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夢見た異世界に本当に転生したら、チートすぎるスキルを授かった件  作者: 海鳴雫


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第5話 ──襲撃 ― 森の支配者、黒獣ベルグの咆哮

森を抜け、街が見えたとき――

全員が安堵の息をついた。

初任務は成功、ゴブリンの巣も壊滅。

あとは帰って報告して報酬をもらうだけ……だった。


「なぁリオン、ゴブリンってあんなに簡単に片付くもん?」

「いや、普段はもう少し粘る。今日は妙に静かだったな」

「静か?」


その言葉が、妙に引っかかった。


――空気が重い。


風が止み、鳥の声が消えた。

まるで、森全体が息を潜めているようだった。


次の瞬間、地面が裂けた。


「なっ――!?」


黒い影が飛び出す。

四本の足、獣の姿。

だが、ただの魔物じゃない。

その巨体は熊よりも大きく、

皮膚は岩のように硬く、全身から黒い霧を放っていた。


【出現:黒獣ベルグ Lv42】


「嘘だろ……!? Bランク魔獣だぞ!!」

リオンの叫びが響く。

俺たちE〜Dランクでは、本来遭遇すら許されない存在。


ベルグが咆哮を上げた瞬間、空気が震えた。

耳を塞いでも、頭の中まで揺さぶられるような衝撃。

木々がへし折れ、土が吹き飛ぶ。


「全員散開! エルナ、援護射撃!」

「は、はいっ!」


矢が放たれる。だが、

ベルグの毛皮は矢を弾き、火花が散るだけだった。


「くそっ、効かねぇ!」

「ガロス、盾を前に!」

「了解だッ!」


巨獣の爪が振り下ろされ、ガロスの盾を叩き割る。

金属音と共に、ガロスが吹き飛んだ。


「ガロス!!」

「がっ……ぐ、うぅ……」


血が地面を染めた。

リオンが歯を食いしばる。

俺の中にも焦りが湧く。


だが――逃げる選択肢は、無かった。


「……リオン。時間を稼いでくれ」

「何を――!」

「“創る”。こいつを倒せる何かを」


俺は地面に手をつく。

魔力が脈動する。


「【強化創造】――“雷炎剣”再構築!」


剣が光を放ち、二重の属性が走る。

だが、まだ足りない。

この巨体を貫くには――限界を超えなければ。


「俺の命力ライフを……供給源にして、創造限界を突破だ」


痛みが全身を駆け巡る。

血が滲み、視界が白く染まる。

だが、頭の中にはただ一つのイメージ。


――“貫く閃光”。


剣が形を変え、長槍のように伸びていく。

雷と炎が融合し、空気そのものを焦がす。


「……名を与える。“断罪の閃槍ジャッジメント・スピア”!」


ベルグが再び咆哮を上げ、突進してくる。

大地が揺れ、風圧で木が倒れる。


俺は槍を構え、地を蹴った。


「――うおおおおおッッッ!!!」


光と炎が爆発した。

稲妻が森を貫き、天地が震える。

槍がベルグの胸を突き抜け、

その黒い体を内側から焼き尽くした。


轟音と共に、世界が白く弾ける。


……静寂。


やがて、黒獣ベルグの巨体が崩れ落ちた。

煙を上げ、灰と化して風に溶けていく。


俺は地面に膝をついた。

体中が痛い。

でも、不思議と――清々しかった。


「……やった、のか?」

リオンが息を呑む。

エルナが泣きそうな顔で頷いた。


「ユウマさん、すごい……!」

「いや……ギリギリだったけどな」


槍は消え、俺の右腕には焦げた痕が残っていた。

けど、それよりも――心の奥が熱い。


この世界で、生きている実感。

命を懸けて戦った、確かな証。


その瞬間、

頭の中に、女神ルミエラの声が響いた。


『よくやりましたね、ユウマ。あなたの“創造”は、もはや人の領域を超えています。

けれど……それは同時に、神々の目に留まるということ。』


「……どういう意味だ?」


『間もなく、“彼ら”があなたを見つけます。』


光が一瞬、視界を包んだ。

それは祝福にも、警告にも思えた。


俺は深く息を吐く。

空は、もう夜の色に染まり始めていた。


――この世界で、俺はまだ序章にすぎない。

だが確信している。

この力は、ただのチートなんかじゃない。


「俺は――この世界を、創り変える。」


その誓いが、静かな夜風に溶けていった。

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