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34話 賄賂

「さて…期末テストもおわったということで!叡智くん!どっか遊びに行きませんか?!」

「断る」

「即答…相変わらずバッサリ切ってくるねぇ…」

放課後の教室にて叡智が座ってる席の前で、叡智にバッサリと提案を切られたのは体育祭以来の叡智の数少ない友人(叡智非公認)である綱大輝と萩原渡瑠であり、その二人はがっくしと肩を落としていた。

何故叡智がその誘いを断ったのか…それは、彼らの目的が『叡智を遊びに誘う』以外にもあるからである。

「どうせ、あそこ三人と仲いいからだろ。そんで、自分のことを紹介してくれ、とでも言うんじゃねえの?」

「「うっ…」」

「図星かよ…」

叡智が向けた視線の先の葵、和泉、浪華の三人が談笑しており、叡智は視線を目の前の二人に戻した。

「分かった…紹介はしなくていい。だから、あそこの三人を遊びに誘う口実に使わせてくんないかなぁ?」

「一生の、いや、五生の頼みだから」

「「お願い!このとーり」」

そういって深々と自分の目の前で頭を机につき、周りの注目なんか知ったことかと言わんばかりに額を机に擦り付けていた。

「なにやってんの?惨敗した?」

その三人に話しかけてきたのはこの二人と同じく友人(非公認)の委員長こと越前直哉であり、手にはキンキンに冷えていると思われるコーラを持っていた。

「そうなんだよ~、委員長もなんか言ってやって!」

「おいおい…俺が叡智に弁論で勝てると思うか?」

「「「思わない」」」

「お前らぁ…」

委員長は綱や萩原、叡智にそう言われて、三人を睨み付けた。

「んまぁ、こいつらは表面上ではそう言っているが、お前と一緒に遊びたいだけなんだよ」

「紹介して欲しいのは本音だよ」ボソッ

「はいそこ、もう一つの本音漏らさない」

叡智は現在、葛藤を抱えていた。

その正体は自分が貴族 神谷家であることに起因する。

綱は代々警察官の血筋であり、彼の父親は現在の警視総監、越前は大手食品メーカーの会長の息子、萩原に関しては、清華七家の一家である萩原家の御曹司という名だたる人物たちなのだ。

だがしかし、彼らよりも高い地位に本来いる自分の正体がばれたときに不味いことになるのは目に見えている。

それ以前に、自分は彼らと本来関わるべきではないのだ。

(君たちの人生のためにもね…)

そう思いながら、ため息をついた。

「よし!分かった!交渉といこう!」

「…期待はしてないけど、どんな交渉?」

そういうと、綱は自分のスマホの画面を見せてきた。

画面を見た俺は目をぱっちりとあけ、椅子から勢いよく立ち上がりそうになった。

「有名スイーツ店のスイーツ食べ放題…どう?」

「乗ったぁ!!」

「よしきた!行くぞ!」

その後、食べ放題時間を過ぎるまでスイーツを食べあさった叡智は元から2倍ほどの量を食べ、経営陣が頭を抱える要因になることを今はまだ知らない




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