魔力不全
オリビアとガブエルは学院へ向かう途中でローラ様と一緒に行くことになった。
「ローラは何で気絶してたの? 病気?」
「分かりません。生まれた時は健康だったみたいですが、成長するにつれて気絶したり高熱が出たりとしたらしいです。ですが最近は傷を治してくれる奇跡の温泉のおかげで体調も良かったのですが、油断しました」
「奇跡の温泉?」
「はい。グランザリア付近で発見された温泉なのですが街中ではないので一般人が入るのは大変かもしれませんね」
オリビアは気付いてないみたいだけど、その温泉って私とオリビアで作った温泉施設じゃない?
街の周辺はほとんど探索済みだけど、温泉なんて私達が作ったものしか無い筈である。
「そんな温泉があるんだね。私も温泉は大好きだよ」
「なら一度は一緒に行ってみたいですね」
「うん!」
しかし、目の前のローラ様が温泉でよくなるとは思えないのだが……
『オリビア、ローラ様の手を触ってみてくれないかな?』
『手を?』
『うん、ローラ様の体調を調べたくてね。私の予想通りなら手からローラ様の魔力を操作すれば良くなる筈なんだよね』
『分かった』
「ローラ、体調を調べたいから手を触ってもいい?」
「オリビアが調べるのですか?」
「うん、調べられる」
「分かりました」
オリビアとローラ様が手をつないだので、ローラ様の体内に流れる魔力を操作していく。
……やっぱりか。
昔はこれで亡くなる人が多かったんだよな。
私はオリビアにローラ様の状態を説明するが詳しい内容はオリビアにはまだ難しかったみたいなので、簡潔に説明する事にした。
『何となく分かった』
『原因さえ分かればきっと周りの魔法師が治してくれるよ』
「いろいろな回復魔法師に見てもらいましたが、今だに治し方が分からないのですし……」
「原因は分かった」
「えっ?」
「原因は魔力不全みたい」
「魔力不全ですか?はじめて聞きました」
「えっと、魔力不全はローラの体内に流れる魔力が多すぎるから所々でつまってる症状みたい」
オリビアの膨大な魔力量は日々の鍛練による賜物だから魔力不全にはならないけど、ローラ様は生まれつき魔力量が多く、成長と共に更に魔力量が増えたことにより気絶などをしてしまうのだろう。
「治し方はあるのですか?」
「ローラが魔力操作を覚えれば解決する」
「魔力操作ですか、私が苦手なスキルですね……。オリビアは使えるのですか?」
「私も苦手。思って通りにならないけど、徐々に上達してる」
「そうなんですね。帰ったら回復魔法師……いえ攻撃魔法が得意な方に相談してみます」
「付与魔法師にならうのが一番効率が良いらしい」
魔法師に限らず魔力操作は全てのスキルを使うときの基礎になるけど、物や他人にスキルを付与出来る付与魔法師が一番魔力操作に長けていると思う。
「付与魔法師ですか? 私の教育担当に付与魔法師はいないですが……聞いてみますね。それにしてもオリビアは同じ歳なのに物知りですね」
「うん。私の師匠は物知りで凄い」
「そんな先生がいるなんて羨ましいですね」




