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26話 体育祭の決闘(2)

「よーしみんな!!このプライド勝負に勝って、女子を釘付けにしてやろうぜ!」

「「「おー!!」」」

クラスの学級委員である男子が声を上げ、それに共鳴するように何人もの男子が一斉に拳を掲げ、グラウンド中の注目を受けていた。

「では、我が軍の参謀より、今回の作戦を発表します。どうぞ!」

(…おいおい…まじか)

学級委員もといこの軍の大将から話を振られたのは他でもない、とても面倒くさそうに顔をしかめている神谷叡智であった。

何故そのようになったのか…それは今から一週間前まで遡る…。


「また負けだー!」

「どうすんだ!?このままだと本番でも負け確定だぞ!」

「早急に作戦を練らなければ…我々が女子にアピールする機会がなくなる!」

「「「うわぁぁぁ!」」」

授業が終わり、放課後へとなった後、男子だけが緊急で教室に居残り、作戦会議をしていた。

だが…まったく話は進まず、いい案も出ずで半分狂乱状態となっており、担任である平井先生が放任主義であることも拍車をかけ、叡智から見ればこの場は地獄絵図と化していた。

叡智としてはこの状況であることになんとも思わないと言えば語弊があるが、特に思うところはない。

なんなら高校生である以上、極々当たり前のことであると思う。

だが…ここで口を出さなければ叡智の負けであることを叡智はしっかりと認識していた。

(どうしたもんか…)

「神谷君はどう思う?」

「あ?」

急にパスを受けたため、そちらに意識を移す。

「そうだね…」

「何でも良いんだよ?もしかしたらトリガーになるかもしれないし」

叡智が悩んでいるように見えたのか委員長がフォローを入れる。

「あえて言うなら、大将がガンガン前に出て行くのは駄目だと思う」

「うっ…」

少し思うところがあるのか、痛いところを突かれたように声を出す。

「練習での結果を見る限り、時間制限での敗北というのはほとんどない。ほとんどが委員長が鉢巻きを取られて負けてる。つまり…」

「大将である俺が取られないように敵陣の騎馬をなぎ倒していくってことか!?」

「「「「なんでだよ!?」」」」

委員長は教室中から総ツッコミを浴び、少ししょんぼりとしている。

「つまり、騎馬をうまく使っていく必要がある。例えば…」

叡智は自席から立ち上がり、教卓の前に立って、チョークで黒板に書き始める。

「書いたのは騎馬戦を行う範囲の線に相手と自分の騎馬を丸としている。その中の一つ、この円を大将 委員長だとすると…」

丸の一つを赤いチョークでなぞり、うしろを向くと全員が姿勢正しく座っていた。

(男子の結束力ってこういうときすごいよな…)と叡智はつくづく感じされられた。

「大将に突っ込んでくる相手の騎馬を挟み撃ちで確実に取る。そして、その背後を他の騎馬でカバー。大将はできる限り他の騎馬が戦線をあげるまでは前に出すぎないようにする。こういった風にしていくと…」

そういった風に戦術や技術を教えていくうちに先日までの嫉妬の視線はどこへやら、現在にいたる。


「絶対勝つぞー!」

「「「うぉぉぉ!!」」」

再びグラウンドに轟く男子らの咆哮はグラウンド中の生徒、教師問わずほとんど全員に盛り上がりを助長していた。

「よろしく頼むぜ!委員長!」

「おう!お前らも頼む!」

クラスの男子から励ましの声がかかり、また委員長もクラス中を鼓舞していた。

「よろしく。神谷」

「あぁ、よろしく委員長」

叡智は他の2人と協力し、委員長を持ち上げ、委員長の方を少し向いて言葉を交わした。

「ちょっとちょっと!俺たちもいるんだけど!?」

「二人が戦犯かまさないように僕も頑張るからさ」

叡智の後ろで委員長を支える二人の男子、つな 大輝たいき萩原はぎわら 渡瑠わたるが割って入った。

この二人は叡智がテストで一位を取ったとき、真っ先に叡智に話しかけ、それ以降何かと葵や和泉らの次に絡んできており、このグループになったのもこの二人の働きがあったためである。

「んな戦犯なんて起こさねーよ、さて…やるぞ」

叡智は脇目に委員長の決意を固める顔を見て、何かを感じ取った。

「第一陣開始!」

そう体育教師の声がかかるとともに太鼓のドン!という音が響き、騎馬戦第一回戦が始まる。


作戦会議時のこと…

「まずこちらの布陣としては三角形をつくるように配置する。騎馬の数は6、大将を相手から一番離れたところに置き、そこを頂点としてもう二つの頂点を相手側真っ正面に置き、各辺に一騎ずつ配置する。」

「それだとその相手側と面してる三騎が取られるんじゃないか?」

「まぁ待ちなよ。この布陣のいいところは変動しやすく、サポートができるという点だ。まず…こちら側から見て左側に相手は騎馬を固まらせていて、向こうはこっちが一気に全部が攻めてくると思っている。そこで、左に三騎集めてそちらに意識を裂かせる。このとき、できる限り、この三騎でサポートしあうことで相手に点を取らせないようにしてくれ」

「りょうかーい」

調子よく返事するのに対し、叡智はすこしにこっと笑い、頼むぞといわんばかりの視線を向ける。

「そのすきに反対側の三角形の頂点になるところから相手の大将や、その他への攻撃を行う。そうすると、相手側は手が回らず、自動的に陣形が崩れる。そこをすかさず追撃、先に攻めた三騎から残った騎馬を反対から攻め込ませ、戦線を上げ、最後は…」

「「大将の首を取ってチェックメイト」」


騎馬戦決勝試合の終了の太鼓の音が鳴る。

自分たちの騎馬が相手の大将の鉢巻きを手に握り、味方側に掲げていた。それは…我々1-Aの優勝が決まったことを指し示していた。

太鼓の音とともに周りから大きな歓声が湧き上がる。

試合は叡智の事前の指導や作戦によって合計4回にもわたる試合のほとんどで相手は自陣の陣形を崩され、こちら側の騎馬を削られず、完全試合となる試合も中にはあるほどだ。

「神谷ー!!まじでありがとー!!」

「今までうさんくさいやつだと思っててごめーん!!」

「はいはい…ありがとう」

クラスの男子から賞賛の嵐を浴び、すこし疲れを感じさせる笑顔で返事をした。

「委員長もありがとー!!」

「いやまじであんたらがMVPだよ!俺たちが取られたときサッと2人まとめて取っていったの流石の俺も惚れるわ!」

「いやいや~!それほどでもあるかな~!なんて!」

照れているのを隠すように胸をはって自慢げにいい、誤魔化した。

「神谷、ありがとう」

「どういたしまして。チームの勝利に貢献できてよかったよ。でも、やっぱり委員長のおかげだと思うよ。ありがとう」

自分の方を改めて見て、そう言う委員長に謙遜し、委員長を立てるように叡智は言った。

「別に委員長でもいいけどさ。どうせなら名前で呼んでくれよ。俺にも越前えちぜん 直哉なおやっていう名前があるんだからさ。俺も叡智って呼ぶから」

「委員長は委員長で固定されてるから難しいかな?」

「は~!?ふざけんなよ!」

そう冗談を言う叡智に越前も笑いつつ、文句を言った。

「おいおい!また俺たちをのけ者に!」

「いい加減僕たちのことを誘ってから話し始めるようにしようよ!」

「それはお前らが話に入ってこないのが悪い!」

「「なんだそれ!?」」

そんな彼らの会話を聞いていると、叡智は…自分が惨めになる。

(未だに彼らを信用できない自分に腹が立つ。まだ…)

そのとき、叡智の頭にノイズのように何かの場面が浮かび、それとともに目眩を起こした。

「おい、大丈夫か?」

「大丈夫…ただの立ちくらみだ」

「熱中症かも知んねーぞ。ちゃんと水分取れよ」

「ああ…」

叡智は自分より先を歩いて、テントに向かう彼らを見て、何故か安堵した。

(彼らは…本心からあれが言えるのか…)

叡智は久々に心の底からの笑顔を浮かべる。

自分もテントに帰ろうと歩いていると、「ちっ」と舌打ちのような音が後ろから聞こえ、後ろを振り向くもそこにはなにもいない。

気のせいかと叡智はテントに帰って行った。

いつも貴族事変を呼んでいただきありがとうございます。

3ヶ月ほどでキャラクターの性格がちょっと変わってしまっていることに違和感をもつ方もいらっしゃるとは思いますが、そこは彼らが学校生活に慣れてきただけと割り切ってもらえると幸いです。

今回の体育祭編が終わったら、藤原葵のキャラクター設定などを投稿しようと思います。

あと、感想やいいねなどしてもらえると私としても活動の励みとなりますので、よければしてもらえると嬉しいです。

(あと、誤字や文がすこしおかしいなどあれば言ってもらえると、修正しますのでご報告お願いします)

文才がそこまでないながらも頑張って投稿していくので、これからも読んでもらえると幸いです。



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