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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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45.ワイバーン、殲滅(スローライフ作品にあるまじき表現)



 私、乗鞍のりくら 澄子すみこは、レベル15000でした。


 テンコが、たしかレベル9万とかだったことを考える。

 なるほど。


 テンコの強さの六分の一かぁ~。

 わっはっは~。

 とはならん!


「なんか……めっちゃレベルたかくね私!?」


 だって翼竜ワイバーンさんはレベル300よ、300。

 つまり私=翼竜ワイバーン50匹に相当するってことよ!?


 前は所持金3万の女だった私。

 今は50翼竜の女になっていた件!


 なんだ50翼竜の女って!

 わけがわかんないよ!(孵卵器)


『な、なんだ……なんなのだあの女! 翼竜の攻撃を受けてもびくともしてないぞ!』


 翼竜王が顎が外れんばかりに大口を開けて驚愕している。

 聞かれても私にもわからん。


 が、チャンスだ。


 私はKAmizonで、ガソリンを購入。

 キャンピーにエネルギーをチャージしておく。魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)で蹴散らすためにね!



「ああ……始まったのじゃ……また……」


 ふぶきが深く項垂れ、こめかみを指で押さえている。だからまたってなに?

 何が始まったの?


 まあそんなのどうでもいい。


「ふぶき、あんたは旦那とキャンピーの中へ」


「う、うむ……わかった……そこが一番安全じゃな」


 ほんとはログハウスの中が一番だろうけど。

 最も近いのは、キャンピーだしね。

 ふぶきは旦那のしっぽを持って、ずるずると引きずりながら移動する。


「わかっておるな!?」


「大丈夫。無茶はしない」


「ぜぇえええ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っったい、無茶はするなよ!」


「お、おう……」


 念押ししすぎじゃあないっすかね。

 唾が飛んできそうな勢いだったよ。


 ログハウス前には、翼竜王&その部下多数。

 野外活動車キャンピングカー、そして、私。


「キャンピー、早く! 早く給油を! 私一人でこの数相手にするの……さすがに無理ゲーよ」


『相手しなくてよいから! まじでよいから!』


 ふぶきが窓ガラスに張り付き、顔をむぎゅっと潰しながら叫ぶ。


『いいか翼竜王! 命が惜しくばさっさと逃げろ! そこに居るのは召喚聖女じゃ!』


 なんでふぶきさん、敵に逃亡を促してるんすかね?


『なにぃいいいいい!?』


 目ん玉飛び出るくらい、驚く翼竜王。


『あ、あの……あの恐ろしい……しょ、召喚聖女だとぉ!?』


 恐ろしい?

 召喚聖女が?


『ぐぎゃあ! にげろぉお!』『ぎゃああ! 死にたくねえ!』『ままぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!』


 い、今ので結構な数の翼竜ワイバーンが、蜘蛛の子を散らすように逃げていく!?

 なんで?!


『魔物も馬鹿じゃあない。特に、ここ、蒼銀竜山の魔物達は、知っておるのじゃ……。召喚聖女の、恐ろしさ……その化け物っぷりを!』


 恐ろしいとか化け物とか言われましても。

 私、なんもしてないんですけど(なお、翼竜ワイバーンを木っ端みじんにした女)。


『逃げるな! 逃げるな貴様ら……! 翼竜王が命じる! 召喚聖女を……殺せ!』


 翼竜王が咆哮を上げる。鼓膜が破れそうなほどの、ビリビリとした重低音だ。そして、少しエコーがかかって、私には聞こえた。


 逃げていた翼竜ワイバーン達は、びたっ! と動きを止める。

 方向転換して、こちらをにらみつけてきた。その目がギラギラと、不気味に赤く輝いていた。白目じゃあない。なんか操られてない!?


『ころすぅううう!』『ブチコロス!』『召喚聖女クッテヤルウウウウウウウウウウウウウ!』


 襲い来る翼竜ワイバーンの群れ。

 視界を埋め尽くす、化け物たちの群れ。犬や猫ってレベルじゃあない。猛獣だ。

 野生の、巨大な獣たちが、こちらに向かって牙を剥いてくる。


 いくら無敵のスキルを持っているからって、びびらないほうがおかしい。

 だって私は、ついこないだまで、OLをしていたんだから。


 物語の主人公のように、武器を片手に勇敢に立ち向かうなんてことはできない。

 私にできたのは、ただ、呆然と、目の前で起きてる事実を見ることだけ。

 すなわち、棒立ち。


 翼竜ワイバーンたちが一気にぶつかり。

 グシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!



「ひいぃい……!」


 め、目の前で、血の雨が、降る。ぱたぱた、と私の肌に、生暖かい血が! 鉄錆のような強烈な臭いが鼻を突く。べったり! ぎゃー!


『なんて頑丈なのだ! くそ! 風ブレスだ!』


 翼竜王が部下どもに命令する。

 翼竜ワイバーンたちが、私の頭上で滞空。


 ぐぐぐっ、と胸を大きく反らす。

 風ブレス、って、ブレス、つまり、竜の息吹ってこと!?


「ひぎゃぁあ……!」


 女子らしからぬ悲鳴を上げる、私。

 翼竜ワイバーン達はそんな私を見ても攻撃を止めなかった。


 吐き出される、突風。


 ビョォオオオオオオオオオオオオオオ!

 四方八方から放たれた、風のブレスが、一気に私にぶつかる。

 耳をつんざくような轟音。視界が土煙で真っ白に染まる。


 どごおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!


『はーっはっは! どうだぁ……!』


『ああ……スミコ……頼むから……暴れないでくれぇ……!』


 いや、いやいや、ふぶきさんよぉ。


「暴れてるのは、あいつらじゃあないっすかぁ~……」


『な、なにぃいい!? ば、馬鹿な! 巨岩すら粉みじんにするブレスを真正面から、しかも複数受けても、無傷だとおぉお!?』


 まあ、気持ちはわかる。

 凄いブレスだったんだろう。現に、私の周囲の地面が、ごっそりとえぐられてる。


 そりゃあもう、隕石でも落ちたんですかってレベルで、地形が変わってしまっているのだ。

 そんなブレスを受けて、けろっとしてる私。しかも、身につけている衣服すら、ズタボロになっていないっていうね。


『なんと……恐ろしい! 奴は無敵か!?』


「まあ……外限定でね」


 しっかしトンデモスキルすぎない?

 この野外活動アウトドアってスキル。


 外なら無敵って。それってどんな攻撃を受けても、高所から落下しても死なない。

 もうそれ、最強では?


『こ、こうなったらぁ……! この翼竜王様直々に、貴様を粉みじんにしてやるぅ!』


 翼竜王が大きく翼を広げて、天高く飛び上がる。


『スミコ! わかっているな!?』


 ふぶきが窓から手をついて叫ぶ。


「ありがとう、心配してくれて」


『やりすぎるなよ!?』


 応援の仕方、それでいいわけ?

 もうちょっと聖女さんを心配しませんこと?


 ま、外なら無敵な私を心配なんてしないか。

 さっきと違って、今の私には、ちょいと自信があるのよ。

 そう、さっきまでは、全部、私は防御しかしてなかった(※つーかなんもしてない)。

 ならば、これを攻撃に転じたら?

 外なら無敵の、この力を、破壊に転化したら?


 正直、そういう荒事は苦手だし。やりたくない。

 怖いし。


 でも、身に降りかかる火の粉は!


「振り払わないとねぇ……!」


 すさまじいスピードで突っ込んでくる、翼竜王。


 ゴオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


 さっきのブレスよりも、なお早い。だって遠くにいたそいつが、瞬きする間もなく、直ぐ目の前までやってくるほどだったから。

 強烈な風圧が私の髪をかき乱す。


 それでも、私の目は、敵をしっかり見据えていた。

 だってこいつをここで排除しておかないと、たべっこ動物(食べ盛りの神獣達の意味)に、被害が。


 って、大丈夫か。あいつらなら。なんか、テンコ起こせば良かったかも。

 まあでもあれだ。


「寝た子は起こすなってねえ……!」


 私は、ビンタする。

 スカッ!


 タイミングがズレた!

 いやぁ、戦闘キャラじゃあないんで、私。バトル経験のなさが、ここででてしまうなんてっ!


 ビタッ!


「は?」


 翼竜王は、私の目の前で強制停止する。

 ぐっ、ぐぐぐぐぐっ!


 翼竜王の顔が、なんか潰れていく。まるで、見えない壁に押し付けられたかのように。

 え?


 そして!

 ビュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


『ふげぇあああああああああああああああああああ!』


 一拍おいて、翼竜王がピンボールのように空へとぶっ飛んでいった。

 それだけじゃあない!


 この周囲の地面が、めりめり! めりめりめりっ! と音をたてて剥がれていくのだ!

 地殻変動かよ!?


『ああ、強烈なビンタの風圧によって、翼竜王、および地面が、すっとんでいくのじゃああ~……』


 ふぶきは、なんだか驚いていない。驚くんじゃあなくて、諦め。全てを諦め、悟りを開いた僧侶のように、私には見えた。


 ぶっ飛んでいく翼竜王、およびそのおともたち。

 空の彼方で、キラーン! と星になった。


 ぷっぷ~♪


『……ガソリン、満タンになったそうじゃ』


「あ、そ、そう……」


 私は引きつった笑みを浮かべた。

 魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)が打てるようにはなった。

 が、必要ない。


 なぜなら、私のビンタで、翼竜王、および翼竜ワイバーン達がみんな吹っ飛んでいったからだ。


『スミコっ!』


 すたっ、と私の隣に、テンコが現れた。

 尻尾の毛が寝癖でボサボサになっている。


『戦いの音が聞こえてきて、飛び起きてきました!』


 にしても、ちょっとくるの遅くない?


『なんですか、この惨状……! 地面がめくれ、森の木々も引き剥がされている……! 一体、どんな敵が現れたのですか!?』


 テンコは目を丸くし、あたりをキョロキョロと見回している。耳が落ち着きなくパタパタ動いていた。


「えー……っと」


 それ、やったの私です、とは言えない。

 私は視線を宙にさまよわせた。


『ああ、スミコ! ごめんなさいっ。か弱いマスターを一人、危険にさらしてしまって! 申し訳ないっ!』


 テンコが私の足にすがりつき、頬ずりをしてくる。


「えー……気にしないで」


 やったの私なんで。


『やはり召喚聖女……ヤバいのじゃ……』


 ヤバいって、こういうことか。

 力がありすぎて、ヤバいって言うね。



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― 新着の感想 ―
うん、召喚聖女はヤバタニエン
>力がありすぎて、ヤバいって言うね。 ちゃんと認識できてえらい!
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