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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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33/94

33.神獣テンコ、本気を出す。 ~強敵を瞬殺しましたが、直後にご飯をねだられました

 蒼銀竜山に住むという、神竜を救出するため、私たちはキャンピーにのって山頂を目指す。

 道中の斜面は、雪上走行スキルで、難なく進めた。


 また道中の雑魚魔物たちは、キャンピー必殺の魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)によって、一瞬で蹴散らす!


 が!


「キャンピー……? おなか空いたの?」


【(-_-;)】


 やっぱりか。魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)は、ガソリンを消費するらしい。

 KAmizonで燃料を買って、給油せなあかん。

 正直、魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)は強い。


 でも使う都度、こんなに燃料を消費してちゃあね。足止め食らっちゃう。

 蒼銀竜とやらは、どうやら相当なピンチらしいし。


 早く頂上に着かないといけない。


「げえ、また敵」


 給油中に、魔物が襲いかかってきた。

 今度は、デカいカマキリの魔物だ。


『ふむ。あれは大蟷螂マンティスですね。巨大なカマキリモンスターで、その鎌は鉄をも切断すると』


 大蟷螂マンティスは近付いてきて、両手の鎌で、キャンピーを切りつけてくる。

 

「ふはは! あまーい! キャンピーには無敵の結界スキルがあるんじゃぞー!」


 ずばんっ!


「ってなにぃいいいいいいいいいいい!? フロントガラスにひびが入っただとおぉ!?」


「結界スキルが発動しておりませんわ!?」


 いったいどうして。

 はっ! ま、まさか、燃料が切れているから?


 そうか! 魔法使いが、魔法に魔力を必要とするように!

 キャンピーの、無敵のスキルは、燃料がないと駄目なのかー!


「まずい……キャンピーは今給油中……また今の攻撃を受けたら……」


『フッ……。人の子よ。慌てるではありません。この神獣の友なのですからね』


 ふふふ、とテンコが余裕の笑みを浮かべながら、キャンピーから降りていく。


「危ないわよ。あんなデカいカマキリ相手じゃ」


『やれやれ……人の子よ……。貴方の目の前に居る女が、いったいどこの誰だか、名前を言ってごらんなさい』


「あ、そっか。あー、安心」


『……安心するの早くないですか?』


 この子は神獣だ。言動はあれだし、食いしん坊だけども。

 でも、強い女であることには違いない。


「やっちゃえ、バーサーカー!」


『天狐のテンコです。だれですか、バーサーカーってっ』


 しゃなり、とテンコが大蟷螂マンティスの前に立つ。

 大蟷螂マンティスは、テンコの前から去ろうとしない。


『ふっ……わらわに臆せず、逃げないことはまずは褒めてあげましょう。しかしわらわは弱い者いじめは好きではありません。去るがよい』


「ギャシャシャアアアアアアアアアアアアアア!」


 大蟷螂マンティスが両手の鎌をテンコに振り下ろす。


 ガキィン!


『フッ……愚かなり、矮小なる魔物よ。この風の神獣テンコに、傷を付けられるとでも思いましたか?』


 テンコの周りには風の結界が出現していた。

 それで、大蟷螂マンティスの鎌攻撃を完全に防いでいた。

 す、すごいぞテンコ!


「まるでかっこいい神獣みたいだ!」


『フッ……みたい、ではありませんよ。かっこいい神獣なのです。そして……もう戦闘は既に終わっているのです』


 テンコは踵を返すと、こちらへとやってくる。

 大蟷螂マンティスはまだ生きてる、いや、違う!


 ぴしっ! と大蟷螂マンティスの体に線が入る。

 そして、大蟷螂マンティスはその場で、バラバラ死体になった。うげえ、きしょお。


「なにしたのあんた……?」


『フッ……。風の結界には、細かな風の刃が仕込まれているのです。敵は結界を攻撃すると、その刃に体を切り刻まれるのですよ……ふふっ……』


「す、すげえ~……!」


『ふふふふっ。どうですかスミコっ』


「いやぁ……さすが神獣さんっすわ」


『そうでしょうともっ。ふふ……わらわのことをただの美しく、麗しく、愛らしいだけの神獣だと思ってました?』


「ただの面白い大食い女だと思ってました」


『きー! なんたる侮辱っ!』


 しっかし本当に強いのねえ、この子。ちょっと見直しちゃったわ。ちょっとね。


 テンコがキャンピーの中に入ってきた。


 ちょうど、キャンピーの給油を終わった。よしよし。


「では、キャンピー出発!」


 ぷっぷ~♪


 自動運転が開始される。

 キャンピーが、遅れを取り戻すかのように、凄い速さで進んでいく。


『ところで人の子よ、スミコよ』


 なーんだか、いやーな予感がするの。

 なんかねー、もうねー、パターン化してません?


「……なんでしょ?」


わらわは頑張りましたね』


「そーっすね」


『頑張ったらおなかが空きましたね』


 ほーーーーーーーーんとによぉおおお!

 この腹ぺこ神獣さんはよぉおおおおお!


 どんだけ食べるんだよっ!


『おなかが空いたのです』


「あのね……って、さむっ! 寒いなにこれ……?」


 キャンピーの中はいつだって暖かい。

 が、走り出した今、めっちゃ寒かった。


「あ、聖女様! 全面のガラス窓から、隙間風が入ってきますわ!」


 シュナウザー女王様が指を向ける。

 さっき、大蟷螂マンティスに攻撃を受けた部分だ。


 フロントガラスにひびが入っており、そこから、冷気が侵入してる。うげえ。


「治さないと……どうすれば……」


 とりあえず、CPにそれっぽいスキルをみっけた。


~~~~~~

事故修復

→事故にあったとき、野外活動車キャンピングカー本体の修復を行う

消費CP:1000

~~~~~~


 うう、CPキャンピング・ポイントも減るし。

 しかも、食費も掛かる。


 塩とか胡椒とかで、結構儲けた。でも、この二大食いしん坊のせいで、みるみるうちにお金が減っていく。


「これ、もう一匹くらい食いしん坊バンザイなやつが加わったら……トンデモナイことになりそう……」


『馳走を早くしてください』


「うるせえい」


 いや、ないな。もう一匹仲間が加わるなんて。

 ないない。絶対にない。100ぱーないんだからね。


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