37.赤ちゃんドラゴンが進化して食いしん坊になった
子ドラゴンが仲間になったよ!
「…………」おー。
キャンピー(人間の姿)が、私の腕の中にいる子ドラゴンを見つめている。
「キャンピー、ほら、新しい仲間だよ。妹ができたよ君に」
「…………!」
妹という単語に、キャンピーが過剰に反応を示す。
「もしかして妹ほしかったの?」
「…………!」こくん!
どうやらそういうことらしい。
「…………」じ~。
「きゅ?」
「おねえちゃんだよ。君の」
「きゅ!」
ぴょんっ、と子ドラゴンがキャンピーに飛び込む。そして、スリスリと頬ずりする。
「…………♡」ほわん
妹を抱っこして、ご満悦のキャンピーさんだ。かわいいの2乗で、かわいい。
『人の子よ。名を付けてあげるのです』
「名前?」
『そうです。名前をつけるのです』
「まあたしかに、つけてあげなきゃだね」
さてどうするかな。
「生まれたときドラゴンだから、ドラちゃん……」
『駄目です。もっと気品ある名前にしないと』
なんであんたが駄目だしするんですかねぇ。
「蒼銀竜……ソウ……ソウちゃんは?」
「ぴ?」
「ソウちゃん」
「ぴ!」
ぱたたた、とちっこい翼を、ソウちゃんってば羽ばたかせる。
どうやら気に入ったようだ。
そのときだった。
カッ!
ソウちゃんが急に輝きだしたのだ。
ぐぐぐ、とソウちゃんがおっきくなる!
さっきまで、生まれたての子猫くらいちっこかったのだが、子犬くらいになっていた。
ぱたたた、と翼を羽ばたかせ、飛んでる!
『おきに! そーちゃん、なまえ、おきに!』
「キャァアアアアアアアア! シャベッタァアアアアアアアアアアアア!」
『妾もしゃべるでしょうが』
あ、そっか。って!
「なんか急に成長してません……?」
「聖女が名を付けたからじゃの」
と、母ドラゴン。
「名前を……つけたからなに?」
「神獣は、聖なる者が名を刻むことで、その存在を進化させられるのじゃ」
「そ、そういうシステムが……?」
「うむ、そういうシステムじゃ」
まじかい。
『ふふん、何を隠そうこのテンコ。偉大なる山の神より名を貰って、ここまで大きくなったのです』
「そうじゃったな」
? なに、そうじゃったなって?
「母ドラゴンさん、テンコのこと知ってるの?」
「うむ。この子がまだ赤子の時に、育ててあげたのじゃ」
「まじ! じゃあ、乳母ってこと?」
「そうじゃな。まあこやつは相当前のことだし、覚えておらんようじゃが」
テンコを見てみる。
『覚えておりませんね。誰ですかこいつ?』
ぜんっぜん覚えてないよ。
「あんたの乳母だってさ」
『そうですか。この偉大なるテンコを育てたのです。もっと光栄に思って欲しいものですね』
うーん失礼女。
「すんませんね、うちの狐が」
「いや、よいのじゃ。元気に育ってくれたようで我は嬉しいぞ」
器のでっけえドラゴンだこと。
『まぁま、そーちゃ、おなかちゅいた~』
「え、お腹空いたの?」
『うぃ! そーちゃ、くーふく!』
そーちゃ? ああ、そーちゃんってことね。
「ミルク……でも私お乳でませんけど」
「成長して、もう歯も生えてるようじゃ」
母ドラゴンが、そーちゃんの口をあけて言う。
「肉を食わせてやってくれ」
「肉……肉……って」
KAmizonでビーフジャーキーを買う。
「…………」はいはいっ。
「そーちゃんに食べさせたいの?」
「…………」こくん!
キャンピーにジャーキーを渡す。
彼女はそれを1本手にとって、そーちゃんにあげる。
『きゅ~♡』
『どうじゃ、美味か?』
『びみ? びみってなぁに?』
『いまそなたが感じてる、幸せな感情です』
『びみ~♡』
テンコをまねてか、そーちゃんが『びみ~♡』と連呼している。
『まぁま、そーちゃ、たべおわっちゃった』
「え、もう?」
『うぃ。そーちゃ、おなかすいた』
「え? ま、またぁ……?」
『そーちゃ、おなかすいたっ! そーちゃ、おなかすいたー!』
なんだか、いやぁな予感がする。
「も、もうちょっと我慢できない?」
『やー! そーちゃ! びみ! いっぱいたべる! そーちゃ! いっぱい、びみしたい! びみー!』
あああ~。ふ、フラグが。フラグが回収されてしまった!
「…………」じ~。
キャンピーもこっち見つめているし。なに、その無言の圧力はっ。
なにか、妹にもっと食べさせてほしいってか?
『人の子よ、スミコよ。末妹が腹を空かせているのです。もっと食べさせてあげなさい』
「ひぃ~……まじかよぉ~……」
こうして、私は綺麗にフラグを回収してしまったのだった。
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