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夢見た異世界に本当に転生したら、チートすぎるスキルを授かった件  作者: 海鳴雫


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第2話 ──異世界初陣 ― 創造スキルの真価

転生してから、どれくらい時間が経っただろう。

太陽が二つ昇る空の下、俺は草原の真ん中に立っていた。


目の前には、木製の看板。


『ようこそ、エルディア王国へ。東に冒険者の町フィルド、北に魔獣地帯ガルド平原』


……ああ、やっぱりテンプレ展開だ。最高だな。

異世界って、ほんとにあるんだ。


けど、のんびり感動している暇はなかった。

腹が減って死にそうだし、着てるのは薄いシャツ一枚。

とりあえず、試してみるか――俺のスキル。


「【万能創造】……発動」


声に出した瞬間、空気が震えた。

青白い魔法陣が俺の手のひらから広がり、

イメージしたものが形を成していく。


「鉄製の剣……防具……あと、パンと水!」


光が弾けた次の瞬間、俺の前にそれらが現れた。

手にした剣は、確かに重みがある。

水は冷たく、パンは温かい。

まるでゲームの中みたいだが、感触は完全に現実だった。


「……やっべぇ。本物だこれ。」


胸の奥で興奮が爆発する。

女神ルミエラの言葉は本当だったんだ。

“創る”ことができる。

それも、なんでも。


そう思った瞬間、地響きがした。


「……ん?」


草原の向こうで、黒い影が跳ねる。

目を凝らすと、それは――四足の獣。

毛並みが逆立ち、血走った瞳が俺を捕らえる。


【出現:レッサーウルフ Lv12】


視界の端に文字が浮かぶ。まるでステータス表示だ。

どうやら敵だな。

しかも結構デカい。牙の長さが人間の腕ほどある。


「……初戦がこれか。ちょっとテンション上がるじゃん」


俺は剣を握り、構える。

狼が唸りを上げ、地を蹴った。


――速い!


「っ……!」


本能で身を捻ると、爪が頬をかすめ、風圧で髪が舞った。

一撃でこれか。

だが、怖いよりも……楽しい。

俺の中の何かが、確実に目を覚ましていた。


「悪いな。俺、ちょっと試したいことがあるんだ」


再びスキルを発動する。


「【万能創造】――“炎のフレイム・エッジ”」


剣身が赤く光り、炎が巻きつく。

その瞬間、熱と魔力が指先から迸った。


「おおおおおっ!!」


渾身の一撃を振り抜く。

炎の剣が狼を斬り裂き、爆炎が弾けた。

耳をつんざく咆哮。

狼の身体は、灰となって風に消えた。


……静寂。


焦げた草の匂いが残る中、俺は剣を見下ろした。


「……やべぇ、俺、ほんとにチートじゃん」


震える手を握りしめながら、笑いがこみ上げる。

恐怖よりも、圧倒的な高揚感。

この力が、本物の“創造”なんだ。


すると、視界にメッセージが浮かんだ。


【討伐成功】

【経験値獲得】

【スキル進化条件達成】

【新スキル:強化創造エンハンス・クリエイト】を獲得しました


「……は?」


早すぎない? 初戦だぞ?


でもまあ、そういうのが“なろう”だ。

俺は剣を肩に担ぎ、空を見上げて笑った。


「いいね。チート、最高だな。

 さて――冒険者ギルドってやつ、行ってみるか。」


炎に照らされた大地の上を歩きながら、

俺の異世界生活が、ようやく本当の意味で始まった。

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