第26話 真理の果て ― 終焉と始まり
静寂の中で、ユウマはひとり立っていた。
彼の背後で、崩壊した神殿が光の粒となり、星空に還っていく。
「……終わったのか?」
リオンの声が聞こえる。
エリシアも膝をつき、涙をこぼしていた。
「ゼルフェウスは消えた。でも……神々の記録は、まだこの空に残ってる。」
ユウマは空を見上げる。
無数の光球が、ゆっくりと降り注いでいた。
それは神々の魂――だが、今は穏やかで、美しかった。
エリシアが囁く。
「彼らも……救われたのね。」
ユウマは静かに頷く。
「ルミエラ……ありがとう。」
そのとき、風が吹き、
ひとつの光がユウマの掌に降りた。
――ルミエラの声が、やさしく響く。
『あなたが選んだ“終わり”は、私たちの“始まり”。
どうか、この世界を……あなたの手で導いて。』
光が彼の胸に溶け込み、
新たな命の鼓動が響く。
「創造は終わらない。
でも、それを繰り返すんじゃない――“次”を創るために生きるんだ。」
リオンが笑う。
「おいおい、神様みたいなこと言うなよ。」
「神なんかじゃないさ。……俺は、ユウマだ。」
空に、初めて“朝”が来た。
天上界に夜明けが訪れる。
それは、無限の再創を断ち切った証。
ユウマは歩き出した。
新しい世界へ。
新しい人間たちのために。
――こうして、神々の時代は終わり、
人の時代が、静かに幕を開けた。




