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捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


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32/94

32.崩壊した村を【エコカー】で一瞬で直しました

 蒼銀竜山のふもとの村人達を助けた。

 これもサービスってやつ。


 シュナウザー女王が、村人から事情聴取を行った。

 それによると、どうやら今朝方、大きな雪崩が起きたそうだ。


 大きな雪崩が起きる前から、何度か、竜の鳴き声を聞いていたそうだ。

 そして、何度目かの咆哮の後、雪崩発生、と。


「どうして異変を感じたのに、逃げなかったんですか?」


 私は村長に尋ねてみた。


「今までも、何度か蒼銀竜様がお怒りになることはあったんです」


 ほーん。てか、様って。


「なんで様なんてつけるんですか?」


「そりゃあもう! この山周辺の村を守ってくださってる、守り神ですから」


「へー……守ってるんだ?」


「はい。あの竜様がいるおかげで、この山の魔物達はかの御方を畏れ、息を潜めているのです」


 はーん。なるほど。おっそろしいドラゴン様が怖いから、魔物がびびって外に出ない。

 そのおかげで、山近くの村人達は、魔物に怯えず生きることができてる、か。


「蒼銀竜様は、何やら苦しんでおられるようです」


「といいますと……?」


 シュナウザー女王が、村長に尋ねる。


「わしはこの村に長く住んでおります。竜様のご機嫌をある程度、そのお声から察することができますのじゃ。そのわしが思うに、蒼銀竜様は……何か今、苦しんでいる……そんな声がしますのじゃ」


 ふぅん。何に苦しんでるんだろ。


 女王は沈んだ表情になる。

 蒼銀竜、神竜とは昔から深い仲だっていうからね。心配なんだろう。


「んじゃ、ま、さくっと行ってきますか。ね?」


「! はいっ!」


 シュナウザー女王が私に抱きつく。


「まさか、蒼銀竜山へ登るのですか? 危険です……! 素人が入れる場所じゃあない。特に、今は異常気象を起こしております! 平時ですら並の村人では登れないのに……」


「ところがどっこい、こっちには心強い味方がいるんだなぁ。ね、キャンピー?」


 ぷっぷー♪


 軽快なクラクション。そう、我が相棒がいれば、登山なんて楽勝なのだ。

 楽勝かな? 楽勝だな。うん。


「皆さんを降ろしたら、我々は山に登ります。ちょっちまっててください」


「しかし我らの住むところが……雪崩でなくなってしまって……」


「わかってますって。大丈夫。キャンピー。環境再生車エコ・カー!」


 キャンピーのスキルが発動する。

 彼女の持つ、壊れたものを治すスキルが、村の崩れた建物たちを修復していった。


「おお! なんとすごい! これはまさに……神の力……!」


 村長が窓から、外の様子を見て叫ぶ。

 やっぱうちの野外活動車キャンピングカーはチートですわー。やるぅ~。


「これでもう大丈夫です」


「ありがとうございます! なんとお礼を言ってよいことやら……」


「どーいたしまして。さ、おりちゃってくださいな」


 村人達が、ぞろぞろと野外活動車キャンピングカーから降りる。

 これで問題は一つ解決っと。


「あとは山登るだけね。頼んだキャンピー」


 ぷっぷー♪


 ご機嫌な我が相棒。

 おっとこれから登山なので、給油はちゃんとしておかないとね。


 私はKAmizonで燃料を購入し、キャンピーに給油を行う。


 しかし、テンコといい、キャンピーといい、だいぶ大食漢よねぇ。男じゃあないけど。

 塩胡椒や、オークを売ったお金はある。けど大食い×2がいるせいで、お金がものすっごいスピードで減っていくわ。


『どうしたのです、人の子よ』


 大食いその1が、のそのそとこちらへやってくる。


「もうちょっと、食べる量って減らせないんすかね?」


『フッ……それは無理な相談ですね。スミコの作る飯はトテモ美味しいですから』


「……そらどーも」


 しょうがない。ペットを飼っちゃった以上、ちゃんと食わせてあげる義務があるからね。


 不味い飯を食わせるようなことはできないぜ。全く私はいい飼い主だなぁ、なぁんてね。


「よし、給油完了。いこっか」


「はいっ」『うむ』


 私たちはキャンピーに乗り込む。


「山には魔物がおりますので! お気を付けて~!」


 窓の外から、村人達がこちらに手を振っている。


「ご忠告どーもぉ……! さて、レッツゴーキャンピー!」


 キャンピーが走り出す。目指すは蒼銀竜山だ。

 雪上走行スキルがあるため、全くスリップすることなく、山を進んでいく。


 ブロロロォ~。


 蒼銀竜山の中を進んでいく。

 森の木々も、雪面も、なんのそのである。


「問題は……魔物よねぇ……」


『魔物が音に気付いて、こちらに襲ってきますね』


 風に乗って、音を拾ったらしい。テンコが敵の存在に気付いたようだ。


『どうします? 戦いますか? 人の子よ……わらわは気力十分ですよっ』


 さっきご飯たっくさん食べたからだろう。

 テンコが珍しくやる気だった。しかーし!


「キャンピーの無敵の能力を忘れては困る! やっちゃえキャンピー! 魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)だ!」


 進路上に現れた、名も無き魔物達。

 やつらめがけて、キャンピーのライトから、魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)が照射される。


 必殺ビームにあてられた魔物達は、一瞬で蒸発する。


『ふむ……なんと強く神々しい光。さすが、神獣を乗せる鉄馬車なだけあります』


 テンコさんなんかご満悦の表情だ。


「怖くないの? あんたも一応魔物でしょう? キャンピーの魔物ぶっ殺し光線(ハイ・ビーム)に当たったら死ぬのに」


『何を馬鹿な。キャンピーとわらわは友誼を結んだ友。この子がわらわを攻撃することなどありはしませんよ』


 一応友達って思ってるようだ。


 ぷっぷ~♪


 キャンピーが軽快なクラクション音をならす。

 どうやら、友達って言ってもらえてうれしいみたいだ。かわいい。


 そういえば、テンコもキャンピーも幼いもんね。年の近い友達同士、仲が良いのかもしれないわぁ。


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