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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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47.崖からダイブ!キャンピングカー!


 ふぶきとシュナウザー女王をつれて、下山することになった。


 なんかここにながーいこと居たような気分。でも一泊二日しかしてないのよねえ。


「って、ふぶき。他の神獣の子らってどうするのよ。たしか、面倒見てるんでしょ?」


「問題ないのじゃ」


 そういって、ふぶきは自分の尻尾を、ブチィッ! と引きちぎる。

 生々しい千切れ音が響いた。


 ひぃい!


「スプラッタNG!」


 なろうからBANされたらどーするってんだいったくよー! 

 そういうやべーことするなら事前に一言プリーズ!

 私は顔を覆って指の隙間から恐る恐る見た。


 ふぶきはあまり気にした様子もなく、引きちぎった尻尾をぽいっと放り投げる。

 すると、ボロンッ! と煙が上がり、みるみるうちに尻尾が変形トランス・フォーム


 あっという間に。


「って、ふぶきがもう一人ぃ!?」


 これあれじゃん、西遊記に出てくる孫悟空がやるやつじゃん。毛を抜いてふーってやるやつ!

 ミニふぶきが、ちょこんとそこに立っていた。


「我の分体を残しておくのじゃ」


「これできるなら、山の管理もできるんじゃ……」


「分体は力が弱いのじゃ」


「あ、なるほど……」


 子どもの面倒をみることくらいはできるけど、魔物同士のどつき合いには対処できないってことか。


「旦那よ。しばしここを留守にする。後は任せるぞ?」


 ふぶきがパパドラゴンに言う。

 で、肝心の夫はというと。


『おろろろおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!』


 仰向けに寝て、滝のような涙を流していた。

 巨大な竜が、涙を流し、ジタバタと手足を動かしてる。

 ズズズ、と地面が揺れ、涙で水たまりができ始めていた。


『さみしいよぉおお! 嫁も娘もいなくなってぇえええええええええ! おれひとりだけなんてぇえええええええ! 寂しい寂しいパパも着いてく着いてくぅううううううううううううううう!』


 まー、たしかにそうか。娘が生まれた途端、愛する女二人がそばにいなくなるのだ。

 さみしがる気持ちはわかる。


「分体を残しておくじゃあないか」


『本物のおまえじゃあないじゃあないかっ! わー! かなしいよぅ!』


 いい年した大人のはずなのに。


「まーあれだ」


 このままだといつまで経っても出発できないと思ったので、口を出すことにする。


「寂しくなったら、下山すりゃいいじゃあないですか。あんたにゃ、立派な足(翼)がついてるんだから」


 どこぞーの鋼エルリックみたいなことを言ってしまった。


『む、そうか。会いに行けばよいのか! 妻と娘に!』


 パパドラゴンがピタリと泣き止み、カッと目を見開いた。


「うんうん……うん? むす……め……?」


 娘とはそーちゃんのことだ。

 つまり。


「え!? い、行くのってふぶきのところだけですよね……?」


『これは異な事を言う。嫁と娘、二人がいないことにさみしがっているのだ。娘のところにも行くに決まっておろうがっ!』


 そ、それってうちらの行く先にも、この変なドラゴンが着いてくるってこと?


 やだよ、『冒険に着いてこないでお父さん!』だよ! マンガUP! で連載して、漫画は7巻、ラノベは2巻発売するみたいなもんじゃあないかっ。


 何を言ってるって? 宣伝だよっ!(読者に向けての)


『スミコ。よいではないですか。一人二人旅のツレが増えたところで』


 そらあんたはなーんもしないですもんねぇ!

 ツレが一人増えると大変なんだよぉこっちはよぉ!


「食いしん坊たちの面倒を見る人の気持ちになって欲しいな……」


わらわのことですか?』


「き・み・じゃ・な・い! 君じゃあない!」


 あんたも食べる側の存在じゃあないかっ。

 なんなの!? 自覚ないの? 君。

 私はこめかみを指で押さえた。


「スミコよ。早う出発しようぞ。ぼけに対して無限に突っ込んでいたら、いつまでも話が進まんぞ」


「そ、そうっすね……はぁ……」


 私はキャンピーに乗り込む。


『どれ、おれも麓まで見送っていこう』


 パパドラゴンがバサァッと翼を広げて言う。送ってかなくていいんだけどもなぁ。


「んじゃ、キャンピー。出発! 目指すはエヴァシマ!」


 ぷっぷ~♪

 キャンピーが軽快なクラクションを鳴らし、自動運転を開始。


 ぶろろろお……。

 エンジン音が心地よく響く。


「おお、凄いのぅ。カーナビがついておるのか。しかも……自動運転とな?」


 ふぶきがダッシュボードを興味深そうにペタペタと触っている。


「うん。目的地を設定すれば、キャンピーが自動で運転してくれるのよ」


「ほー……すごいのう、キャンピーは」


【(*゜▽゜*)】


 カーナビ上に、顔文字が出現する。


「なんじゃこれは?」


「キャンピーの感情表現」


「なるほどの」


 なるほどのって。


「なんか、ふぶきさん受け入れるの早くないっすか? カーナビとか、見たことないんじゃあない?」


「実物は見たことないが、まあ、話は聞いておったからな」


 召喚者の知り合いがいるんだっけか。


「それに、おかしな連中ともたくさん付き合ってきたからの」


「な、なるほど……」


 だからそんなに動じないのね。

 

「それにしても……すごいのぅ。キャンピーの中は。まるで家の中にいるかのようじゃ」


 あ、今更だけど、キャンピーの荷台は、元のサイズにもどしておいた(村人救出の後)。


 リビングスペースには。


『わー! わー! ゆかあったかいよぉ~!』


 そーちゃんが、手足をぺたーんと伸ばし、お餅のように平べったくなって床暖房を堪能してる。


『フッ……そーちゃんよ、これは床暖房というのです』


『ゆかたん?』


『床暖房です。温かい床です』


『しゅげー!』


『ふふ……そうでしょう?』


 テンコがなぜか自分の手柄のように尻尾をゆらゆら揺らし、ドヤ顔をしている。

 みんなほわんとした表情で、とろけるように床暖房を堪能している。

 まあ、外は寒いからね。


「す、スミコよ……? この先、崖があるんじゃが……キャンピーはまっすぐ向かってないか? 大丈夫か?」


 ふぶきが額に冷や汗をかきながら、尋ねてきた。狐耳がぴんと立ち、小刻みに震えている。

 たしかにカーナビ上は崖になってるというのに、キャンピーはスピードを落とさない。


「大丈夫だよ、ふぶき。このキャンピーには、壁面走行スキルがあるから」


「へきめんそうこう……。なるほど、崖をくだることができるスキルじゃな?」


「そゆこと。だからスピードを落とさないのよ。ね、キャンピー」


【b^ー°)】


 そして。

 キャンピーは、崖からダイブした。


「「………………は?」」


 私、ふぶきも、思わずそんな間の抜けたセリフを吐いてしまう。


 キャンピーってば、崖からもの凄い勢いで、飛び出したのだ!

 ジェットコースターの頂点から落ちる、あの一瞬の浮遊感。


 カッ飛べ! まぐなーむ(※キャンピー)! 状態である。

 トルネード回転はしてないけども! じゃあないっ!


「おいいいいいいいいいいいいい! スミコぉおおおおおおおおおお! 壁面走行はどうなってるんじゃあああああああああああああああ!」


「おいいいいいいいいいいいい! キャンピー! どうなってるのよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 私とふぶきだけが、目玉を飛び出させ、顎が外れるほどの大口を開けて絶叫。

 キャンピーがもの凄い速さで落下していく!


 この中は異空間になってるため、浮遊感を覚えることはない。

 が!


 フロントガラス越しに見える景色は、やばい。

 落下していく! どんどんと地上が近くなっていく!


 ジェットコースターに乗ってるはずなのに、まったく速度も、抵抗も、浮遊感も感じないの不思議ぃ!

 脳がバグる!


 でもみるみるうちに地面が近付いていく恐怖!

 

「「ひぎゃぁああああああああああああああああああああ!」」


 地面がもう目前だ!

 ぶつかるぅううううううううううううううううううううううう!


 どごぉおん……!

 凄まじい衝撃音が響き渡る。


「…………死んだわ」


「…………生きてるの」


 ふしぎと、生きてる。まじで不思議。どーなってるの? 世界発見なの?

 てれってれって~~~~~~~~ん(ぼっしゅうとの音)


 いや、生きてる。

 体中をぺたぺたと触るが、どこも痛くない。

 なんで?


「そ、そうか……結界スキルがあるんだったね……キャンピー」


「なるほど……結界で、車体をガードできるのじゃな。だから……落下しても無事と」


 考えてみれば、キャンピーの結界は魔物の攻撃を受けてもびくともしない。

 崖から落ちたくらいで、車体が大破することはない。


 そんな強力な結界を持ってるんだから、壁面を滑り落ちていくより、崖からダイブしたほうが早く、そして安全に、山を下りれる、か。


「あの……さぁ……あのさぁ……キャンピー!」


【(。・ω・。)?】


 キャンピーのワイパーが、小首を傾げるようにキュッと動いた。

 ああもう、可愛い顔して、可愛い顔をしてるからさぁ……!

 怒るに怒れないじゃあないのよっ。

 私はガックリと項垂れた。


『何をさっきからわーきゃーと、五月蠅いですよ?』


『まぁま? どーしたの? からおけー?』


 こ、このマイペースあにもーどもがぁよぉ。

 テンコは大あくびをし、そーちゃんは無邪気に寝返りを打っている。


 はぁああああああ……。

 私の魂が口から抜け出ていくようだ。


「スミコ……どんまいじゃ」


「うう……ふぶき~……。ついてきてぇ~」


 やっぱ一人くらい、シッターつけたほうがいいって。

 私に、このわんぱくチャイルド×3の面倒は、一人じゃあ無理よぉ~。


「すまんが、我はコノ国から出れないのでな」


「そんなぁ~……」



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