魔導師との戦い 3
オリビアは烈火からの攻撃を紙一重で回避していた。
「くっ、ちょこまかと!」
烈火の放つ攻撃は巨大な剣だけに攻撃パターンが読みやすかった。
普通の冒険者ならば烈火の速度に対応出来ずに瞬殺されそうだが、オリビアには身体強化【極】の他に優れた動体視力があるので問題なく回避できていた。
「そんな攻撃は当たらない。」
「ぐおおっ!」
烈火はさらにスピードを上げて斬りかかってくるが、オリビアはそれも全て回避する。
しかし、別の問題も発生していた。
それはオリビアの殴りが烈火にあまり効果が無かったことだ。
これでは永遠に決着がつかなそうだが、オリビアが一撃でも烈火の攻撃を食らっただけで大ケガをしてしまいそうな威力だった。
『ゾディア、どうしよう? ダメージを与えられない……』
『こんな事なら魔導掌を練習させておけば良かったかな。』
魔導掌は魔導斬の殴りバージョンなのだが、まだ魔導斬も完璧ではなかったから魔導掌はさらっとしか教えてなかった。
『魔導掌なら倒せる?』
『それは分からないけど、今の強化しただけの拳よりは効果があるはずだけど、教えている時間はないかな。』
『試してみる。』
『えっ? 戦いのなかで試すの?』
『うん、頑張る。』
烈火の攻撃を回避するだけでもなかりの集中力が必要なのに、さらに魔導掌を使えるように集中するとオリビアは考えているようだ。
『回避を最優先で出来るときにだけ攻撃する様にね。』
『分かった!』
本来なら危ないと止めさせたいところだが、これしか無さそうなので私はオリビアを応援する事にした。
「くそっ、何故当たらないんだ!」
ドスッ! ヒュン!
ドスッ! ヒュン! ヒュン!
最初は魔導掌とはまるで呼べないレベルの攻撃が次第に精度が上がっていき、ダメージ量も上がっていった。
ドスッ! ヒュン!
ドスッ! ヒュン! ヒュン! ドスン!
「ぐっは……」
契約前よりオリビアの成長速度が劇的に上がっていないか?
契約前のオリビアだったら戦闘中に魔導掌が実戦レベルになることは想像出来なかったのに……
ドスッ! ヒュン! ヒュン! ドスン!
「ぐっ……何故だ……」
「どう身体を動かせば良いかが分かるようになってきた」
オリビアは急速な成長を遂げていた、そして遂に完璧ではないが魔導掌が綺麗に烈火の腹に突き刺さった。
「ぐはっ……こ、この強さ、貴様は人族じゃないだろ……」




