ダンジョン攻略 4
オリビアが試練のダンジョン1階を攻略し始めてから1時間ほどが経過していた。
試練のダンジョンの1階は私が探索した結果、そこまで広くはないのがわかっていたけど、オリビアがスライムに対して魔導斬で倒しているので予想以上の時間がかかっていた。
通常なら魔導斬みたいな魔力と精神力を大量に消費する大技を乱発すれば、すぐに倒れてしまうのだけど、そこはオリビアのスキルによりほぼ無制限に使うことが出来ていた。
それに乱発する事で徐々にだがオリビアの使う魔導斬の発動スピードが速くなっていた。
『大分魔導斬のスピードが速くなってきてるからいい調子だよ。』
『やったぁ!』
『でも油断はダメだよ? あと仮に魔族とかに遭遇しても魔導斬はまだ使わない方がよいかな。中位魔族なら問題ないかもしれないけど、上位魔族に対しては致命的な隙になりかねないからね。』
『分かった。 上位魔族って強いんだね。』
『うん、冒険者組合にいた勇者まがいのおじさんが中位魔族レベルにギリギリ届くかってレベルだから、人族に比べたら魔族は強いね。』
『なら人族はなんで魔族に滅ぼされないの?』
『それは人族に勇者や英雄って呼ばれるぶっ飛んだ強者がいるからだよ。』
『勇者は分かるけど、英雄って?』
『ああ、英雄ってのは神々が作った伝説の武具を扱える人族の事を言うんだけど、昔はあまり人数がいなかったかな。』
『なんで?』
『神々が作った伝説の武具って、使う人を選ぶ上にリスクがあったりするから、英雄は短命になりやすいんだよね。その代わり勇者よりも一撃は破格の性能だったかな。』
中には伝説の武具に取り込まれた英雄がいたり、自我が崩壊して狂戦士になってしまったのもいたかな。
『いろいろあるんだね。』
『あと、私が生きていた時代にはなぜか魔族と人族などが共闘して私を攻撃してきてたかな。まあ、全て返り討ちにしたけどね。』
『やっぱりゾディアは凄いんだね!』
オリビアから凄いと言われるのも良いものだなと思っていたら、後ろから男の声が聞こえてきた。
「あれれ? 魔導の気配を探ってダンジョンにまで来たのに君のいる場所で魔導の気配が途切れちゃてるね?」
話をかけてきた男は黒いローブ姿に黒い仮面をつけた白髪の見た目だった。
魔導の気配?
もしかして私を探っている?
「誰?」
「君に名乗る必要は本来ないのだけど、まあいいか。 僕の名前は試作タイプ286号、風牙だよ。君は魔導について知ってるかな?」
試作タイプ……
見た目は人族の男だけど、この男からは危険な感じがするな。
『どうしよう?』
『魔導については知らないって……』
「黙っちゃうって事は当たりかな? 君は魔導を知ってるね? 君はなんで魔導を知ってるのかな? 現代で魔導を知ってるのは僕達、魔導師か当時の生き残りだけのはずだけど、君はそのどちらでも無さそうだ。」
「……」
「という事は、君は僕達が探している魔導書を持っている可能性があるね?」
この男は魔導師と名乗り、更にはオリビアが魔導書を持っている事まで言い当ててきた。
この男はいったい何者なんだ?




