討伐隊
明日からグランザリア第2学院に入学する夜。
『今日の夜は行かないの?』
『いや、明日から学院に通うから今日行ったら疲れちゃうんじゃない?』
『私は全然疲れないよ』
『なら行く?』
『うん!』
普通に考えたらオリビア位の年齢だとよく寝るのだろうけど、魔力量と自然治癒によりオリビアは3日に1回ほど寝れば平気な身体になっていた。
ダンジョンに籠って攻略していく冒険者ならば優れた才能なのだが……
はたしてそれが良いものか迷っていた。
ちなみに前世の私は何故か寝る必要のない身体で、病気らしいものもなかった気がするが、転生したと言う事は何かしらの理由で死んだんだろうから、寝なくても死なないとは言えないのだ。
『今日も秘密基地にいく!』
『分かったよ』
オリビアは温泉施設を作ってからというもの、隠れた施設を作るのが気に入り、グランザリアから少し離れた場所にある魔の森に秘密基地を作る事になった。
魔の森というのは、遥か昔に強力な魔物を封印したことにより、瘴気が満ち溢れてしまった場所で、誰も立ち入らなくなった為に森の様になってしまったらしい。
『じゃあ、いつもの様に街の外にある転移ポイントまで行こうか』
『うん!』
私はいつもの様にオリビアの見た目を変化させ、黒い鎧を着た大人の女性にする。
そして街の外に出た後、転移ポイントまで行く途中に普段はいない、完全武装をした集団がいた。
明らかに誰かを待ち伏せしている感じだ。
『あの集団の目的が分からないから関わらないように遠回りしていこうか』
『うん、何をしてるんだろうね』
『なんだろうね。武装からして盗賊とかじゃないね』
『なら強いの?』
『もっと近寄らないと強さはハッキリしないけど、ランクスさんよりは確実に強いね』
『……』
何となくオリビアから戦ってみたいという雰囲気を感じ取れるな。
『もう少しオリビアが大人になったら魔物狩り以外の戦闘も良いかもしれないけど、今は止めておこう』
『分かった』
多分、オリビアの身体能力ならば勝てるかも知れないが、世界には多種多様なスキルがあるから確実に勝てるという保証はどこにもないから、出来れば対人戦闘はやりたくない。
私の場合は射程圏外からの高火力魔導を使って相手を倒していたからほとんど余裕だったけど、一部の強者とは近接戦闘をして苦労した記憶がある。
そして、オリビアには近接戦闘しかないから身体能力が低くても特殊なスキル持ちがいた場合は危険である。
それから予定ルートよりも大幅に迂回して転移ポイントへ行き、秘密基地に転移するのだった。
『やっと着いた~!』
『念のために遠回りしたからね』
『今日はなにする?』
『うーん、どうしようかな』
現在、魔の森内にあった小さな湖近くにいて、更地に小屋が一軒あるだけだった。
この更地を作るのも苦労したからな……




