カプセル的にうんぬんかんぬんって、意味わからなすぎるって。
「ありがとうございます、鉄馬車の聖女様」
ボッタクルゾイが感極まった顔で近付いてきて言う。
「人面樹による攻撃による怪我だけでなく、受けた呪いすら解呪してくださって」
「リピート!」
「え?」
「今なんとって聞いたのっ?」
なんか聞き捨てならない単語を拾ったんですけど!?
私はボッタクルゾイの肩をガシッと掴んだ。
「怪我だけでなく受けた呪いすら解呪してくださって……って、どうしたんですか?」
え?
ええっ?
呪いを……解呪ぅ?
「知らない、それはさすがに知らないよっ! 空気清浄って、細胞を活性化させることで、空間内のけが人を治すスキルなんだけどっ」
~~~~~~
空気清浄:イオン発生モード
→イオンを発生させ、消臭、除菌を行う。ついでに呪いも取り除く
~~~~~~
「ついでってなんだよ、ついでってええええええええ!」
私は頭を抱えて絶叫した。
たしかにさ、あるよ? 空気清浄機に、イオン発生がついてるやつ?
消臭除菌、あるよ? できるよ? でもそれで呪いを取り除くってのは無しでしょ!?
プラズマクラスター的なサムシングですべて解決する気!?
「どーゆー理屈なのよおおおおおお! キャンピーぃいいいいいいいいいい!」
【((((;゜Д゜)))))))】
キャンピーがぷるぷると震えている。本人もわかってないしー! もー!
「じょ、女王陛下……。どうして、鉄馬車の聖女さまは、自らが呪いを解いたのに、理屈を理解なされてないのでしょう?」
「さ、さぁ……」
するとふぶきが、まるで全てを悟った、目覚めし人のような穏やかなスマイルを浮かべる。
「聖女はの、やることなすこと、すべてめちゃくちゃでなくちゃならないんじゃ」
「「そ、そうなんですか……」」
「うむ……。なので、理屈とか考えるだけ無駄じゃ。疲れるだけじゃ」
ふぶきさんちょっとそれは、いいんすか? これ、放置でいいんですか!? ねえ! 私もう訳わからないよっ!
私はガックリと膝から崩れ落ちた。
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※12/27(土)
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