33.神獣テンコ、本気を出す。 ~強敵を瞬殺しましたが、直後にご飯をねだられました
蒼銀竜山に住むという、神竜を救出するため、私たちはキャンピーにのって山頂を目指す。
道中の斜面は、雪上走行スキルで、難なく進めた。
また道中の雑魚魔物たちは、キャンピー必殺の魔物ぶっ殺し光線によって、一瞬で蹴散らす!
が!
「キャンピー……? おなか空いたの?」
【(-_-;)】
やっぱりか。魔物ぶっ殺し光線は、ガソリンを消費するらしい。
KAmizonで燃料を買って、給油せなあかん。
正直、魔物ぶっ殺し光線は強い。
でも使う都度、こんなに燃料を消費してちゃあね。足止め食らっちゃう。
蒼銀竜とやらは、どうやら相当なピンチらしいし。
早く頂上に着かないといけない。
「げえ、また敵」
給油中に、魔物が襲いかかってきた。
今度は、デカいカマキリの魔物だ。
『ふむ。あれは大蟷螂ですね。巨大なカマキリモンスターで、その鎌は鉄をも切断すると』
大蟷螂は近付いてきて、両手の鎌で、キャンピーを切りつけてくる。
「ふはは! あまーい! キャンピーには無敵の結界スキルがあるんじゃぞー!」
ずばんっ!
「ってなにぃいいいいいいいいいいい!? フロントガラスにひびが入っただとおぉ!?」
「結界スキルが発動しておりませんわ!?」
いったいどうして。
はっ! ま、まさか、燃料が切れているから?
そうか! 魔法使いが、魔法に魔力を必要とするように!
キャンピーの、無敵のスキルは、燃料がないと駄目なのかー!
「まずい……キャンピーは今給油中……また今の攻撃を受けたら……」
『フッ……。人の子よ。慌てるではありません。この神獣の友なのですからね』
ふふふ、とテンコが余裕の笑みを浮かべながら、キャンピーから降りていく。
「危ないわよ。あんなデカいカマキリ相手じゃ」
『やれやれ……人の子よ……。貴方の目の前に居る女が、いったいどこの誰だか、名前を言ってごらんなさい』
「あ、そっか。あー、安心」
『……安心するの早くないですか?』
この子は神獣だ。言動はあれだし、食いしん坊だけども。
でも、強い女であることには違いない。
「やっちゃえ、バーサーカー!」
『天狐のテンコです。だれですか、バーサーカーってっ』
しゃなり、とテンコが大蟷螂の前に立つ。
大蟷螂は、テンコの前から去ろうとしない。
『ふっ……妾に臆せず、逃げないことはまずは褒めてあげましょう。しかし妾は弱い者いじめは好きではありません。去るがよい』
「ギャシャシャアアアアアアアアアアアアアア!」
大蟷螂が両手の鎌をテンコに振り下ろす。
ガキィン!
『フッ……愚かなり、矮小なる魔物よ。この風の神獣テンコに、傷を付けられるとでも思いましたか?』
テンコの周りには風の結界が出現していた。
それで、大蟷螂の鎌攻撃を完全に防いでいた。
す、すごいぞテンコ!
「まるでかっこいい神獣みたいだ!」
『フッ……みたい、ではありませんよ。かっこいい神獣なのです。そして……もう戦闘は既に終わっているのです』
テンコは踵を返すと、こちらへとやってくる。
大蟷螂はまだ生きてる、いや、違う!
ぴしっ! と大蟷螂の体に線が入る。
そして、大蟷螂はその場で、バラバラ死体になった。うげえ、きしょお。
「なにしたのあんた……?」
『フッ……。風の結界には、細かな風の刃が仕込まれているのです。敵は結界を攻撃すると、その刃に体を切り刻まれるのですよ……ふふっ……』
「す、すげえ~……!」
『ふふふふっ。どうですかスミコっ』
「いやぁ……さすが神獣さんっすわ」
『そうでしょうともっ。ふふ……妾のことをただの美しく、麗しく、愛らしいだけの神獣だと思ってました?』
「ただの面白い大食い女だと思ってました」
『きー! なんたる侮辱っ!』
しっかし本当に強いのねえ、この子。ちょっと見直しちゃったわ。ちょっとね。
テンコがキャンピーの中に入ってきた。
ちょうど、キャンピーの給油を終わった。よしよし。
「では、キャンピー出発!」
ぷっぷ~♪
自動運転が開始される。
キャンピーが、遅れを取り戻すかのように、凄い速さで進んでいく。
『ところで人の子よ、スミコよ』
なーんだか、いやーな予感がするの。
なんかねー、もうねー、パターン化してません?
「……なんでしょ?」
『妾は頑張りましたね』
「そーっすね」
『頑張ったらおなかが空きましたね』
ほーーーーーーーーんとによぉおおお!
この腹ぺこ神獣さんはよぉおおおおお!
どんだけ食べるんだよっ!
『おなかが空いたのです』
「あのね……って、さむっ! 寒いなにこれ……?」
キャンピーの中はいつだって暖かい。
が、走り出した今、めっちゃ寒かった。
「あ、聖女様! 全面のガラス窓から、隙間風が入ってきますわ!」
シュナウザー女王様が指を向ける。
さっき、大蟷螂に攻撃を受けた部分だ。
フロントガラスにひびが入っており、そこから、冷気が侵入してる。うげえ。
「治さないと……どうすれば……」
とりあえず、CPにそれっぽいスキルをみっけた。
~~~~~~
事故修復
→事故にあったとき、野外活動車本体の修復を行う
消費CP:1000
~~~~~~
うう、CPも減るし。
しかも、食費も掛かる。
塩とか胡椒とかで、結構儲けた。でも、この二大食いしん坊のせいで、みるみるうちにお金が減っていく。
「これ、もう一匹くらい食いしん坊バンザイなやつが加わったら……トンデモナイことになりそう……」
『馳走を早くしてください』
「うるせえい」
いや、ないな。もう一匹仲間が加わるなんて。
ないない。絶対にない。100ぱーないんだからね。
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