魔導師との戦い 4
オリビアは烈火との戦いの中で急速な成長を遂げ、烈火を圧倒していた。
烈火との戦う前の予測ではオリビアの方が若干不利だと読んでいたけど、ここまで圧倒的だとは予想外だった。
オリビアが急成長している原因はよく分からないが、私との契約が原因なのだろう。
「ぐっ、俺の身体は人族はもちろん身体強化が得意な魔族ですら軽く凌駕出来るスペックがある、だがそんな俺を圧倒する貴様のその身体能力は異常だ……、貴様は俺たちと同じ造られた神造生命体か?」
「何を言ってるか分からないけど、私はトレーニングを頑張った普通の人族。」
「……貴様みたいなのが普通の人族なら世界は人族が支配しているぜ。」
確かにオリビアは私と契約した以外は、普通の家庭に産まれたちょっと才能のある普通の人族かもしれないけど、今のオリビアの身体能力は普通の人族とはかけ離れてるかもしれない。
「お姉さんも優勢みたいですね。」
「なっ、アイツに勝ったのか?」
「アレスくん?」
アレスくんは向こうの戦いが終わったのか、ぼろぼろな姿だけどこちらに向かって歩いてきていた。
そして、アレスくんの右手にはローブ姿の女性がぐったりとしていた。
「予想外に強かったので本気を出しすぎてしまって瀕死にさせてしまいました。それに僕の余力はあまり無いのですが……お姉さんの加勢は大丈夫そうですね。」
「アイツは勇者対策は完璧だった筈だ、それなのに何故だ……。」
アレスくんはローブ姿の女性を烈火の近くに投げる。
「僕は特別な勇者ですから加護の数は普通の勇者の数十倍もあるんですよ。まあ、まだ成長期ですから本来の力は出せていませんがね。その女性はまだ死んではいません、女性を連れて撤退するなら僕は追う気はありません。」
私としてもこのまま二人が徹退してくれたら助かるなと思う。
このまま烈火と戦い続けたら、どちらかが死ぬまで戦いが終わらないかもしれないからな。
「なるほどな……加護の数が数十倍なんて聞いたこと無い、規格外の勇者なんだろうな、だが勇者にしては俺たち魔導師については勉強不足過ぎるんじゃないか?」
「勉強不足? どういう意味ですか?」
「こういう事だよ。」
ズボッ、ブチブチ
「なっ!? 仲間になんて事をするんですか!」
烈火はローブ姿の女性の胸に手刀を突き付け、体内から管が沢山付いた珠のようなものを引きちぎりながら取り出した。
「俺たち魔導師にとってお互いはパーツの様なものなんだよ。そして俺みたいな超体改試作タイプが魔導試作タイプのコアを取り込んだらどうなるかを教えてやるよ。」
烈火はそう言うと珠を丸飲みした。




