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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

隔離

作者: Oz

              たらららったらー。

             おめでとうございます。

貴方がた三名様は、この世界の隔離政策法 第11条に記載された無差別隔離者に該当します。

         さあ、この扉を30秒以内に開けてください。

            未知の旅へ、レッツゴー!!


ある昼下がり。学校の昼休み。君は屋上で愛しの彼と昼食をともにとり、僕はそんな君を遠くからそっと見つめる。

いつもの光景。


その、新政府の印がついたドローンが、耳障りな羽音を散らして僕らに電子音のメッセージと共に、銀に光る怪しい扉を届けに来るまでは。





嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い


子どもみたいにそんな単語を繰り返す君を見つめる日々。


あの日から世界の隔離を受け、二人きりで生きてきてはや十年余り。


それでもあなたが僕に抱く思いは変わらない。


憎しみよりの嫌い。でも、憎いとか大嫌いとか言わない君が好き。


そこまで壊れても、人を気遣えるあなたが好き。


壊れた君も美しいけど、何がいけなかったのかな。


あなたの耳元で毎晩骨を削ったのがいけなかったの?


君を見るたびに動物みたいにまみれたのが駄目だったの?


あなたの身体を僕だけが愛せるように作り替えたのがいけなかったの?


君の髪を整えたつもりだったけど失敗したのが駄目だったの?


あなたの滑らかな肌にきれいな模様を描いてあげたのが気に入らなかったの?


それとも、君の愛する人を目の前で壊してしまったのが、君に嫌われる理由なのかな。


あの時のあなたはひどく取り乱して僕に縋りついて涙を流して、可愛かったなあ。


自分の一部が同じ運命を辿ったら、君はあの時のように僕を縋ってくれるのかな。


その手、僕を拒む手、この空間を抜け出そうと壁を引っ搔く手。


その足、僕をける足、この空間を抜け出そうと歩き続けてる足。


いらないね。


あんなに嫌がっていたのに、今は虚ろな目をして愛する人を自分の糧にする君。


その薄っぺらい良心を、吐き気がするほど愛しているよ。


あんなに悲しがっていたのに、今はもう枯れ切った君の涙腺。


その貧弱な気持ちとからだを、喉に指を突き立てそうなほど愛しているよ。


あんなに僕を嫌い嫌いと言っていたのに、もう乾いた呼吸音しか出さない君の唇。


そのカサカサに乾いた血色の悪い駄肉の塊も、全部君だと思って愛してるよ。



だから、君を僕に頂戴。


そんなに自分をないがしろにするのだったら、


そんなに自分の生を悔いるのだったら、


そんなに自分が嫌いで仕方がないのだったら、


僕に預けてよ。



そうして君が、また泣きながら僕に縋る日を僕はまた待つから。


今度の生は、もう少し彼と長続きするといいね。


君の涙がもう少し潤うといいね。


君の唇がもう少し喋ることができるといいね。


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