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【2】助手席

舞台が現代に戻ります。主人公はノブ兄とともにある事件の現場へ向かうことに。

――ジャリジャリジャリジャリジャリ――


 夢の中、鈴音に驚くと、ガボットのメロディが流れた。目は覚めたが、頭の中はぐちゃぐちゃ。(何だ?)と思いながら時刻を見て――そうだ今日はこれから……。

 (とこ)を抜けパジャマの上にスウェット。そして縁側からソロソロソロ。明らみ始めた空を背に二十年ぶりの石段を。遠くで電車の音がした。

ここ衷然寺は、土地の高さが違う二つの町のちょうど境界上に建っている。高さ的には北側と同じ。しかし、門の向きのせいか、区域は南。その南を向くと、父の言葉通り街が見渡せた。

 池央工業発見。

 池央の他にも大看板三社発見。 あれ?

〈桃端セメント〉〈杉会商事〉〈菱丈建設〉

 どこかで……。

  池央・桃端・杉会・菱丈……

  池央・桃端・杉会・菱丈……

 何かを思い出しかけた時、サッシの開く音――母が起きた。ということは出て来てからもう30分だ。戻ろうとすると太陽と向き合った。曲がり角を過ぎた身にこれはキツい。慌ててフードを深被り。


 朝飯(あさはん)後、父は用事で出掛け、程なく庭に家紋入りのトラックが入って来た。

「おはようございまぁす」

縁側からいつもの元気声。丸藤造園の政さんだ。

「おはようございます」

母に続き私も顔を出した。

「よう、あや坊。調子はどうだい?」

政さんの眉がヒョコリ、ヒョコリと山型に。

「ちょっとぉ。もうっ」

 吹き出すと

「何笑ってんだよっ。女はハキハキ、愛敬が肝心っ」

大真面目顔でそう。が、

「徹さんその後どう?」

 笑いを堪え母が話しかけると、キリリは下向。

「ええ。もう動きたがって性がなくて。(はしご)一段外したくらいで腕の骨折るんだから結構ガタ来てるってお袋も言ってるんですけどね」

「でも腰じゃなくて良かったわよ」

「はい。一番痛がってたんでやったかと思ったんですが、腰は何ともで」

 と、また私にニヤリ。

「考えてみりゃ、あん時のあや坊は(うま)く転げたもんだなっ」

チョロ舌が出て引っ込んだ。

 政さんの言う『あん時』とは、小1の時のこと。政さんが離れた隙に、松にかけてあった梯から、傘を広げて飛んだ時のことだ。落ちたところを見た政さんは、松人間に見えた。それから政さんは『坊』付きで呼ぶ。呼ばれるたびに、自分を振り返る。

 丸藤の車がもう一台来た。

「こらぁ。どこ寄ってたんだよっ」

威勢を付け、政さんは若い()の方へ。母も私も奥に戻った。

 その後、私はどうしても確かめたいことができ、本堂へ急いだ。父が返る前に御本尊様の左奥の部屋へ。そっと戸を引き明かりをパチッ。目当ての棚まで行くと、骨壺を見ないようにして、上段に手をソロリ。


 夕方、珍しく二夜続きでノブ兄がやって来た。今朝は早出だったのか、それとも今日だけ暇なのか。でも、何にしても地方紙の事件担当記者が忙しくないのは悪いことじゃない。

「夕べ足元見えたの?」

和え物を分けながら母が聞いた。

「ええ、まあ何とか。でも、不思議な霧でしたね」

「不思議って?」

私も。

「道に出たらそうでもなくてさ。玄関入る時見たら、このお寺から向こうがずっと真っ白だったんだ」

「木が多いから?」

「まあ……水気は多いがなあ」

父も首を斜めに。

「そうそう、昨夜話した池央」

 こっちを見ながら言い出した。

「まだ事件性は微妙なんだが、社長から家族の捜索願が出されたって」

「捜索?」

「二週間前から連絡がつかないって。どういうことだかわからないので、警察が詳しく調べ始めてるって」

 連絡がつかない――なら、独り暮らしの子どもさんか、別暮らしの御両親か。念のため聞いてみると、「奥さんと娘さん」との返答。ということは、奥さんと娘さんは別暮らしということか。私が推し遊びしている間に食べ終えたノブ兄は、携帯を見ると帰って行った。


 それから三日後、日は高くあくびラッシュの時間帯に、仕事着のままで玄関に。

「これ、おばさんに渡しといて」

 手提げを持たせててクルリ。

「母さんいるけど。渡せばわかる?」

「ああ、頼まれてたんだよ。それじゃあ」

 おかしな臭いがした。

「ねぇ、どこかで犬とじゃれた?」

「犬ぅ?」

 呆れ顔で振り向いた。

「俺が朝出て来る時、ケンはまだ親父の部屋にいることは知ってるだろうが」

「うん。だからケンじゃなくて(ほか)の」

「……今日は朝から、ぬいぐるみの犬とだって縁はないぞ。(けもの)(しゅう)がするってことか?」

 そう言うと、袖や肩に鼻を付け犬仕草で出て行った。


 翌日、今度は父が()けの鐘を撞く時刻にまたやって来た。たまたま外にいた私は昨日のことかと思った。

「あれは、ちゃんと渡したけど?」

 すると

「そうじゃなくて」

と手元の紙袋から何かを。

「これ見てくれよ」

写真を渡して来た。

「見ろってどうして?」

「昨日あれからここ行ってさ。そうしたら、言われた獣臭がしたんだ。お前やけに鋭いとこあるからな」

 言われるままに目を通した。どれも建物や庭ばかり。全部見た後、気になった一枚をなんとなくもう一度。

「ここで犬飼ってた?」

「何で?」

「なんとなく一匹見えた気がしたから」

 ノブ兄は黙ってその一枚を指から抜いた。

「これどこの写真?」

「池央屋敷。サブが担当でさ。一緒だったから許可もらって撮らせてもらったんだ」

 そう言うと残りの写真も回収し袋に入れた。が、途中でつっかえ、入れ直しながらこう聞いてきた。

「その犬何だった?」

「うーん。セントバーナードだったと思う」

「あの遭難救助犬てやつ?」

「そう」

 コックリすると腕の時刻をチラっ。そして「サンキュー」と戻って行った。


 ところが翌日、朝飯を終えた頃また。少し驚く母たちに愛想良くあいさつし

「ちょっとお借りします」と、まだすっぴんの私を急かして車に。

「一体何? 夕べ連絡くらいくれればいいのにっ」

「ごめん。急に決まったんで。シートベルトしろよ」

 ノブ兄の車は初めてで、私はあたふたベルトを引いた。

「『決まった』って何がよっ?」

「ん、まあ行きながら話すから」

 車は寺門を左折すると橋を渡って市街地に。その後ガード下を抜け正面に森が見える所まで来た。

「ねぇ、どこ行くの?」

「写真の場所」

「えっ?」

「ちょっとの間、助手でいてくれ」

 写真撮りのアシスタント補充か。

「ここどこなの?」

「日十瀬町三丁目」

「あの森は?」

「護国神社」 

 車は右折した。平らな道。広い歩道。ずっと続くピンク色のハナミズキと高い塀。この町にこんな所が……。

「ここだ」

 目を向けた塀からかなり進んで停車。すぐに例の写真を出した。

「見えたところ、どこ?」

 指すと、そこに印を。

「これ着けろよ」

 帽子・ジャンバー・ネームカード・その他諸々をドサリと膝の上に置いた。

 

裏門らしい鉄門が押さえで半開きにされたところから、私たちは入った。行き交う人のひとりにノブ兄が何かを尋ね、その人が指差した先にサブさんがいた。

「ちょっと行ってくる」

 ノブ兄の背を見ながら私は塀側に。敷地のどこかで犬が狂ったように吠え始めた。なんて敵意のある鳴き方だろう。すると

「猟犬は檻にいるんだろうなっ」

「はいっ。鍵をかけ柵の向こうにっ」

こんな会話が聞こえてきた。だったらひと安心だ。人の行き来が一旦途切れ屋敷が丸見えに。プランターと積まれた土袋が見えた。

(ガーデニングの予定でも……?)

そこへノブ兄が戻って来た。


「行くぞ」

 バラを()け蜂を避け庭を抜けると、写真の場所に。やっぱり何かの飼育場だ。

「何が飼われてるの?」

「犬だ」

 三十帖はありそうだった。

「ブリーダー?犬は?」

スルーし人が集まっている方に目を。

「そろそろ始まるな」

「始まる?」

よく見るとカメラを持っていない。 

「何させに連れて来たわけっ」

責め口調になると

「掘るんだよ」

小声が来た。

「ここ掘れワンワン犬が鳴くってさ」

ヒソヒソ声が続く。

「ここでセントバーナードが飼われてたんだ」

「過去形?それじゃあ、今は――」

訊きかけると号令が聞こえ、作業服の人達が囲いの中へ。

「奥さんと娘さんがいなくなった頃から犬も――」

 ノブ兄の声が響き渡る声に消された。

「やあ、やってますねぇー」

 二階のバルコニーに人。真ん中のメガネをかけた長身の人が、拡声器を手に身を乗り出していた。

「あの人が?」

ノブ兄はコックリ。

「手がかりになるようなことは何でもやってくださぁーい。どんなことでも協力しまぁーす」

(何だろう、この声の張り)

「ねえ」

横を向くと、白目を見せた。


 しばらくすると旗が上がった。

「犬でーす」

するとまた

「ここで飼っていたセントバーナードでぇーす。そこに埋めてやりましたぁー」

の声。

「死んだのはいつですかぁ」

知りたいと思ったら、どこからか声が飛んだ。

「最近ですよぉー。娘がそこがいいと言うので、埋めてやりましたぁー」

 社長さんが下の方を見ながら答えているところを見ると、声の主は建物の近くにいるらしい。

「犬が死んだのは、娘さん達がいなくなる前ということで、間違いはありませんかぁ」

再度念を押された社長さんは

「そうでぇーす」

と答え

「かわいそうだから、すぐ埋めてやってくださぁーい」

と指示した。

 これを聴いてか、周囲がざわつき始めた。

(埋めなくていい) 

何となく思い、前を。

(愛犬をこんな所に埋めてやりたい?)

 飼育場が赤い池になった。

「犬、殺されたんじゃ―」

聞くなりノブ兄は携帯をいじり始めた。


 ひとり、またひとり。バルコニーにいた人たちが(なか)へ。作業服の人達は中央へ集まり、ひとりが建物の方へ走った。

「これで終了みたいね」

「どうかな」

「えっ」

 しばらくして、何かが運び出された。

「何?」

「犬だろう」

「だって『埋めてくれ』って」

またスルーした。


 陽射しがきつくなった頃、バタバタと周囲が動き出しノブ兄は私の腕を掴んで裏道へ。

「急ぐぞ」

 早足の後を小走り。車まで来ると、屋敷の前には規制線が張られていた。

 日十瀬町が遠ざかる。そのうち、変な臭いに気づいた。この前したよりもっと濃い、青草と犬臭の混じった、どこか覚えのある臭い……。遺骸のイメージが浮き上がる。

(見ないように……見ないように……) 

気づくと車は墓地横だった。

「サンキュー」

 それだけで、ノブ兄は戻って行った。出て来ないところを見ると母は留守だ。

「ただいま」

 引き戸を開けると本堂からの声が聞こえた。水だけ飲んで部屋の畳に。

(朝から何しに行ったんだろう……)

考え始めると、染み付いてしまったのか臭いが立ってきた。

(シャワー浴びないとっ)

しかし体が重い。まさか臭いに重さなんて……いや、ないないない。ところが

「重いのよ、犬だもの」

いつの間にかギィーが。

「犬って?」

起き上ると、真横を薄茶の大犬(おおいぬ)が。

「マ・・……」

口から飛び出た呼びかけに、犬は一瞬向いた。が、すぐタタタと行ってスー。すると、消えた辺りへギィーが飛び込み、コリ、コリ、コリ。

「ギィー今の何?、今何したの?」

 聞こえなかったようで、ギィーはチョチョチョチョとタンス脇へ入った。

(あーっ。もう訳が……)

見なかったことにして目を閉じた。

 うとうと後、さっぱりしてトーストをかじっていると、ニュースで池央社長のことが流れた。


 ノブ兄はあれからやって来なくなった。社長は黙秘しているらしい。

そんなある日、母が突然部屋へ来てノブ兄に連絡を入れろと言い出した。「今夜はノブちゃんの好きな凍り豆腐の詰め煮を作るから」が理由だった。

 面倒だから嫌だと言った。第一、暇ができれば呼ばなくたって来る。しかし母は怯まない。今度は「何かあったのかもしれない」と言い始めた。それならテルおじさんが言ってくる。少し来ないとこの騒ぎだ。再度嫌だと言ってふと見ると、廊下に父までいた。

 再三の拒否に、母は連絡は諦めた。しかし「どうしても今日作る」と頑張った。それで、非常に複雑な気持ちで共に台所に立つことに。

「呼ばなくたって。作れば来るわっ」

 しかし、時計はいつもの時刻を通過……。

「詰めてよ。届ける」


 ――ガラガラガラ――

「こんばんは」


 完敗した。


 上がって来た噂の主は「もしかして。今夜アレですか」と言いながら、嬉しさが極まったのか何とも間抜けた顔になった。それを見た母は極上の女神顔。

「いただきますっ」

 言うやいなや好物に突進する様は学生の頃のまま。見守る二人の目元もあの頃のまま。息子が欲しかったんだ――これだけ累乗増しっ。

 おしゃべりしたくて仕方ない母だが、そこは女神心。三個食べ終えるまでじっと待った。四個目にかぶりついてやっと

「まだ、黙秘してるの?」

「さっきから、話し始めたそうです」

 “ノブちゃん”が急いで飲み込んで、会話が始まった。

「身内の介入やその他いろいろあって……やっとって感じですね」

「身内? あの男、もう親もいないし。ひとりっ子だろう?」

父も加わった。

「本人はひとりっ子です。でも、義理の兄弟がいて、その人が圧力をかけて来たそうで」

「もしかして、桃端(ももはた)さん?」

ノブ兄はうなずいた。

「ああ、あそこは親戚か。桃端セメントの社長が。なるほど」

いつも突っ込む父が、やけにあっさり納得した。

その夜“ノブちゃん”は良く食べ良くしゃべり、父の相手もちゃんとして、持たせた包みを大事そうに抱えて行った。


 二日後。またやって来た。例の件が気になっていたので、食べ始めるとすぐ質問。

「ねぇ、何かわかった? わかったんだったら話してよ」

「ああ……うん」

そう言ってから少し間を。

 仕事柄言えないこともあるだろうが、連れて行かれた身としては聞かずにはいられない。

「共犯者がさ……今回は逮捕者が多いよ」

「どういうこと?」

 両親は素早く聞き役に。

「殺害は池央なんだが、隠ぺい工作は会社関係者。指示は幹部、実行は社員。家政婦も協力してた」

「家政婦? どうして」

「社員の家族だったからさ」

「本の元の素は何なの?」

どう聞いて良いかわからずこう言うと

「親戚関係になったことが、仇になったってことだろうな」

一言で済ませた。

「池央の奥さんは、『桃端セメント』の亡くなった会長の娘。しかも、兄の桃端社長と池央は友だちだ。奥さんと親しかった人の話だと、遊び人なだけだと思っていた池央に、実は子どもがいることがわかり、奥さんは離婚を考えていたそうだ。でも周囲は、会社としても池央本人としても、それは避けたかった。こういうことさ」

「計画的にだったの?」

「いや、たぶん突発だろう。ただ、池央を除き他は想定内だったんだろうな」

「それで、失踪にしようとしたわけ?」

「まあそう。池央は、あそこでは生活していなかったらしいし」

「ああ。だから二週間も後から」

「そう。ただ、そこに『俺は悪くない』式の細工をしたのさ」

 ノブ兄は下を向いて、木の芽をつまんだ。

「あの飼育場からさ、置き手紙が出てくることにしてあったんだそうだ」

「手紙?」

「まあ……『私も好きにさせてもらうわ』みたいな」

「それで、あそこ掘ること快諾したわけ」

「そう」

「それ、いつ出て来たの?」

「出て来てないよ」

 ちょっと話がわからなくなった。間を置いていると、ノブ兄の方から言い出した。

「手紙が見つかってたら、そういうことになるはずだった、ってこと。家政婦も、奥さんに男性の影をにおわせる話をしてたし。『犬の近くに埋めた』って言ってるから、直出て来るだろうけど。工作側としては、最悪の場合には飼育場にも手が入るから、万が一を考えて手を打った、ってことらしい。でも、たとえ掘られても、犬が先に見つかる確率は低いと踏んでたようだ。それがさ、真っ先にピンポイントだったわけ」

満足そうに言った。

「ねぇ、聞いていい? どうして、あの時掘るのを止めなかったの?」

 ノブ兄は、(たけのこ)を口にしながら

「それ程傷んでいなかったから。現状と池央の証言が合わなかった、ってことさ」

とグロい話をさらり。

「でも、どうして犬が……」

 私の顔をじっと見た。


「ねぇノブちゃん、それってもしかして、手紙が先に出て来たら〝事件〟にならなかった、ってこと?」

 母が参加して来た。

「ええ。可能性は高かったですね」

「社長、黙秘してたよね」

 違うことをもう一つ。

「よく、口を割ったな」

 父も入って来た。

「ええ。これも、工作側は想定外だったと思うんですが。たまたま捜査関係者が腰痛で病院に行って、そこの待ち合い室の会話を耳にしたのが、繋がったんですよ」

 三視がノブ兄に。

「救急車で入った人が、翌日専門病院へ転送された話だったそうです。患者はある会社の社員で、社長宅の犬の世話を頼まれ、誤って噛まれて運ばれて来たそうですが、怪我が酷く夜高熱も出たため、朝方移された、と、こういう話で。それが、池央の社員だったんです。社員本人は『ポインターに噛まれた』と言ったそうですが、歯型や爪跡が、見つかった犬と一致して。そこから動いたんですよ」

「忠犬だな。後で経でも上げてやろう」

 事情の解った父が言うと、母も二重丸の頷きを見せた。

 この事件は結局八人逮捕となった。


 そんなある朝、私はまた鈴音で目が覚めた。ふと見ると携帯が点滅。ノブ兄からメッセージが来ていた。

――池央が死んだ――

 犬殺しへの拘りがあったのか、私の中では何かがストン。でも、聞いた二人は――父は溜息、母は「あら、そう」のシオだった。

 五月晴れの日、なんとなくまた街を。一つ消えていた。



お読みくださりありがとうございました。次回はまた舞台が過去に飛びます。

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