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第14話『素早き者』

絶望先生に更新しろって言われたので更新。

とてつもないほど大きな城、そこに住むのは悪魔か、それとも神か……。

いいや、どちらでもない。薄暗いその城に住むのは魔王と呼ばれる存在……この世を手中に収めようとしている者の城だ。


その城のとある一室で気障っぽい表情を浮かべる魔王の姿があった。


「ううむ、勇者に会いにいくのはいいが、服をキメられんな!」

「魔王様、いつもの黒ローブでいいんじゃないですか? そういや黒ローブ着てるのにどうやってトイレで大―――」

「企業秘密に決まっておろう! さてはスパイだな! 死刑!」

「魔王様ぁぁぁああああ!!」


とりまきAは死んだ。


衣装がたくさん並べられていて、それを見て魔王は悩んでいた。

勇者に会いにいく服がない。


「……ううむ、どうしようか」


悩み、ぐだぐだしてきたところで部屋の扉が開かれる!

そこには一匹の魔物の姿があった……。


「お、お前は……もしや!」



~ 勇∥者 ~



成金趣味な馬車に揺られて数時間。

魔王城はなんか勇者歓迎中とかいうドン・ヨークさんの言葉の通りに魔王城へ向かっていた。

この馬車を運転しているのはドン・ヨークさんだ。


「なんとこの馬車は海の上でも走れちゃうんですねー」

「そりゃあすごい、お前運転して魔王城までいこうぜ」

「もうすぐ旅も終わりかー」

「金!」


という流れもあった。最後は意味がわからない。

ドン・ヨークさんも最初は断っていたのだが勇者(男)による「世界の資産はすべて勇者のものだ!」という言葉に心動かされたらしい。

思いっきり魔王っぽい台詞なんだけどなぜか似合っていた。


「って、僕の意見ガン無視でここまできましたよね!?」

「ん? お前が馬車でいきたいって言ったんじゃなかったっけ?」


結構広い馬車の中で言う勇者。

ふざけんなって言いたい。


「いやいや、言ったのは「金!」でしょ?」

「金は言葉をしゃべりませんよ。ってなんでメイド服着てるんですか悪魔さん!?」

「いや、金もらえるって」


ドン・ヨークさんを指さす悪魔。

ふざけんなって言いたい。


「ち、ちょっと待ってくださいよ! ほら、魔王城を守る四天王とか戦わなきゃいけないんですよ!? それなりの準備とか……」

「四天王なら魔王城の門の前で四人とも泡を吹いて死んでいたって聞いていますよ」


えっ?


「遺言かわかりませんが、地面に『くさい……』と書かれていたそうです」

「さすがは貪欲さん! 頼りになるね!」

「ドン・ヨークです」

「貪欲でしょ?」

「はい」

「じゃあ貪欲さんだ!」


いや、それは性格の話じゃ……ってなんではいって答えちゃうかな!


しかし、くさいと言えば……魔王様のこと……?

ならば魔王城に入るために必要なアイテムが一つある。


「消臭玉……勇者様! 消臭玉がなければ魔王城に一歩たりとも近づけませんよ!」

「ほお、どういうことだ?」

「ふん……あそこはクサイからな。ニオイを消すことのできるアイテムがなければ近づけないというわけさ」

「そういえば、魔王城に挑戦した者たちは全員鼻をやられて故郷に帰ったと聞きますねー」

「じゃあ消臭玉がないと入れないってわけだね。どうする?」


考え込む勇者二人。

僕と悪魔さんは臭いに耐えられるだけの耐性(魔物として)あるので関係ないが、この二人はやはりどうしようもない。


「勇者様、でしたらこのドン・ヨークにいい案があります」

「ほお、言ってみろ」

「金で買えばいい!」

「オオ! 名案だな!」


魔王城の結界(臭い)が金で突破されようとしている!

これはまずい、何がまずいってここから先全部金で解決しそうで怖いところがまずい!


前回なんて成金奥義とかいって札束撒いてたし!


「勇者様! そ、そんなことしなくてもいいんじゃないかなー?」

「ん?」


少しくぐもったような勇者の声。

え、なにそのマスク。


「いや、勇者たる者ガスマスクは常備してるもんだろ、な?」


勇者(女)のほうもしっかりとガスマスクをつけている。あれ、消臭玉のくだりは!?

気づけば僕以外の者は全員ガスマスクをつけていた。


「って、僕もいつの間にかガスマスクをつけていただと!?」

「はっはっは! 突撃じゃー!」


……ここから魔王城まで一週間はかかりますよ?

え、その間これって。



凸 魔王 凸



「ふふふ、なるほどキサマか。久しいな」

「……」


何を考えているのか、それをうかがわせない表情。

魔王にとって気になることではないらしい。


「てっきり、海に沈んて死んでいると思っていたが……メ○ルスライム!」

「……」


ビュンッ


風をきる音とともに、魔王の隣へ並ぶメ○ルスライム。


「……」

「ふっ、我のでる幕でないと? いいだろう、今は……お前に任せるとしよう」


部屋からでていく魔王。

残ったメ○ルスライムはゆっくりと前に進む……と同時にその重さに耐えきれなかったのか床が抜ける!


落下し……天井、床を突き破り魔王城の地下へと落ちていくメ○ルスライム!

ついに伝説の悪魔の封印されていた棺桶を……破壊しさらに沈む! そのまま地面に埋まってしまったメ○ルスライム。


「うわやべぇこれどうすんの」


メ○スライムがしゃべった。



腕が落ちている……な、これ。

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