表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられ聖女は万能チート【キャンピングカー】で快適な一人旅を楽しんでる  作者: 茨木野


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/94

28.女王陛下、禁断の「ポテチ&コーラ」にハマる



 キャンピーは自動運転。

 私とテンコ、そしてシュナウザー女王は、リビングスペースにいる。


「で、なんでその蒼銀竜山なんかに、お忍びでいくんですか?」


「じぃ~……」


「……なんすか?」


 シュナウザー女王が、じっ、とテーブルの上を見つめている。

 お茶請けのポテチ。そして、コーラ。


 とりあえず、お・も・て・な・し、しないとって思ってさ。


「これは……一体なんですの?」


「何って……お茶請けと飲み物っすけど」


「これが……お茶請け?」


 木の器の中には、塩味のポテチが入ってる。

 テンコも、すんすんすん、と匂いを嗅いでいる。


『なんですかこれは……なんだか嗅いだことない……油の匂いがしますが……』


「ポテチだよ。お菓子」


『ふぅ……』


 ふぅ、ってなんだよ。そのため息。


『なんだ、お菓子でしたか。フッ……わらわは美食家。お菓子なんて、ご飯以下の存在。わらわは食べませんよ』


「あーはいはい、そーですか。あんた用のじゃあないし。さ、どうぞ女王様。美味しいっすよ」


 女王は「じゃあ……」といって、ポテチを、パリッ。


「こ、これはー!」


 ぼふっ、とシュナウザー様のしっぽが、まるで竹箒のように広がる。


「なんと! 不思議な食感でしょうっ! ぱりっとした、揚げ物とはまた違った食感です! なんでしょうこれはっ?」


「薄く切った芋を油で揚げたもんですよ」


「! 薄く切った芋……! なるほど! ぱりっ。ん~♡ ぱりぱりの食感っ、ほどよく効いた塩っ。美味しいですわ~♡」


 どっかの美味しか言えない、食いしん坊狐とちがって、語彙が豊富っすね。さすが女王。


『ふ、ふぅん……美味しいのですか……』


 美味いものレーダーにひっかかったのか、テンコが興味を持ちだした。


「はいっ。美味しいですわっ。ぱりっ。ん~♡ 食べたことない、このパリッとした新食感っ。たまりませんわ~♡」


『ふ、ふむ……どれ、一口……』


 テンコが長い口を、ポテチのさらに近づけてきた。

 私は、スッ、と遠ざける。


『人の子よ! このわらわに悪戯するとは、良い度胸ですねっ!』


「あらあらあれあれ、テンコさんよぉ~。あんたさっき、お菓子馬鹿にしてませんでした~?」


『くっ……!』


「馬鹿にしてたものを食べちゃうんですかぁ~?」


『くぅう……!』


 ぐぎぎぎ、と悔しそうなテンコ。相変わらずおもしれー女。


「冗談よ。ほら、たくさんあるから」


 KAmizonで買った、徳用のポテチを、アイテムボックスから取り出す。

 オーク売って手に入れた金で、財布は潤っているのだ。


 私はポテチ袋の、背面部分を切って、テンコの前に差し出す。

 彼女はガッ! とポテチの中に顔を突っ込む。


『ふぉおおおお♡ 美味っ♡ ぱりっ♡ 美味っ♡ ぱりぱりっ♡ 美~味~……♡』


 はい、今回も語彙力ゼロで食レポをお届け中です。

 こんなの公共の電波に乗せられませんね。現実でレポーターしてたら、即刻クビになっていただろう。


「で、話を戻して……どうして蒼銀竜山に……」


「じぃ~……」


 シュナウザー女王は、今度は、コーラを凝視していた。

 ええー、話進まないやーん。


「これはなんですの?」


「コーラって言う、飲み物です。飲みます?」


「はいっ!」


 グラスに、コーラを注ぐ。

 

『フッ……。黒々とした、なんともまずそうな汁。人間は変わったものを飲むのですね……バリボリ』


 狐がなんかほざいておる。私には、この後の展開が、よーくわかってるよ。

 あんたのそれ、フリっていうんだからね。


 シュナウザー様はコーラを一口。


「ん~~~~~~! うまい!」


『っ! ほう……』


「美味いですわっ! 飲んだ瞬間、しゅわしゅわ~……♡ って、未知の舌触りが美味しい楽しい!」


『ふ、ふぅん~……』


 ふさふさ、と狐のしっぽが揺れ出す。


「それに……冷たくって美味しい! 旅の途中で、こんな冷たい飲み物がのめるなんてっ! すごいですわ!」


「ありがとうござます。ただそれは鉄馬車……キャンピーが冷やしてくれたもんなんで」


「まぁ、本当に聖女様の鉄馬車は、素晴らしいですわねっ」


 ぷっぷ~♪


 キャンピーがクラクションを鳴らしていた。褒められてうれしくなっちゃったんだろう。

 んも~。うちの相棒は、可愛いんだからも~。


『ひ、人の子よぉ~……』


 はい、こーなるってわかってましたね。


「なんすか? 神獣さんともあろうおかたが、さっき自分が馬鹿にしていた、黒い汁とやらを、まさか今更飲みたいとかほざきやがるんじゃあないですよね?」


『ふぐぅうううう……意地悪……』


 しゅんっ、とテンコが頭を下げる。からかうのはこれくらいでいいか。

 子どもだしね、相手。あんなからかいすぎちゃあ、大人げない。


「あんたの分もあるから。注いでくるから」


『ほんとっ♡ ……こほん。早く用意するがよいです』


 私は洗面器をとってきて、コーラをドバドバと注ぐ。

 テンコは洗面器に顔を近づけて、ぺろり、と舌でなめる。


『!?!?!? 舌の上で、なにかがはじけましたっ! これは……敵か!?』


「敵じゃあないよ。そういう飲み物。炭酸っていうの」


『ぺろり……なるほど。これは……美味! しゅわわ……って美味!』


 テンコは貧弱な語彙を使いながら、うまそうに、コーラを飲む。

 シュナウザーさんも、ごくごくとコーラを飲んでいる。


「わたくし、気付きましたっ。ポテチはおいしいですが、食べ過ぎると口のなかがベタベタしてきます……。そこに、コーラを流し込む! ん~♡」


 禁断のコンボを、発明してしまったようだ。


「ポテチの油が、コーラによって洗い流されて、すっきりですわっ! しかも、口のなかがさっぱりしたことで、また油っぽいものが食べたくなるっ! ぱりっ! ん~♡ しゅわっ! ん~♡」


『なんという……悪魔的コンボ! こ、これは止められません……!』


 あれこの女王様も、結構テンコと同じ、愉快な女側なのかな。

 さっきまで、シリアスな雰囲気を出してませんでした、貴方?


「で、なんで山いくんすか?」


「ごくん。実は……蒼銀竜山にいる、神竜に、会いに行くのです」


「しんりゅー? 神竜か。なんでです?」


「我が国、獣人国ネログーマは、神獣とは深い間柄なのです。特に、蒼銀竜山に住む、蒼銀竜ブリザード・ドラゴン様とは、建国時から深い付き合いなのです」


 ふぅん。蒼銀竜ブリザード・ドラゴンね。

 寒そう。


「神竜様とは、定期的に、念話で会話してました。ですが……いつもなら来る念話が、最近こなくなってまして」


「はーん、なるほど。何かあったのかもしれないと思ったわけですね」


「はい。しかし、蒼銀竜山までの過酷な道、人が行くとなれば、多くの人と、物資が必要となります。そうしてぞろぞろと移動していると、他国に気付かれてしまうのです。神竜に何かあったのだと」


「それを知られたくない……ってことですか?」


「はい。国が弱ってる、と思われるのは、よろしくありませんので」


 ふぅん。わかるような、わからないような。

 まあ、弱ってるってときに、攻め入られたら困るもんね。


蒼銀竜ブリザード・ドラゴン様は、いにしえより我が国と友好関係にあり、我らに恵みをもたらしてくださっておりました。居なくなったりされると、困るのです、非常に」


「なるほど……」


 ようは、その蒼銀竜ブリザード・ドラゴンってやつが、最近連絡が無くて、様子を見に行くってことか。

 しかし、大勢で行けば、他国に、自国のトラブル(弱体化)を知られてしまう。だから、女王様がお忍びでいくと。


「代理の人を連れてけばよかったんでは?」


「蒼銀竜山は神有地しゆうちなので」


「しゆーち?」


 なんか固有名詞がつづくなー。


「神のおわす御所でございます。選ばれしものしか、立ち入りを許可されておらず、我が国ではわたくししか入れません」


「なるほど……代理人をたてるわけにはいかないと」


 ゆえに、女王自らお忍びで、素早く、蒼銀竜山へ行かないといけないってわけか。


「とても、過酷な道です。そこを素早くいくためには、普通のやり方では駄目。そこで……特別な力を持つ、聖女様のお力を、おかりしたかった……という次第でございます」


 まあ、目的や、私が選ばれた理由は、理解できた。

 一応、結構ピンチな状況らしい。


「ちゃんと、依頼金は支払います。なので……どうか」


「OKっすよ」


 ただでやれって言われたら、躊躇った。けど、ちゃんとお金が支払われるなら、やる。

 商人っすから、一応私。


『人の子よ、スミコよ……』


「あの、それで聖女様……」


 テンコ、そしてシュナウザー様が、もじもじしている。


『「おかわりを……」』


「……はいはい」


 女王様、いちおう、今危機的状況下なんすよね?

 なーんか、のんきしてません?


【作者からお願いがあります】


少しでも、

「面白い!」

「続きが気になる!」

「更新がんばれ、応援してる!」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして、

【★★★★★】にしてくださると嬉しいです!


皆様の応援が、作品を書く最高の原動力になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
女王様?女王様はこんなにまんまるじゃ無かったはずでは? 戻ってきたらきっとこうなる。
神竜(狐)を天狐は狐だと見破れるのか? …流石に呼び名同じだしあのシッター狐の事だよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ