冒険者登録 2
冒険者組合のおじさんは神眼に対してかなりの自信があったのか、まぐれでやられるのは納得がいかないという理由で再戦をやるように言ってきた。
若い女性に負けたからってすぐに再戦をしたがるなんて、小さいおじさんだなと思いながらもオリビアの練習相手には丁度良いと思ったので戦わせる事にした。
真剣の戦いでは神眼対策の練習なんてしていたら命がいくつあっても足りない。
まあ、おじさんの神眼は低レベルなので、オリビアに神眼対策を教えたら簡単にマスターしてしまい、私がサポートしなくてもおじさんに圧勝していた。
「くっ、お、俺がこんなに負けるとは……」
バタッ……
おじさんはオリビアの魔力剣で何度も斬られた激痛により倒れてしまった。
「大丈夫?」
『オリビア、もう気絶してるよ』
『えっ? じゃあテストは?』
『……あっ、テストはまだ残っていたね。 目覚めるまで待つのも面倒だね』
もうおじさんに勝てた時点で冒険者登録は合格で良いんじゃないのか?とも思ったけども、一応はテストは残っているから誰かに続きをしてもらわないと……
『起こす?』
『いや、魔力剣による精神ダメージは気絶しちゃうほど食らうとなかなか目覚めないんだよ。戦場では致命的な気絶だね』
『じゃあ代わりを探そう』
『そうだね。冒険者組合の受付カウンターに戻って説明しよう』
『うん!』
私とオリビアは気絶しているおじさんはほっといて、冒険者組合の受付カウンターへと向かった。
「あれ? ゾディアさんだけですか?」
受付カウンターにいた青年はひとりで戻って来たオリビアに不思議そうに話しかけてくる。
「うん、おじさんは気絶してるから戻って来た」
「ええっ!? ヤマトさんに勝ったんですか?」
「ヤマト?」
「ゾディアさんと一緒に実力テストをやりに行った人ですよ!」
「それなら最終的に勝った。 最初は負けたけど」
「うちの組合長に勝っちゃうなんて……、ちょっと確認してくるので待っていて下さい!」
そう言うと青年は走って出ていってしまう。
『あのヤマトっておじさんは元勇者かもね』
『さっき神眼を使ったから?』
『それもあるし、名前がヤマトって変わった響きだから異世界召喚された勇者かもしれない。それにしては弱すぎたのが気になるけどね』
『クラスメイトにいた勇者も異世界召喚されたのかな?』
『いや、異世界召喚出来るのは魂が不安定な15歳前後しか無理だった筈だからクラスメイトの子は異世界召喚されていないはず。勇者って名乗っていたから勇者に関係はあるんだろうけどね』
『そうなんだ。クラスメイトの勇者とも戦えたら良いな~』




