↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/225

お互いの秘密を話してみる

兄ちゃんに呼び出された日の晩、俺とネルは少し真面目な雰囲気になっていた。


「スキルの事を話す前に一つ、実は俺も結構面倒な秘密を抱えている、それを聞くかどうかネルが判断してくれ」


「ん、ついでだから私も話す」


 ついでて、まぁいいか。 


 ということで、俺はネルに異世界から来た事、俺のスキルはGMからの派生の様なもの、GMの所為で城から追い出された事を話すことにした。


「アキは勇者様?」


「一応そういう事になるのかな」


 指名手配書を出して、ネルに見せる。


「これは俺だ、ネルには違うと思うだろう」


「ん、似てる気がするけど違う人、断言できる」


 一旦効果を消して再度見せてみる。


「あ、あれ?アキ?間違いない、そっくり」


「以上だ、俺も使い切れているわけじゃないが、あまり、というか絶対に変な事に巻き込まれそうだから隠しておきたい」


「ん、わかった、アキを城に持っていったら白金貨2枚、遊んで暮らせる」


 連れて行かないでね?


「じぁあ次は私。 私はシェセプ・アンク。 

 アキは知らないだろうから説明すると、砂の国のシェセプ王国の王族と同じ。

 これは王家だけがいる種類、つまり私は隠し子?」


 お、おう、そっちもそっちで、かなりの秘密だ。


「スキルは回復再生、傷も体力も回復する、病気も治る、これもシェセプ・アンクの特徴」


 だから疲れてるところを見た事がなかったのか、一度だけ倒れてるのを見たのはMPがなかったんだろうな。


「お互い大変だな」


「アキは自業自得」


 いや、まぁ、そうなんだけど。


「アキ、それ私にもできる?」


 俺の指名手配の紙を指差す。

 多分さっき見せた効果を言っているんだろう。


「出来ると思うが、どうする?」


「猫獣人でいい」


「わかった、ほかになんかあるか?スキルなんかも獲得できるぞ?」


「今はいい、MPが足りない」


「MP無限なんて事もできるが」


 その一言でネルが宇宙猫になってしまった。


 しばらく放置してたらハッと意識が戻り、ネルが俺に迫ってくる。


「アキも私と同じスキル取って、無限頂戴」


 なにか怪しい笑みを浮かべた後、そんなことを言い出したが、言われた通りにスキルを獲得すると、徐にネルが服を脱ぎ捨てて、襲いかかってきた。

 馬乗りになった状態なので、逃げられそうにはない。


「文字通り朝まで寝かせない」


 本当に朝日が登っても眠る事が許されなかった。


 シェセプ・アンクって確かスフィンクスの事だったよな、人を食うって有名な話があるし、肉食なのは合っていた、かな。

 

 ガクッ…。


 -----

 

 昼頃に目覚めて、俺たちはギルドに向かった。


 ネルはまだ不安なのかフードを被っている、検証というか、解消のために銀の砂の人達を探す事にした。


 あの人達は砂の国出身って言っていたから、シェセプ・アンクを知らないはずはない。

 もしバレても大丈夫そうな人だし、最悪GMで記憶を消すつもりだ、できるかはわからないけど。


 銀の砂の人達がギルドで昼食を食べているのを発見する。


「少しいいですか? 相談したい事があるんですが」


「お?いいぞ、なんでも話してくれ」


「その、あまり知られたくない話なので」


「わかった、ギルドに部屋を借りれるか聞いてくる、食べ終わるまで待ってくれるか?」


 ギルドの部屋を借りると、早速本題に入り、ネルがフードを取ると真っ先にメグルさんがネルの元に駆け寄り抱きしめた。


「ネルちゃん可愛い!!やっぱり獣人だったのね!懐かしいわ!お友達にいたのよ!スゥーハァー…」


「えっと…そういう事を相談したいのですが」


「すまない、直ぐに引き離す」


 -----


「なるほど、ここら辺では獣人は珍しいからな、でもそこまで隠さなくても大丈夫だと思うぞ?他の国と違ってカルガンテは比較的安全だからな」


「そうですか、それではもう一つ、獣人が危険な国を教えてもらっていいですか?今後の参考にしたくて」


「構わないさ、それくらいお安い御用だ」


 あらかじめ用意していた別の相談事をして、怪しまれない様に切り上げた。


「それでは、ありがとうございました、また機会があれば合同で依頼でも行ってくれると嬉しいです」


 部屋から退出しようとすると、メグルさんが行手を阻む。


「ネルちゃん!私たちは獣人に偏見とかないし、他の街でも後ろ盾になれるわ、やっぱり私たちのパーティーに加わらない?」


 ネルの両手を掴み再度勧誘をする。


「無理、アキも問題がある、でも、ありがと」


 メグルさんがあからさまにしょんぼりして、ネルの両手を手を離す。

 

「問題なかったろ? これからはフードを外して歩けるな」


「まだちょっと不安だけど、GMは凄い、もしかして拐われる心配もない?」


「そうだな、野営する時も見張り要らずだ」


「それは便利」


 ネルの笑顔を見ると、GMの事を話して良かったと思う、もしかしたら相当苦労して今まで生きてきたのかもしれない。


 俺たちは掲示板の前に立ち、昼からなんの依頼をしようかと見ていると、また兄ちゃんから、お声がかかった。


 なんかしたっけ?


「そう警戒するな、ただの書類関係だから名前を書いてもらうだけでいい」


 カウンターに出された書類の内容はCランクの一部の依頼を受けていい、というものだった。


「君たちをダンジョンに入れるために必要でな、ダンジョン意外にも簡単な依頼は頼むつもりだから、そのつもりでいてくれ」


 つまり罠か、俺はダンジョンには行かないぞ!サインなんかしてやるか!


「そうだな、面白い話をしよう。

 ギルドは名の上がりそうな冒険者の身辺調査をする、君たちも候補に上がっていて、ちょうど今君の調査をしているところだ。

 明日にでも調査は終わるだろうが、少し気になる事があってな、君が冒険者になった日の前の情報が一切ない。

 入国した形跡すらだ、おかしいと思わないか?私はもう少し調べたい気分だ」


「すいません、名前書きます」


 GMで安全だとは思うが、兄ちゃんなら答えに辿り着きそうでゾッとしてしまった。


「賢明な判断感謝する。 

 私も君個人を調べるためだけに無駄金を消費したくは無いのでな、罪人でなければ冒険者ギルドは誰でも歓迎する」

 

 心臓を鷲掴みにされた気分だ。


「アキ大丈夫?」


「大丈夫だ、俺がGMに慣れてないから起きた事だから夜にでも見直すよ」


 俺は小声でネルにそう返した。


 それからは適当な依頼を二人でこなして、宿に帰った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。