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八百万の神々と千年王国の竜  作者: 涼城 鈴那
氷の女王とドラゴンの山

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閑話

某日 ガイル邸


「どうだった?今日は何処まで行けた?」

戻ってきた取り巻き達にガイルの質問が飛ぶ、最近の日課がこれだ。


「役場通りの3つ目の路地までは大丈夫でした。」

「こっちは中央広場前の一つ目まで行けました。」

「俺は西区の雑貨屋まではなんとか、行けそうです。」

取り巻き3人が今日の成果をガイルに報告するが一人足りない事に気付く。


「おい、ギュンターの奴はどうした?」

「そ、それが奴はカラスの群れに髪の毛毟られて医者ん所です。」

「そ、そうか、髪の毛が・・・・気の毒になぁ・・・。」


マサキに『ヴィルトカッツェ』に近寄るなと言われ追い払われた後、一体どこまでが安全なのかを確認するための作業が毎日続いていた。

うっかり近づいて鳥の群れに追いかけられたんじゃ堪ったものじゃない。

ガイルの自宅は範囲外だったので何とか帰宅することが出来たが、経営している店の一部は鳥の勢力圏内で全く近づくことすら出来なくなった。


近づけない建物はもう手放すしかない。今までのシノギから半減して大赤字だ。

『ヴィルトカッツェ』のデルマも球根の取引も失うのは痛いが命には変えられん。

なんとか別の金儲けを考えないと、今後がヤバイ。



そんな折、ガイルの元に非合法の仕事を依頼に一人の男が現れた。

ヤバイ案件でまともなところには依頼できない為、ガイルの元へ来たという。

男はそのヤバい案件の依頼で身元がばれない様にする為か、その全身を灰色のローブで覆い隠し顔にマスクまでつけるという念の入れようだ。


内容は、近日中に北門の城壁の跳ね橋の昇降装置を壊してくれと云うものだ。

壊した後は依頼人の男が跳ね橋の修理の入札に参加し利益を得ると同時に、北門が使用できない事で発生する住民の不利益を利用して儲けようという魂胆らしい。


『夜陰に乗じるか、門番を買収すれば比較的簡単に出来そうだ。』

ガイルは男が提示した前金金貨100枚、成功報酬金貨100枚を前に即断した。


『しかし、世の中には俺よりあくどい事を考える奴がいるもんだぜ。』

ガイルは革袋の金貨を確認しながら、目の前の男を見てほくそ笑んだ。

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