知識吸収
オリビアは冒険者組合にて冒険者登録をするための実力テストを受けていたのだが……
『ゾディア、分からない…… どうしよう』
見た目は大人の女性だが、中身は子供のオリビアは基礎知識を調べる筆記テストで大苦戦していた。
そして私もこの時代の常識に疎いので、合格出来るか微妙なラインだった。
何とかして知識を得られないかなと考えていて、何気なく魔導探索をしていたら冒険者組合の建物内に本が沢山ある部屋があることが分かった。
うーん。
冒険者組合にある本ならば間違えなく問題のヒントになるだろうから見たい……
【魔導書スキル・知識吸収を取得しました。 知識吸収を実行しますか?】
えっ?
魔導書スキルってなんだ?
知識吸収ってオリビアと会う前に取得した念派みたいなものかな?
とりあえず、知識吸収ってのは今の私達には必要なものっぽいので使ってみることにした。
【警告・半径20m以内の本を強制的に複写しますがよろしいですか?】
ああ、アナウンスの警告は久しぶりに聞いたな。
この世界からのアナウンスには、スキル使用時に警告が出る時がタイプがあるのだ。
これはスキルの使用に使用者が耐えきれない、もしくは少しの時間しか使えないと世界が判断した場合に脳内に流れるもので、今回の場合はきっと大量の本を複写する為に高負荷がかかるという警告だろう。
私が多用していたオリジナル魔導技は世界から認定されていない技能だったから警告を受けたのは、普通のスキルを使った時だけだった。
そして私は迷わず知識吸収の使用を了承する。
そしたら私の中に大量の知識が物理的な衝撃の様に流れ込んできた。
……これは普通の人が使えば脳が処理オーバーで危険な状態になってしまうやつだなと実感していた。
しかし、私には脳が無いので多少の負荷は感じるが問題はなかった。
『どうしたの?』
『心配ないよ。ちょっと知識が増えたからサクッとテストを終わらしちゃおう』
『答えを教えてくれるの?』
『今回は特例として私が答えを教えるよ。その代わり今後に勉強して覚えてもらうよ』
『分かった!』
今、知識が無くても、オリビアにはこれから知識を付けてもらえれば良いだろう。
「終わった」
「ほう、早く終わったな。今すぐにチェックしてくるから待っていてくれ」
おじさんはテスト用紙を持って奥に入って行った。
『テスト大丈夫かな?』
『うん、満点だと思うから大丈夫だよ』
『やっぱりゾディアは凄いね。私には全然分からなかった……』
『オリビアが頑張って勉強してれば実際に冒険者登録をする年齢になった時には分かってる筈だよ』
オリビアは頭が良いから学院に通えば余裕だろう。




