ランクスの戦い
私は12人の騎士たちと共にグランザリア付近を探索していた。
「ランクス様、本当に我が国に魔王が来るのでしょうか? 特にグランザリアには魔族が興味を示すものは特に無い気がするのですが……」
「私もそう思うのだが、未来視の巫女がグランザリア周辺で魔王と全身鎧の人物が戦っているシーンを観たというのだから近い未来にグランザリア周辺に魔王が来るのはほぼ確定しているのだ」
「的中率99パーセントの未来視ですか……。もう少し詳しく未来を見てもらえるとありがたいんですけどね」
「全く分からないよりは良いだろう。未来視の巫女も万能ではないからな」
未来視の巫女がみえる未来視は、一週間以内のワンシーンのみで、それ以外は何も分からない。
しかし、未来視が無ければ魔王がこの地に来る事すら知らなかっただろう。
「魔王かぁ……。いったい何しに来るんだろう?」
「それは分からない。基本的に魔王は魔王城から出ないからな……。私にも全く予想出来ない」
「私達が魔王と戦闘になったら確実に死にますよね? でも巫女視では全身鎧の人物が戦っているって事は……」
「魔王と戦えば私達は死ぬだろうな。だが、未来視で戦っていた全身鎧は王国の鎧ではなかったらしいから私達が戦うとは限らないぞ」
魔族なら私たちでも戦えるかもしれないが、魔王には確実に勝てないだろう。
魔王に勝てるのは勇者か勇者の系譜の者だろう。
「えっ? そうなんですか? 私はてっきり魔王と戦わされるのかと思って絶望してましたよ」
「戦わないかもしれないが状況によっては戦うからな?」
「ですよね~。死にたくないから戦いたくないな」
「私もローラの為にも簡単には死ねないから極力戦わない方向にはするつもりだ」
「ランクス様はローラ様が大好きですからね。そう言えばローラ様の護衛も参加してますよね。ローラ様は大丈夫なのですか?」
「……護衛なしは心配だから護衛役は外したくなかったのだが、ローラが私の事より国の為に働いて下さいと言われてしまってね、そう言われたら断れないよ」
国を優先しないお兄様は嫌いですとか言われたら断れる訳がないよな。
「ローラ様が無事に学院へ行けるのを祈るばかりですね」
「そうだな。だが例の温泉効果により最近はローラの体調も良いらしいから大丈夫だろう……」
「ああ、あのキャロルを救った奇跡の温泉ですね。そう言えば温泉を教えてくれた漆黒の戦士は見つかったのですか?」
「いや、それも捜索中だ。私よりも遥かに強かったから騎士団に勧誘したいんだがな……」
「この魔王探索にランクス様より強い漆黒の戦士が来てくれたら助かるんですけどね」
「間違いないな……」




