冒険者登録 実技テスト
私とオリビアはテストの採点待ちのため、冒険者組合内で暇をしていた。
冒険者組合内には簡易的な机と椅子が9セットに依頼票を貼る掲示板、受付カウンター、2階に上がる階段しかなかった。
まあ、仕事を斡旋してもらうだけの場所だから長居する場所ではないのだろうが、それにしても殺風景だなと思った。
オリビアは既に待つのに飽きていたので早く戻って来てくれないかなと思っていてらおじさんが紙を持って戻ってきた。
「待たせて悪かったな」
「すごく待った……。それで結果は?」
「はっはっはっ! 夜中だからこれでも速いんだぞ? 日中ならもっと混んでるから、もっと遅いんだ。それで結果から言えば文句なしの合格だ。俺が採点した中で満点を取ったのはお嬢ちゃんを含めて5人しか見たことがない」
「満点……」
『やっぱりゾディアは凄いね』
『まあ、裏技的なものを使ったから凄くはないよ』
『そうなの?』
冒険者組合内にある本を複写して記憶したのだからカンニングみたいなものである。
テストにスキルや魔法の使用は禁止っいう事はなかったから問題はなさそうだ。
「次のテストは実技テストなんだが、準備がまだなら後日でにしても良いが、どうする?」
「今日やる」
「見たところ、前衛職っぽいよな。鎧はしっかりしているが武器を持っていないだろ?」
「武器ならある」
「そうなのか? ならいいか。この施設の裏に稽古場があるから、そこで実技テストをする」
「分かった」
おじさんは裏にいた青年と受付カウンターの役割を交代してオリビアと共に施設の裏にある稽古場へと向かった。
「おじさんがテストするの?」
「ん? ああ、そうだぞ。よし、稽古場に着いたな。これからやる実技テストは相手に致命傷を与えない範囲で俺と模擬戦をしてもらう」
そう言うとおじさんは稽古場の壁に置かれていた両刃の巨大な斧を持ち上げて構え始める。
おじさんが武器を構えているので、私もオリビアに魔力剣をだして持たせる。
「ほう? その歳で魔法の剣を使えるとはかなり優秀だな」
『ゾディア、全力でいいのかな?』
『うん、用意した魔力剣でなら全力を出しても良いよ。その代わり殴ったり蹴ったりはなしね』
『分かった』
私がオリビアに用意した魔力剣は普通の魔力剣とは違い、相手を斬ることが出来ない様に調整した安全な剣である。
まあ、斬れはしない代わりに痛みは倍増しているから、おじさんからしたらどちらが良いかは分からないけど……
「まずは回避能力から見るぞ」
おじさんは巨体とは思えないスピードでオリビアに近づき、巨大な斧を振り上げて攻撃してきた。
ドコッン!!
「やっぱり回避したか……」
おじさんのスピードは普通の人からしたら回避出来るレベルのスピードではなかったけど、オリビアにしたら問題なく回避出来るスピードだった。
あんな巨大な斧が当たったら危ない気がするんだけど……
ちゃんと相手の動きを読んで力加減を調整してるのかな?




