身体能力計測テスト 3
ステイル・ドラスくんが走るのをクラスメイト全員が見つめていた。
私が思っている以上にドラス家は有名みたいで、クラスメイトの中には「ステイルならアレスに勝てるかも……」って言う子もいた。
「それではステイルくん、走って下さい!」
「おう!」
ステイルくんが走り始めた。
『あっ、速いね。』
『うん、予想以上に速いかも』
ステイルくんはどんどん加速していき、一気にゴールした。
……結果は、4秒55。
「くそっ! 勝てなかったか!」
ステイルくんは、あと一歩アレスくんに届かなかったけどステイルくんのスピードも速かったな。
それからクラスメイト全員の50m走が終わったのだけど、予想外というかオリビアの順位は真ん中位だった。
私が予想していたよりもクラスメイトの身体能力は高いのかもしれない。
1位はアレスくん。
2位はステイルくん。
3位はレムさん。
レムさんは魔法の名門バーン家の娘と言うから、身体能力は普通かなと思ったけど、女子の中ではトップクラスのスピードだった。
そう言えばレムさんは学力もかなり高かったな。
体力的な問題もあるけど、スピードだけで言えばクラスメイトの上位陣は街の警備していたおじさん達よりも優れていると思う。
『結果的にオリビアの順位は平均だったから計画どおりに終わったのだけど、オリビアは本気を出したかった?』
『私はこのテストの結果は気にしないよ。私の実力はゾディアがわかってくれてるから』
『そうだね。オリビアの凄さは私が一番理解してるよ』
オリビアの本来のスピードだけで言えば、勇者の数倍は速く走れるはずだ。
エサーナ先生が次の計測する準備をしている間、アレスくんが話しかけてきた。
「オリビアさん、ちょっと話を良いですか?」
「うん、大丈夫。」
「先ほどの走りに違和感があったのですが、もしかして本気では走っていないのですか?」
「わかる?」
「はい。空回りしている様な印象を受けましたから、もしかして私より速いのでは?と思いました。」
「私はあまり目立ちたくはない」
「なるほど、確かに勇者である僕に勝ってしまうと嫌でも目立ちますからね……、それでは秘密にしておきましょう。」
50m走の身体能力計測テストが終わったあとは球投げというテストをやるみたいだ。
球をなげる事で身体能力を計測するらしいけど、これもオリビアが得意なテストだなぁという印象だった。
「これから球投げというテストをしますが、かなり重たい球を投げるの注意してください。あと投げる場所もライン内にしてください。」
球投げに使われる球と地面に設置されているシートは特殊な魔法具を使っているみたいで、球を投げる事で握力や全身の筋肉量や瞬発力を計測出来る便利なものらしい。




